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正直このサブタイトルに書くネタが無くなり、次の話はどんなこと書けばいいのかわからないおじさんがそんな事考えず本文を書き終えて投稿する5話(菊と遊びと校舎裏)

こんにちは、毎週投稿したいなって思ってたらもう週末になってしまう事に焦ってるおじさんです。



菊池さんの話を2連続で書きましたが、前回と同じように正直これでよかったかなーって思ってます。



菊池さんの話書きづらいんですよね。おじさん的に苦手な過去ですし。



じゃあ書くな?思いついちゃったんだからしょうがないよね!



それではゆっくり読んでいってください。

 たった一歩……簡単に踏み出すことができる一歩も始めとなると恐怖がある。


 それはきっと大人になる度に増していくものだ。


 私は誰しも簡単にできたその一歩を子供の時に経験できなかったのだろう。


 そしてようやく踏み出した一歩は悲しくも二歩目に進むことができなくなるような結果となった。












「で?」


「んー?」


「『んー?』じゃなくて! 昨日の剣道部の人から呼ばれた話! ……あの後勝手に帰るからあたし達置いてけぼりだったんだけど。」


「ごめんごめん。あの後いろいろ話聞かれて時間かかったからからもう帰ったのかなって。」


「ぼくはもう気にして無いよ〜。」


「……まあ、湊人がそういうなら別にいいけど。でも、何話したのか教えて。」


「いや、別に大したことじゃないけど……」




 少し怒ってる桜とそれを宥める湊人を前に昨日の事を言う。

 ……といっても

 僕に告白した子が部活に来ない。

 連絡取れる人に声をかけている。

 僕は連絡先を知らない。

 で終わりだったけど。




「ふーん……剣道部の人って3年なんでしょ? 名前はなんで言うの?」


「百合原先輩だよ。真面目だけど猫が好きな人。」


「百合原? この前剣道部の手伝いに行ったけどそんな人いたかな……湊人はわかる?」


「ぼくも聞いたことないね。隣で練習とかしてるけど、百合原って呼ばれてる人はたぶんいないし。」


「へー……ま、たまたまでしょ。その時に居なかっただけだよ。」


「そうかなぁ……?」




 正直、百合原先輩が本当に剣道部なのかとかどうでもいいんだよなぁ。

 まあ、そんな事確かめるのなんてめんどくさいってのもあるけどね。




「……あ、先輩からメールだ。」


「え!? どんな内容!? 見せて見せて!」


「あーはいはい。……ほら。」




 なんで桜は百合原先輩の事についてこんなに積極的なんだろ……

 そんな事を思いながら桜に携帯を渡す。




「ぼくにもみせてー!」


「えーっと…なになに? 『いつもの場所で待ってる。用事が無ければ今来てくれ。』……これって。」


「うそ!? また蓮にそんな人が……!」




 ……みんなは何を言ってるんだ?

 こうやって呼ばれたのは何回もあるから僕は慣れてるけど……




「れ、蓮! 行くの!? 行っちゃうの〜っ!?」


「うげっ……の、のし掛かるな……お、重い……」


「それでどうすんの!? 行くの!?」


「桜まで……そりゃまあ、面倒だけど行くよ……」




 そう言いながら湊人を引き剥がすと、桜が妙にテンションを上げてきた。

 湊人は……なんでそんな世界の終わりみたいな顔してるんだよ。













 私が小学生の頃、習い事の量で友達と遊ぶ事が無かった。

 もちろん昼休みに遊ぶことがあったが、放課後遊べないとどんどん誘われることがなくなった。




 そして気づいた時には、私は1人だった。




 中学生になって新しい人と出会う。

 その頃には剣道一筋だったので部活の無い日は休みだった。

 でも、私に友達なんてできるわけなかった。

 遊ぶ相手なんていなかった。




 そんな私にも2年生になってようやく親しい人ができた。

 そこからは楽しい日々を送れた。

 その子が遊びに誘い、私の空いてる日に合わせてくれる。

 とても優しい友人に恵まれた





 ………はずだった。





「ねぇ……ゆーちゃん。」


「どうしたの? 凜子ちゃん。」


「あの……××日遊びに行かない?」




 遊びに誘うのは初めてだった。

 とても緊張した。

 でもきっと……ゆーちゃんは笑顔で了承してくれる。

 その考え自体が間違えだった。




「凜子ちゃん。これから遊ぶのやめよう。わたしこれ以上……」


「………え?」




 この事は今でも鮮明に覚えてる。

 あの優しいゆーちゃんが……

 笑顔の絶えないゆーちゃんが……

 いつもと違う顔を見せて……私を拒絶した。



 それからゆーちゃんは私を避けるようになった。

 私と遊ぶのが楽しくなかったから?

 私は何をすれば良かったんだろう。

 私はどこで間違えたのだろう。







「ははっ……私も馬鹿だな。」


 震える手を抑えて、文字を打つ。


「あんな事があったのに、彼を信用してしまっている。きっと断る事は無いと……」


 短い文章を作り終える。


「でも……彼なら……!」


 あの場所に立ちメールを送信した。












「先輩! お待たせしました!」


「………! 来てくれたか!」




 鳴浜くんが来た。

 こう前にしてしまうと、いっそ来ないで欲しかったと思うほど緊張する。




「それで……何の用ですか? 突然来て欲しいなんて。」


「あ、ああ……それなんだがな……」




 手が震える。

 あの頃を思い出して冷や汗が出てくる。

 でも、彼は私を信用した。

 なら、その逆だって……!




「きょ、今日なんだが……一緒にあの……」


「? どうしました?」




 言葉が詰まる……

 こんな時……なんて言えばいいんだ……

 いや……思った事をそのまま声に出そう。

 きっとそれが、彼に一番伝わりやすい。




「今日! 私と一緒に遊びにいかないかっ!?」


「え、先輩と遊びに……?」




 言ってやった……

 私は過去のトラウマを克服した……!

 心が和らぐ……緊張がほぐれるようだ。

 この一言を言うために何年かかったのか……




「えーっと。ごめんなさい。先輩とは遊べないです。」


「……………え?」




 今……なんて……?

 遊べない……? 『今日は』じゃなくて『先輩とは』……?

 心が急に締る。顔から血の気が引いてく。

 私は浮かれていたのか……? どうして……こんな……




「……っ!」


「だって……って先輩!? どこ行くんですか!?」




 あの時と同じだ……

 彼から必死に逃げて……

 この事を出会った時から無かったことにするんだ……









「うっく……っひ……」


「……馬鹿か私は……っく……」




 口から情けない声が漏れる。

 走りながら熱いものが目から流れる。

 きっと私は今、いつもの顔ではなくなってる。

 沈着冷静? 冷酷無比? そんなものは見る影もない。




 いつしか私は彼と出会う前の私が使っていた1人になれる場所に来ていた。

 ゆーちゃんの時と同じ……また、1人になる。

 2回目でも……この瞬間は何よりも辛いものだ……






「うっ……くそっ……止まれっ……」


 私は無限に湧いてくる涙を両手で拭う。


「なんでっ……止まらないっ……」


 あの時遊びに誘わなければ、まだ友達だったのだろうか。

でも…


「……っ!?」




 携帯が鳴る。画面に映るのは彼の名前。

 なぜだ? なぜ、嫌いになった私に電話をかける?

 ……でも、ここで出なきゃ変わらないのか?

 あの時のゆーちゃんに裏切られた私のままなのか?

 それは……それだけは嫌だ……!

 それを変えるために彼を呼んだのだ……!

 なら……もういくら傷つこうが……やってやる。




「はぃ……」


「あ、よかった! 百合原先輩、突然走っていくから……理由も言えないし。」


「りゆう?」




 少し鼻声になりながら彼の話を聞く。




「だって百合原先輩3年ですよ? もう8月ですし……受験の方はいいんですか?」


「…………ぁ」


「受験は大切です。確かに気を抜くことも大切ですが、受験だけじゃなくて先輩は部活もあるんですから。」


「ってことは……」


「遊びに行くのは先輩の受験が終わってからです! ……でも終わったら沢山遊びましょうね。」


「ふっ……っく……」


「……先輩?」






「ふっ……あっはははは!」






 本当に馬鹿だ! 私は!

 こんなに私の事を心配してくれてるのに、私の方から拒絶するなんて!

 馬鹿すぎて笑いが出てくる!



「せっ先輩……?」


「ははははっ……っと悪い悪い。私が考えていた事が馬鹿馬鹿しくて。」


「そ、そうですか。」


「そこまでされたら私も応えないとな! 受験は必ず成功させてくる! ……終わった日を楽しみにしてるぞ。」


「百合原先輩なら大丈夫ですよ! 僕は信じてますよ。」




 信じる。

 数ヶ月前までその言葉を疑っていた。

 けれども私は学んだ。彼に信じる事を。




「……菊池だ。」


「え?」


「私の本当の名前は菊池だ。……今まで騙してすまなかった。」




 だから私も彼を信じよう。

 きっと大丈夫だ。













「まさか百合原先輩が剣道部の副部長、菊池先輩だとは……」


「あたしの違和感は当たってたでしょ! 百合原先輩なんて居たっけっていう!」


「桜さんはすごいね。たった一回のマネージャー代理でそんな事に気づくって。」




 3人で帰り道を進みながら話していく。

 あの後、教室で待っててくれた2人を今度こそ忘れずに迎えに行った。




「でもまさか遊びの誘いとはねぇ……!」


「よかったよぉ……僕はてっきり……」


「てっきり……何?」


「な、なんでもないですーっ!」




 湊人が顔を赤くしながらそっぽを向く。

 そんな湊人を見るとふと、後ろの電柱に人気を感じる。

 その瞬間電柱の影から光が差し込んだ。






 パシャッ!






「……い、今の音って!」


「あ、あたし何もしてないよ!」


「……誰かに撮られた?急いで帰ろう!」






 嫌な予感がした僕は2人を連れて走った。






最後まで読んでいただきありがとうございました!


最後は少し不穏な空気でしたが、次回はそこまで不穏では無いとおもいます。(これから書くからどうなるかわからない。)



最後に、少し手間ですが評価や感想など書いてくれるととても喜びますのでよろしくお願いします。

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