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夜の帳が消えるまで  作者: 世界の中心で愛を叫ぶ系雑草なムシキ
プロローグ
1/11

開幕

さぁさぁ、舞台の幕は上がった。

これより語られますは、楽しい楽しい物語

朝が来ない世界で不死者と呼ばれる化け物を殲滅しつつ、朝を取り戻そう奮闘する少年少女達の物語



______狂った現実に花束を、歪んだ幸せに祝福を

2×××年



パチパチと爆ぜる火花の音

此の世のモノとは思えぬほど悍ましい”何か”の呻き声

真っ暗な空には大量の鳥の大群

次々と崩落していく家々

そして


「あ”、あ”あぁぁぁぁぁぁぁああああああああ?!?!」


一帯を埋め尽くすほどの悲痛で、絶望を溶かしたような悲鳴が様々な場所から上がる

逃げ惑う人々の群れ、子だけは守ろうとする女の姿、訳も分からず喚き散らす男の怒声

膝まづき神に救いを求める教祖、苦し気に呻く子供の顔に噎せ返るほどの血の匂いが漂う。

誰が見ても分かる異常な光景


「あははははははははははっ!」


そんな光景を見て、恍惚といった表情を浮かべ笑う男が一人

その男は両手を血に染め、その手を掲げて狂喜に満ちた笑い声を上げていた。

その姿は正気を失ったようにしか見えない。

しかし彼は間違いなく正常だった。

美しい長い白髪を掻き乱し高らかに笑う男の顔は見えない、ただ、一つ言えることはこの男は正常であるものの”異質”であり”異常”である、という事だけだ。


軈て男は笑いながら、一歩踏み出す。

足元に広がった誰のモノかもわからない血だまりが飛沫を飛ばし、足を濡らす。

踏んだ際に跳ねた血液が素足に素足の甲に絡みつく。

男はそれに気を止めることも無く、やせ細った手を輝く満月に伸ばし、見えている口元を大きく吊り上げる。


「ようやく!漸く私の夢が叶う時が来た!」


一片の光すら届かぬ闇の世界で男は歪に笑う


「さぁ、粛清を始めよう___神の名のもとに」

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