表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/11

拾った動物は家族

実際、桂子の仕事はいつも、あまり長くは続かない。それでも、桂子が40歳代の頃はまだよかった。気に入った仕事があったようで、3年位続いた。その後は、期間限定の短期の仕事や、長くても1年続けばいい方で、大方は長期の仕事でも途中で辞めていた。桂子の性格上、何かちょっと気に入らないと逃げ出す癖がついてしまったのだろう。昭夫が年金を受給している安心もあってか、桂子は、仕事を辞めては替え、辞めては替えの繰り返しだった。その度に、昭夫は冷や冷やさせられた。桂子が、今度こそ、引きこもりにでもなったら、生活に不安が残る。第一、桂子の心や身体のことも心配だ。



桂子は、50歳代も半ばを過ぎると、仕事を辞める頻度が以前よりもっと多くなり、また、そのことで、昭夫が心配になって憂鬱そうにしていると、そんな昭夫に向かって噛みついてくるから、たまったものではない。「昭夫さん、私が仕事を辞めると何が心配なの?お金のこと?だったら昭夫さんが働けば?」

昭夫は、やっと答える。「俺は、もう充分働いてきたよ。もういい歳だし、年金ももらっているよ」

「だったら、私だってあと半年と少しで定年の歳になるから、前倒しで年金をもらう。細々やっていけるわよ」


なんと桂子は能天気なのだろう。昭夫は、溜息をついた。でも、桂子は大事な家族だ。この拾った猫を捨てたりしたら、こいつはどうやって生きて行くのか。桂子は、この時まだ、自分がいかに果報者であるかについて、まったく気付いてはいなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ