030⚫️45歳の宣言
最年長105歳のジョン・スミスが、
車椅子を押されて「ラベリア」の最深部に入った。
彼は老衰で亡くなった100歳のことを思い出していた。
自分が5歳から5年間、面倒を見た子だった。
若いくせに、100歳であの世にいってしまうとは・・・。
まだまだ、自分は元気だ。
「最長老として、若い連中に範を垂れなければならん。」
彼はそう呟き、ホールへ向かった。
14人のジョン・スミスが集結した。
要塞のホールは鋼鉄と光に包まれ、空気は重い。
5歳に代わり10歳が0歳の面倒を見ている。
15歳は拳を握った。
ジョン・スミスをつけ狙うとは、思いあがったヤツだ。
自分が一撃喰らわしてやりたい。
25歳は胸を高鳴らせる。
これだけのジョン・スミスが一堂に会したのだ。
それぞれの経験を直接聞き取るチャンスだ。
いずれ自分がリーダーとなる日のために。
30歳は思案に沈む。
35歳も40歳も屠られた。45歳が再任された。
自分のチャンスだと思ったが、狙撃されるのはごめんだ。
様子を見よう。
55歳は憤った。
自分はトップに立つことなく、影の存在のままだった。
なぜ日陰の自分まで、この危機に怯えなければならないのか。
65歳は慄いていた。
現役を退いて久しい。ブリッツ排除に同意した。
それがこのような事態になるとは。
70歳は周囲を見渡した。
衣食住は保証されているが、不自由だな。
75歳は80歳に話しかける。
幼い日に面倒を見てもらった‘兄’である。
昔日の思い出話に花が咲く。
90歳、95歳は背もたれに沈み、眠っている。
45歳が立ち上がり、声をあげた。
「ここに、サード・アイの全ジョン・スミスにより、対ブリッツ作戦を継続・実行することを宣言する!」




