追放された「公爵家のゴミ」。俺を捨てた家族が、後に全てを失うことも知らずに
「アルト・フェルディナンド。スキル……【最適運用】。魔力値、身体能力値、ともに『測定不能(最低値)』」
鑑定士から放たれた無慈悲な宣告。それが、アルトの心臓を直にわしづかみにする。
(測定不能……?)
アルトの視界には、人々の体内で燻る魔力の火種が、複雑な「回路」のように映っていた。
だが、そんなものは誰にも見えない。
「数値」だけが絶対のこの世界では、見えていても「使えない」アルトは、ただの無能だった。
「……そんな。父上、これは何かの間違いです! 俺は、屋敷の魔力炉の調整だって、これまで……っ!」
「黙れ、無能が」
父親の冷徹な一言が、アルトの言葉を遮る。
「言い訳は見苦しい。我がフェルディナンド家に、攻撃魔法の一つも使えぬゴミはいらん」
弟のライオネルが、憐れむような、それでいて優越感に満ちた目でアルトを見下ろす。
「兄さん、もういいんだ。無理して『やってたフリ』をしなくていい。……そのスキルじゃ、これからは自分の生活を『管理』するだけで精一杯だろうしね」
そこへ、追い打ちをかけるエレノアの冷たい声が響いた。
「アルト様。……正直、吐き気がしますわ。そんなゴミスキルで、よくもこれまで私に触れようとしましたわね。……今この場で婚約を破棄させていただきます。汚らわしい」
彼女は、アルトが大切に贈った誕生日のブローチを、その場で床に投げ捨て、ヒールで踏みつけた。
(……ああ、そうか。誰も信じていなかったんだ。俺が屋敷のためにしてきたことも……全部。最初から、俺なんていなかったのと同じなんだな)
目の前が真っ暗になる。
これまで必死に家族のため、領地のために尽くしてきた誇りが、ガラス細工のように音を立てて砕け散った。
それは、家族から投げつけられた、錆びて使い物にならない「実家のガラクタ」――追放の証だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本作は全7話、Web小説の醍醐味である「逆転」と「カタルシス」を凝縮した王道ファンタジーです。
追放されたアルトが、誰も見抜けなかった真実の力で世界を「最適化」していく物語。
短いお話ですが、最後までノンストップでスカッとする展開をお届けします。
本日中に全話を公開致します。
もしよろしければ、次のお話も覗いていただけると嬉しいです!




