新キャラの設定を2つのどっちにするか悩んでたおじさんが、結局第3の選択肢を選んで2日で書き終えた6話(鈴蘭とメダルと休日)
タイトルにもある通り散々悩んだ挙句、思いついたらすぐ書く妄想おじさんです。
最近ウマの女の子を育成して走らせるゲームを始めて、時間をたっぷり持ってかれてます。
評価A以上ってどうやって出すんだこれ……
アニメも見ましたけど、2期は泣かせにかかってるでしょあれ……
そんな感じで時間を取られたおじさんが急に思いついた話です。ゆっくり読んでいってください。
私は周りとは違う
この見た目から私を差別をする人はたくさんいた。
でも私は出会った。
私はこの出会いを神に感謝する。
だって私を本当に綺麗と言ってくれる人はあの人だけだから。
「この前柚子ちゃんと買い物行ったばかりなのに、なんでもう新しい服をこんなに買うのかなぁ…」
「いーでしょ別に。兄さんみたいなめんどくさがり屋にはわからないよ。」
「はいはい…」
この前のカメラの一件から数十日。
あれから3人とも特にそういった事はなかった。
強いて言えば、視線を感じることが何日かあったがカメラや携帯を構えてる人は居なかった。
念のため、家族や知り合いにはこの事を話したが心配は無さそうだ。
「それでねーって兄さん聞いてる?」
「あ、あぁごめん。ちょっとぼーっとしてた。なんの話?」
「湊人くんの話! あの日以降まだ会えてないから改まって話がしたいなーって。」
「あーなるほどね。」
「だから今度家に呼んでよ! 気になる事が色々あるし!」
「湊人の予定が空いてたらだけどね。」
湊人のことだから誘ったら絶対来るんだろうな。
……なんだか犬みたいだ。よくのしかかってくるし。
「あれ? 柚子ちゃんから電話だ。」
「んー? もしかして家に来てるとか?」
「さあ? ……もしもし柚子ちゃん? どうしたのいきなり。」
『あ…! か、薫ちゃん? お、落ち着いて聞いて……!』
「え? どうしたのそんな慌てて。」
『今私、薫ちゃんの後ろの方にいるんだけどね……ま、前お兄さんが言ってた人がいるかも……!』
「そ、それって……わかった。ありがと柚子ちゃん。兄さんにも伝えるから、できれば家に着くまで見張ってて欲しいな。」
『う、うん。もしかしたら私の勘違いかもしれないしね。見ているよ。』
「ありがとうね……兄さん。」
「柚子ちゃんなんだって?なんか真剣な感じだったけど。」
「そ、それがね……」
薫が珍しく小声で話すと思ったら、どうやらこの前の写真を撮ってた人かもしれない人がいるらしい。
教えてくれた柚子ちゃんには本当に感謝しなきゃ。
「とりあえず、本当に僕らを追う人なのか家に着くまでは行動は起こさないようにしよう。」
「も、もしそこまで着いてきたら?」
「……警察の連絡を準備して、話を聞くのがいいかな。」
「わ、わかった。柚子ちゃんにも伝えておく。」
本当にこの判断で正しいのかはわからないが、今できる事はこんな感じだと思う……
ここで離れてくれればそんな心配は無いんだけど……
「家まで着いたけど……」
『ま、まだいるよ? というか影からお兄さんをしっかり見てる……』
「そうか……じゃあしょうがないね……柚子ちゃん連絡の準備をしといて。」
『気をつけてね……お兄さん……』
ゆっくりと後ろを向くと柚子ちゃんと目が合う。そこまで離れてはないのか。
そして僕と柚子ちゃんの間に1人の人が電柱の影からこっちを見ている。
意を決して足を踏み出すと、その人も電柱の影からその身を出した。
「……あの! すみません! さっきから僕らの事つけて…………ってその格好……? まさか……」
大きな帽子にサングラスとマスク。確かにそろそろ寒くなってきたが、流石にまだ暑そうと思える長袖の上着に長ズボン。
確かに側から見たら不審者だ。
ただ、僕はこの人を知ってる……
「ら、蘭? その格好……蘭だよね?」
「蓮……返しに来た。」
「で? 結局誰だったの兄さん!」
「そ、そうですよ! 知り合いみたいでしたけど簡単に家に上げていいんですか?」
「はいはい。ちゃんと紹介するから。この人は五十鈴 蘭。隣のクラスの友達だよ。」
「妹さんに……その友達……よろしく。」
「家の中だからもうそれ外していいんじゃない?外だと必要だろうけどね。」
「うん。」
蘭が帽子にサングラスとマスク、上着を脱ぐ。
日本では珍しい銀色の髪に真っ白な肌、明るい茶色の目をした美しい人が現れる。
しかしその表情は無といっていいほど感情が無かった。
「……きれい。」
「うん……蘭さんは日本人なんだよね? って事は。」
「色素欠乏症……アルビノの方が……わかる?」
「だからあの格好をしていたんですね。日光に弱いと聞きますし。た、大変じゃないですか?」
「大丈夫……慣れてる。……優しいね……えっと。」
「僕の妹の薫と友達の柚子ちゃんだよ。前も言ったけどそんな目で見られないでしょ?」
「うん……よかった。……改めてよろしく……薫ちゃん……柚子ちゃん。」
確証があったわけでもないし、突然会うことになったけど2人とも優しくてよかった。
大丈夫って何度言っても人と関わろうとしないのは前話してくれたあの事からかな。
「それで蘭さん! 兄さんに返しにきたって何を借りていたの?」
「あーそれが僕にもよくわからない物なんだ。」
「よ、よくわからない物ですか……?なんで蘭さんに?」
「私の家……骨董品とか扱うの……だからわかると思ったの。……それがこれ。」
蘭がバックから出したのは、よくわからない文字の書いてあるメダルのような物に小さな鏡がはまっている物だった。
「なんか神秘的な物ですね。こんなに錆びているのに鏡は全く汚れてないのが不思議です。」
「これ……どこで見つけたの? こんな物家に無かったよね?」
「僕もよくわからないんだ。買い物してた帰りにいつの間にか持ってた。それで、どうだった? これが何かわかった?」
「ごめん……親にも聞いたけど……見た事も……聞いた事も無い物。」
「そっか。でもありがとね。時間かけて調べてくれて。」
このメダルは6月に渡した物だから大体、3.4ヶ月経つかな?
きっと色々な人に聞いてくれたんだろう。
それでもわからないこれは本当になんなんだ。
「あの……調べるのは……1週間で終わった……」
「あれ? じゃあこんな時間かかったのって?」
「渡すタイミング……無かった。何度か……帰りに渡そうとした……けど1人の時……無かったから。」
あ、それじゃあ……あの視線の正体はやっぱり蘭だったのか。
これで不安の種がなくなったな。
「そういや兄さんと蘭さんって隣のクラスなんだよね!どうやって知り合ったの?」
「んー? 確か学校の図書室だったっけ?」
「合ってる……あの時は……
あの時私は誰にも話しかけられなかった。
新しい学校に行くとこの見た目の所為か私に近寄る人はいなかった。
この話し方の所為でもあるか?
だが、中学の頃も同じだったから慣れていた。
1人将来の夢のためにとにかく勉強を続けている所に彼は現れた。
「あのーちょっといいですか?」
「はい……なんですか。」
「そこに積んである本、読み終わってたら貸してくれませんか?」
「……これ? まだ読んで無い……けど今は……他の本読んでるから……大丈夫。」
「あ、じゃあこの席で借りますね。」
『兄さん真面目な本なんて読むの!? 小説かマンガぐらいしか読まないのに!?』
『あー…あの時は課題のために使いたかったから…』
『あの本……結構専門的……使えたの……?』
外では厚着だけど室内だからある程度見た目がわかるのに、なんでこの人はなんの躊躇いも無く話しかけるのか。
正直それが疑問で本の内容は入ってこなかった。
「あなた……私のこの見た目……驚かないの?」
「…驚きましたよ。でも、同時にきれいだと思いました。」
「き……きれっ……!?」
「それに、この本って全部色素やアルビノに関する物ですよね?」
「あなたは自分の見た目を否定せず、理解しようとしてる。それってとても素敵だと思いますよ。」
「す、すてき……!?」
「……どうしました?本で顔を隠して。」
な、なんなんだこの人……
確かにこの見た目から綺麗とか素敵とか言う人はたくさんいた。
でも、この人の言葉は今までの言葉と何か違う。
本心で言ってるような……こんなの言われたらこっちが恥ずかしくなる……
皮膚の色が元々白いから、赤くなるとすぐわかってしまう……わ、話題を変えよう。
「私は……五十鈴……蘭。1年生……よろしく……お願いします。」
「蘭さんですか。僕は鳴浜蓮です。っと同じ1年なら敬語はいらないね。よろしくお願い……よろしく。」
「ああ……よろしく。」
それから話す機会は少なかったが、仲は良くなっていった。
とても楽しい日々を送れたと思ってる。
……という感じ。」
「んで、今も時々こっちの教室に来て僕と話したりするからね。」
「ら、蘭さんってアルビノの勉強してたんですよね? って事は将来の夢って。」
「ああ……未だ確立されてない……アルビノの治療……それを成し遂げる事。」
「す……すごいです!」
それから柚子ちゃんが憧れて「私もその研究手伝いたいです!」と言ったり
大人しくしていた薫が「改めて見ると蘭さんきれいだわー!普通では無いような魅惑みたいな!ゲームで言うところのナージャとか(ry」と暴走して求婚まで行ったり
突然僕の家にいる事に実感を得たのか、無表情の蘭が赤くなったり
色々あったがとても楽しい休日になった。
「楽しかった……な。薫ちゃんと……柚子ちゃん……いい子だったな。」
すっかり暗くなった帰り道を1人で歩く。
夜ご飯も頂いてとっても心地いい気分だ。
「あの時……蓮が話しかけてなかったら……私は……誰も信じれなかったのかな。」
子供の頃を思い出す。
とても嫌な記憶だ。
高揚感が一気に冷めてしまう。
「……ううん。今は……蓮達と会えた事に……感謝しよう。この時間を……楽しもう。」
そう気持ちを切り替えた時だった。
暗闇の中に閃光が走り私の体を光らせた。
パシャッ
「……っ! 今の……一体……!?」
私はまた子供の頃を思い出し、逃げるように走り出した。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
実はこのキャラはもっと後の話で出すつもりでした。
ただ、この場面に合わせて見ると意外とピッタリでここだ!ってなりました。
そして次回も蘭の話です(今の予定では)
最初は1話でヒロイン1人の話を終わらせてたのに、1話じゃ足りねぇ!ってなってしまいました。
ごめんよ湊人…柚子…
こんな作品でも面白いと思った方は是非評価やコメントをお願いします!
……なろうの事あまりわからないけどコメントって貰えないのか?