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恐ろしく悩んだ挙句用事が立て込んで書けてなかったのに、一晩で思いついて次の日の事を考えず書き終えちゃった4話(百合と部活と校舎裏)

数日ぶりです。妄想おじさんです。

思いつかなかったり、携帯を変えたり、仕事関係で時間が取れてしまったので遅くなりました!

あと、思いつかなかったのもあるので今回の話は正直自分でも大丈夫か?と思ってるぐらいです。

それでも読んでくれる人はゆっくり読んでいってください。

あと、pixivの方で2次創作の作品を書きました(今はまだプロローグだけですが)

興味がある人は是非読んでいってください。

 私の名前は菊池 凜子。

 高校3年生 剣道部 大将兼指導役。


 私はこんな……こんな学生生活を送りたくなかった。



「新田さんっ脇の締めが甘いです!」


「は、はいっ」


「金森くんっ力任せに振りすぎです!」


「すっすみません!」


「初部くんっ足の踏み込みを意識してください!」


「わかりましたっ!」




「うわっかわいそー……菊池が指導役なんて、後輩は何も言えないだろうな。」


「あんな怖い部活入る人がおかしいって」


「俺こっちの部でよかった。いくら賞を貰えてもあれじゃ壊れちまう。」




 どうしてそんな事を言うの……?

 私は彼等にとって最良の練習をさせている。

 確かに気楽に話してくれはしないが明らかに能力は上がってるし、仲間との信頼関係もよくできてる……

 そう……できてるはずだ……




 どうしてなの……?

 剣道部で頑張るだけでどうしてこんなに嫌われるの……?

 沈着冷静、冷酷無比……私の事知らないくせにどうしてそんな事を言うの?










 先生に相談されたマネージャーはどうやら失恋による欠席らしい。

 これはまた……なんともいえない理由だ……

 だが、繊細に扱う話なのは確かだ。

 学校にも当分来てない様なので、彼女の関係者に連絡の取り持ちをしてもらう事にした。




「……まさか全員連絡が取れないとは。」


「私も予想外だったわ……ごめんなさいね菊池さん。」


「先生が謝る事はないです。」




 いっそのこと学校から連絡すれば……

 いや、親しい友人でも連絡が取れないとなれば無駄だろう。

 ……こうなったら最後の手段だ。




「先生。彼女を振った生徒はわかりますか?」


「……え?」


「恋愛のことについては私はわからないのですが、好きな相手なら連絡ができるのでは?」


「でもそれは……」




 彼女がまだマネージャーを続ける気があるなら私は受け入れる。

 その答えを知るまでは彼女の場所は残しておくとしよう……











「ここですね。」


「ええ。今呼んでくるから待っててちょうだい。」


「わかりました。」




そう言うと先生はクラスの中に入っていく。

しばらくすると1人の男子生徒を連れて……………え?




「はい、この子が鳴浜蓮くん。鳴浜くん紹介するわね?こちらは…… 「百合原先輩って剣道部だったんですか!?」………ゆりはら?」


「な、鳴浜くん!? なぜ君が!?」


「百合原さん、部活の話あまりしてくれなかったからてっきりどこにも所属してないのかと思ってましたよ。」


「……あの菊t 「ちょっ……ちょっと来てください!」




私は彼の手を取りいつもの場所まで引っ張って行った。




「せんせー! 終わりましたー?」


「さ、桜さん! 大切な話かもしれないから待ってようよ……」


「いーじゃん! まったく湊人は真面目なんだから……ってあれ? 蓮は?」


「澪風さんに橘くん? ……私ちょっと頭が痛くなってきたわ……」


「だ、大丈夫ですか!?」


「私、ロキソニンならありますよ?」


「ありがとう澪風さん……というかよく持ってたわね。」







「……いきなりどうしたんですか?百合原先輩。」


「ご、ごめんなさい。先生には聞かれたくない話だったので……」




 ここに来るのはだいたい4ヶ月ぶりかな。

 受験勉強とかが理由で来てなかったが……彼は今でもここに来てくれていたのだろうか……













 2年生の6月あたりだったか、彼と初めて出会ったのは。


「……今日はここで食べようかな?」


 そう言うと私は校舎裏の地面にそのまま座った。




 ご飯もクラスや食堂で食べると周りが静かになる。


「なんで菊池がいるんだよ……」


「今日はここで食べるの……?」


「あいつがいるだけで空気がピリつくんだよな。」


 聞こえないと思ってるのか?聞こえるように言ってるのか?

 そんなこと言われて傷つかない人なんていないのに。

 私なら何を言ってもいいと思ってるのか……?




 だから私は1人になれる場所を探して、敷地内の色々な場所でご飯を食べている。

 この場所は今日初めて見つけた所だ。

 少し草が多く目の前は林の様になってるが、落ち着けそうな場所だ。

 ……? くさむらからガサガサ音がする?





「……みゃぁ〜」


「え?」


 猫? 猫! 猫ちゃん!?


「にゃあ〜!」



 うそ……ここ猫が住み着いてるの?

 最っっ高な場所見つけちゃった!



「これ……食べる?」

 確か猫はトマトは食べられるから…

「にゃ〜」



 ……! この子人懐っこい!



「おいしい?」


「みゃ〜」


「にゃー。ふふっ。」


 かわいい……かわいいなぁ……






「にゃんこー。ご飯持ってきたよーって…え?」






「にゃー。にゃー。えへへへ。」


「にゃぁ〜」


「にゃぁー。ぁ……?え……君誰?」


「え、えーっとそこの猫にご飯持ってきたんだけど…」




 うそ……みられた……

 私が猫と遊んでいる所……みられちゃった……




『あの菊池ってやつあんな怖い顔しといて猫に「にゃー」だってよ』


『きっも……裏でそんなことしてんのかよあいつ』




 い、言いふらされる……私の学校生活がさらに最悪な物になる…




「きっ君! 今のこと見なかった事に……」


「あー……トマト貰ってたの。よかったなぁ……でもそれだけじゃ足りないよね?今日のご飯だぞー。」


「……え?」




 な、何この人……




「先輩はいつもここで食べてるんですか?」


「え!えーっとここは初めてで……じゃなくて! あなた…私の事知らないの?」


「あれ?初対面じゃありませんでしたか? だとしたらすみません……」


「い、いや謝らないでくれ。ちゃんと初対面だ。私の名前は菊……」




私の名前を言っていいものなのか。この人が名前を知って後から言いふらす事になったら……




「……? どうしました?先輩。」


「いや、なんでもない。私の名前は百合原。百合原凜子だ。」


「百合原先輩ですね? 僕は鳴浜蓮といいます。」


「鳴浜君か。よければこれからもここで話し相手になってくれないか?」


「必ずということはできないですが、いいですよ。」




 偽名を使った事に少し胸がチクッと痛んだ気がした。

 でもこの学校で初めて……初めての! 友達ができた!

 ようやく学生らしい事ができたんだ!










 私の隣に鳴浜くんも座ってきた。

 ちなみに猫は私たちに撫でられながら、皿に乗ったご飯を食べている。




「この猫は君が飼っているのか?……いや、ここにいるって事は野良か。」


「はい。……でもまだ子猫ですし、親も見当たらないので引き取り先を探しながらここで世話をしていたんです。」


「君の家には置かなかったのか?」


「ええ、妹が軽いものですがアレルギーを持っているので。」


「そうだったのか。」




 弁当を食べながら、猫についての話をしていく。

 とても楽しい……! こんな事中学生でも無かったから……




「結局僕の知り合いには猫を飼える人はいなかったんですけどね……僕の力不足です。」


「そ、そうか……」




 んん? なんか空気が重くなってきた……?

 ……………どっどうして!?

 も、もしかして猫の飼える人がいなくて落ち込んでるのか!?

 ……だったら!



「信頼できる人で飼える人がいればなぁ……」


「な、なぁ、今日会ったばっかりで信頼しろとは難しいが…私はどうだろう?」


「……え? 百合原先輩がですか?」


「もちろん今日すぐにというわけにもいかないが、環境を整えれば大丈夫だぞ……?」




 さ、さすがに今日会ったばっかの奴に任せられるわけな…

「本当ですか! ありがとうございます!」

 ……え?



「よかったなぁ……これで安心だ……」


「みゃぁー」


「ほ、本当に私でいいのか!?」


「え?」


「だって…今日初めて知り合った奴を信頼するなんて……」




 絶対おかしい……

 そもそも私を知らない事が変だ。

 自分で言うのもあれだが、全校放送にも顔が出ていて……学年問わず私の悪評が広がっていて……

 鳴浜くんは何か私を騙そうとしているのか……?




「だって先輩いい人ですもん。」


「……へ?」


「初対面だからとか関係なく、いい人だと思ってますよ。」


「そ、そんなこと……」


「理由は言えないんですけど、なんとなくわかるんです。その人がいい人か、悪い人か。だから僕は先輩を信用しますよ。」


「………」




 なんなんだ……この男は!

 か、顔が熱い……

 なんでこんな恥ずかしい事をなんの躊躇いもなく言えるんだ……!




「先輩?なんで顔隠してるんですか?」


「…………」



先輩?せんぱーい?








「先輩!」


「っ! あ、あぁなんだ?」


「なんだ? って僕のセリフですよ……突然ここに連れて来て、ぼーっとしだして。」


「す、すまない。」




 あの時の事を思い出していたら結構時間が経ってしまったみたいだ。

 この後マネージャーの事を話し連絡を取るようにお願いしたのだが、どうやら連絡先を知らなかったようだ。

 とりあえず後日またその事について話すかもしれないと言い、帰ることになった。








「ただいまーっ! 帰ったぞー『レン』!」


「みゃーっ!」




 自分の部屋に着くとレンが飛び込んでくる。

 名前は鳴浜くんの名前を貰った。

 彼は本当にそれでいいの……? と言っていたが、自分の名前にすることを考えると確かに少し照れくさいな。

 レンを抱きながら、ベッドに横になり少し考える。


「鳴浜くんって人気なのか……? マネージャーって確かかわいい人だったから、それを断るってことは……」


「みゃう?」


「………今度彼を遊びに誘ってみようかな?」




最後まで読んでいただきありがとうございました!

というわけで、次回も菊池さんの話です。

2話同じ人が主役は初めてですが、まあなんとかなるでしょう!

この作品が面白かったよ!ここが気に入らねぇな!とか考えたらコメントや評価に書いてください。

どんなものでもおじさんが喜びます。

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