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028⚫️完全なセキュリティでのコーヒー

45歳のジョン・スミスは考え続けていた。

ブリッツを排除するべきか。

既に40歳と35歳のジョン・スミスは抹殺されている。

組織的にジョン・スミスが代替わりしていることに、

気づかれている可能性が高い。


40歳は、目前でブリッツを亡き者にしようとしたためだ。

理解できる。

だが、35歳がブリッツへの対応を継続していたことが、なぜわかったのか。

単なる警告なのか、それとも確信があっての狙撃なのか。

組織としての決定事項まで、ブリッツは情報を得ているのか。


サンジェルマン計画の初代は、随分昔に寿命を迎え、この世を去っている。

科学と教育によって、ハードとソフトの両面から受け継がれた理念。

それは’創造のための破壊’。

ジョン・スミスは、その信仰を営々と繋ぎ、サード・アイの旗を掲げてきた。

教義は守られ、傘下の企業は利益を上げてきた。

だが、ここに来て、その破壊に使った手駒によって、自分たちが滅びるのか。

組織を守るために、攻勢に出るべきか。

それとも、害意がないことを示し、嵐をやり過ごすべきか。


彼は一度、中枢者として役職を担っている。

二度目の今回は、歴代のジョン・スミスにはなかった’返り咲き’である。

その経験が囁く・・・これは分岐点だ。

自分たちの存続か、滅亡か。

サードアイという宗教的指導者として、彼は教義に忠実であろうとした。

もし、自分たちが滅びるのであれば、それは創造のための過程である、と。

45歳のジョン・スミスは指令を飛ばした。

ブリッツを必ず排除せよ。


指令を飛ばした後、彼は静かにブラックコーヒーを口にした。

執務室は完全なセキュリティに守られている。

問題ない。狙撃される位置にはいない。

ブリッツも、手出しはできないはずだ。

モニターの光が、無機質に彼の顔を照らす。

静寂の中、空調の低い唸りだけが響いている。


だが、完全なセキュリティの外側で、既に影が動き始めていた。

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