1話
「魔法少女にならないピリ?」
彷徨い続けた魔法少女勧誘、ついに実る瞬間が訪れた…!
…ピリ?
魔法少女ものといえばきゅ〇べぇをはじめとして、お供のマスコットの存在は不可欠!魔法少女課に配属されたぴりたんは、晴れてその一員になれたのはいいが、なかなか魔法少女が見つからないことに悩んでいた。
ぴりたんは憧れの仕事に就くことができて早一年、未だに魔法少女と契約をしたことがない。一人でも見つかれば周りに波長が合うやつが都合よく出てきてバンバン契約できるんだけどなぁ。と、ため息をつきながら上空から魔法少女候補たちを監視していた。
魔法少女に向いている条件は一つ!顔が良いことである。それ以外は不問。どんな馬鹿であっても変身するとなんか都合よく察しが良くなるし正義感も身体も強くなる。ほんと、魔法アイテム課の能力が凄まじいことが分かるピリな。それに比べて魔法少女課は魔法少女が見つかるまで地獄みたいに彷徨う日々、見つかってからも四六時中魔法少女につきっきりにならなければいけないドブラックな職種である。やりがい搾取にもほどがあるピリ(笑)。給料も良いし、憧れてなった仕事だから文句を言うつもりはないピリが。思うのは自由ピリ。あー、はやく魔法少女見つからないかな…
ビビッ!!!
「ぴぎゃ!!!!!!!」
魔法少女レーダーになっているぴりたんのしっぽに電流が走った。
痛い、痛すぎる。魔法少女課に配属されたときに何か埋め込まれたと思っていたけど罰ゲームか?!これは!!痛すぎる!!マジで訴えるからな魔法少女省!!
…でも今はそれどころではない。近くに魔法少女がいるのである。
あ、あいつだ!!!痛みは我慢して急いで降りるしかない!!!
ぴりたんは急いで魔法少女候補の前に飛び降りた。
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「魔法少女にならないピリ?」
「はい、なります!!!」
え、二つ返事?急いで目の前に降り立った瞬間少女は驚いていたが、確かに嬉しそうな顔はしていた。
「一旦親と相談するとかないピリ?ほ、ほんとうに大丈夫ピリ?」
「うん!だってプニキュアもまほマギも皆なるって即答してるし!」
「お、おう」
あれは魔法少女不足に陥った魔法少女省がプロパガンダで流したアニメだったが、効果があったのか。報告しておこう。
「ねぇ、魔法少女になったら何するの?やっぱり敵と戦うの?」
「あぁ、ときたま敵が現れるから、他の魔法少女と共闘してほしいピリ」
「他の魔法少女がいるの!?」
「これからできるピリ」
今までの報告通りなら…だが、何も知らない少女はぴりの言葉に目を輝かせた。
「これから!?もしかして魔法少女は私しかいないの?」
「そうピリ、これからガンガン勧誘していくピリ」
この地区にはな。と言いたいところだが、一人目にこだわってそうに見えるから大人しく黙っておく。嘘は行ってないピリね。
「じゃあ私も勧誘手伝って良い?!夢だったんだよね~魔法少女になるのも仲間を探すのも!」
少女は
最初の魔法少女を起点にして近辺で次の魔法少女が見つかるしな、手伝ってもらえば楽そうピリ。
ぴりたんと魔法少女(1人目)は勧誘に向けて歩き出したのであった!
「あ、大切な話を忘れてたピリ。親御さんのところに連れて行ってほしいピリ」