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お前も物好きな男だな。

 それでもおれは一応、言ってみた。

「あなた方は知らなかったことにしておいたほうがいいでしょう。主君に刃向かうことになりますから」

「いや、わしらも行く。いまはそんなことを言っておる場合ではない!」

 本多忠勝が即断し、榊原康政と井伊直政と酒井家次の三人もうなずいた。

「それは頼もしい。では、お願いします」


 地下牢からの脱出経路にはまたチューブの力を借りた。

 一階まで戻ったおれたちを迎えたのは気絶から目を覚ました門番たちだった。

 彼らは先頭のチューブに斬りかかってきたが、おれはとっさに彼女を胸に引き寄せた。

「危ない!」

「あ、いいな……」

 背後でお萌がつぶやいた気がしたが、きっと空耳だろう。


 と、その時、四天王がいっせいに前に出て、声を揃えて叫んだ。

「控えい!」

 その声の迫力に門番たちは思わずその場に平伏する。さすが四天王の威光は凄い。

 そこから先はスムーズだった。

 おれたちは本丸御殿まですんなりとたどり着くことができた。

 途中で行き会う武士たちは四天王を率いるおれを見ると、あっさりと通してくれた。


 本丸御殿の入口に立ったおれは、一同を振り返る。誰もがうなずいた。

 深呼吸を一つしたあと、おれは襖をパーンと勢いよく開けた。


「よう、先代。お前も物好きな男だな。元の世界には戻らなかったのかい?」

 本丸御殿の中に入ってきたおれに向かって徳川家康はそう言った。


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