なんだかんだで楽しくなってしまったおじさんが考えた所1話に伏線を張っておけば良かったと後悔している2話(橘と放課後と告白)
まさか1話投稿してから数日で2話目を投稿するなんて思わなかったです。
いやーっ物語を妄…想像して書き起こすの楽しいですね。
相変わらず文才はないですし、読みにくいかもしれませんがゆっくり読んで下さいね。
ぼく橘湊人は友人の蓮に恋をしている。
お互い男だけどそんなことは別に些細な事だ。
ぼくは中学の頃よく揶揄われていた。
身長は小さいし、女の子のような顔をしているし、声変わりをしても声が高い。
別に揶揄われる事なんてどうでもよかった。
そんな事よりこんな自分自身が嫌だった。
そんな時僕を救ったのは揶揄う奴等の前に立つようなそんなありきたりなヒーローではなかった。
「そんな女らしいから嫌なんて馬鹿みたいな事考えてもつまんないし意味ないでしょ。」
「男っぽくないとか女っぽくないとか関係ない。」
「大切なのはその人がどんな人かって事じゃない? 僕は湊人は人を思いやれるとてもいい奴だと思ってるけど、そんな自分も否定するの?」
つまらなそうな顔しながら放たれた言葉が僕を救ってくれた。
「……今日の授業はここまでにします。皆さん昼休みだからってあまり暴れないでくださいね……?」
少し疲れた顔をした担任の先生が廊下に出る。
数日前に教室のドアを破壊した生徒が居た所為である。
妙に人気がある先生らしいけど……なんでだろ?
弁当を開こうとした時、湊人がこっちにやって来た。
「ねぇ蓮? 今日蓮の家に遊びに行ってもいい?」
「んー? どうしたの突然。」
「今まで行った事なかったから気になってね〜!」
新学期が始まってから少し経ったある日突然湊人がそんな事を言い出した。
いやまぁ、嫌だって訳じゃないんだけど……。
「うち来ても何もないよー?」
「出た! 蓮の遊びを断る台詞! あたしもそれで何回断られたか……」
「わっ……桜さん居たの?」
「実はちょっと前からいたのだよー」
にひひっと桜が笑う。僕も気づかなかった……
てか桜……なんでバラしちゃうかなぁ……
この台詞は結構愛用していたんだが。
「それに蓮の家にはあの感ちゃんも居るしねーっ! 何もないなんて事ないのに。」
「か、薫ちゃん!? だだだ……誰なのその子!?」
「ぐぇ……っ。の、喉を掴まないで……。し、締まる……!」
「あ……ごめん。」
「薫ちゃんってのはねぇ〜蓮の妹だよ! とても優しくて美人さんでしっかりものな子なのよねぇ……あたしの貧相なのと違っておっぱいも丁度いい大きさだし〜」
桜がうっとりしたような顔で話している。
……桜の中で薫はどんな事になってるんだろうか。
たしかにいい子だが、そんな高評価貰う程か?
「ぼくやっぱり蓮の家に行ってみたい!だめ……かな?」
「はぁ……いいよ。そこまで嫌って訳じゃないからね。」
「やったぁ! じゃあじゃあ今日の放課後早速お邪魔させてもらうね! 丁度部活も休みだしね。」
「はいよ。」
家で遊ぶってもゲームも無いし本を読むか話すくらいしか無いだろうけどね。
なんでそんな喜ぶんだろ?
「んじゃああたしも行きたーい!」
「ん? まあ、いいけd 「え!? 桜さんも来るの!?」
「……え? あたし行っちゃダメだった?」
「ぁ……えーっとあのその……さ、桜さんちょっとこっち来てくれる?」
「え? ちょっひ、引っ張らないで! 自分で歩けるって〜」
桜が連れ去られた……まあ、大丈夫でしょ。
2人で話すことがあるんだろうしね。
「……ねぇ蓮くん。」
「?は、はい……なんですか?」
だ、誰だこの人……どこかで会ったか?
なんか知ってる気はするけど……
「さっきちょっと聞いちゃったんだけど、妹さんって蓮くんにはどんな感じで接してるの?」
「え? 薫は普通に優しい奴だけど……どうかしたの?」
「えっとそういう感じじゃなくて……た、例えば「お待たせ〜!」
「あ、おかえり。」
っと話の途中で湊人と桜が帰ってきた。
……なんか妙に桜がそわそわしてる?何話したんだろ。
「それで例えば何? ってあれ」
「さっき話してた人なら急いでクラス出て行ったよ?」
「えー? どういうことなの……」
なんだったんだあの人……まあ、同じ学校ならまた会うだろうしその時聞けばいいか。
「あ、結局あたしは行かない事にしたから。」
「そうなんだ。りょーかい。」
「ちょっとー。理由とか効かないのー?」
「んー2人で話してたんだったら僕には言えないって事でしょ。」
無理に聞くのも面倒だし、興味も無いしね。
「そんな事言って! どうせ興味も無いし面倒だと思ってるんでしょ?」
バレてる……すごいな桜は
日が傾き少し暗くなってきた放課後、ぼくは初めての蓮の家にお邪魔する事になった。
……まあ、若干強引だったかなって思うけど。
でも来れたことは嬉しい。
「ここが蓮の家なんだ。」
「そー。まあ、なんも無い普通のマンションだけどね。」
「妹さんは今いるの?」
「どうだろうね。帰ってるかもしれないし、友達と遊んでまだ帰ってないかもしれない。」
「そうなんだ。」
蓮は基本的に自分から話すことは無い。
こっちが話を振らなきゃ会話が続かない。
でも、お互い無言になってもそんな悪い空気じゃない。
なんて言うか安心する空間になるんだ。
「ただいまー」
「お、お邪魔します。」
「兄さんおかえりーって友達? 珍しいね」
あ、妹さん帰ってきてるんだ。
リビングにいるのかな? ちゃんと挨拶しなきゃ……
「はいはーい、今そっち行きまーす。」
ドアが開くと蓮の面影があるような無いような……そんな女の子が目の前に来る。
って、確かに美人さんだ……でも目元辺りが蓮に似ているかな?
……ん?固まってる。どうしたんだr
「兄さん!? 誰その子!もしかして……彼女!?」
びっくりしたぁ……蓮も固まっちゃってる。
……なんかこの反応昼のぼくと似ているな。
って事はまさか妹さんは蓮の事を!?
「か……」
「「か?」」
「かっわいいぃぃぃ!」
「……へ?」
か、かわいい?……ぼくが?ってうわ!?
い、いつの間にぼくは抱き締められてるの!?
「いつの間にこんなかわいい子彼女に貰ったの!? 早く紹介してよーって今日来たのはそう言うことかー。あ、こんな玄関じゃ挨拶もできないですよね! さあさあ上がって下さい! てか早く馴れ初めとか色々聞かせてください! お茶あったかなー? ごめんなさいねーっこんな貧相な家で! あーこんな兄さんにこんなかわいい子勿体ないなーっ! 私に! 私にこの子ちょうだーいっ! 私が幸せにするからぁーっ。」
……なんて言うか空いた口が塞がらない。
ま、まさかこんな歓迎されるなんて。
というかぼ、ぼくが彼女……?え、えへへ……
ん?あれ?今ぼくさらっと告白されたの?
「薫……湊人は男だよ……」
「え、えぇーっ!? こんなかわいい子が男の子!? ってか男の娘!? ……はえー確かに『こんなかわいい子が女な訳ない』とか言うもんね。あ、ごめんなさい! 男なのに抱き締めちゃって! でも全然いい! むしろそのかわいさが引き立つ事になるわーこれ!」
「なんか頭痛くなってきた……湊人、こいつは放って置いて部屋に行くよ」
「あ、うん」
……妹さん面白い人なんだな。
ぼくはそんな感想しか出てこなかった。
蓮の部屋は前言ってた通りゲームもパソコンもないシンプルな部屋だった。
強いて言えば小説と漫画が棚に沢山あるって事かな。
「それで何も無いけど何するの?そこら辺に座って話でもする?」
「あ、じゃあ本でも読みながら話でもしよう。」
「はいよ。」
蓮は適当に数冊漫画を取ってベッドの上に横になった。
ぼくも目に付いた漫画を取りベッドに背を掛けて座った。
「……」
「……」
ペラペラとページを捲る音だけが部屋に響く。
「……ねぇ。」
「んー何?」
「蓮の妹さんってすごい元気なんだね。」
「あー……そうなんだよ。少しうるさいくらい。」
「賑やかでいいと思うけどね。」
「僕は慣れたけどあの有り余る元気はちょっと面倒だよ?」
他愛もない話が始まり、それが途切れたり続いたりする。
「蓮って桜さんと幼馴染なんだよね。」
「そうだよ。子供のころから学校も同じ。」
「すごい仲が良いよね。もしかして桜さんは蓮の事を好きだったりして。」
「あーそれはないよ。ないない。」
「えー? それって蓮が無いと思ってるだけじゃないの?」
「んーそれもないな」
「へーそうなんだ。」
学校であった面白い話や、ぼくが気になった事、いろんな話を嫌な顔せずに聞いてくれる。
っても今は後ろにいるから表情はわからないけどね。
そんな所が好きなんだ
ぼくが好きな空気を作る所が
ぼくが男っぽくないってだけで下に見てくる事もない所が
ぼくという人間をちゃんと見てくれる所が
大好きなんだ。
「ねえ、蓮。」
「んー?」
「いきなりこんな事言うのはおかしいと思うだろうけど聞いて。ぼくね……蓮の事が好きなんだ。ぼくと付き合って欲しい。」
顔が熱い。
心臓が高鳴る。
漫画を持つ手が震える。
最初から蓮の家に行って告白するつもりだった。
だから桜さんに来て欲しく無くて相談した。
告白する事を言わされた挙句応援されたけど……
でもいざ言ったら怖い……
断られたら今までの関係が壊れる?
気まずくてもう2度と話せなくなる?
頭から血の気が引けていく……
手の震えがどんどん大きくなってく……
「い、今すぐ返事が欲しいって訳じゃないからゆっくり考えて「いいよー」欲し……え?」
え?
え?
えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!???!?!??
今、いま! いいよって!? え?えぇーっ!?
それって…… それって! それって!!!
口が緩むのを感じる。
顔を隠すために持ってる漫画が少し皺がつく。
顔がどんどん熱くなっていく。
どうしようどうしようどうしよう!
もう頭真っ白だよ!
「本当にいいの!? ぼくと付き合ってくれるの!?」
「んーいいよ」
「うぅぅぅぅ……」
「やったぁぁぁ!!」
嬉しすぎて出た涙を拭きながら震える手をなんとか動かして、僕は後ろにいる蓮に振り向く!……ん?
「……蓮?……どうしたの?」
どういうことか理解しているはずなのにそれを認めたく無くて、そんなはずないって思いたくて。
ゆっくりベッドに『横になってる』蓮の顔を覗く。
「……蓮?」
「……んー……」
ね、寝てる?
寝かけてるの?
という事はさっきのって!?
……ぼくは蓮を起こさない様に近くにある漫画を取って、お腹に大きめのタオルを掛けた。
そしてゆっくり部屋から出て行った。
「あ! さっきの男の娘さん!」
「……あ、妹さん。ぼくの名前は橘湊人って言うよ。よろしくね……」
「湊人さんですね! 覚えました! ……どうしたんですか?そんな小声で。」
「……蓮が寝ちゃったからね。」
「……全く兄さんったら。ありがとうございます。気にかけてくれて。また遊びに来てくださいね! もっと湊人さんの話聞きたいですし!」
「うん。それじゃあお邪魔しました。」
…………
…………
家に着いた。
無言で自分の部屋に戻る。
親は今日は遅い帰りっぽい。
よかった。
「………あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
足をバタバタさせて手で頭を押さえて床を転がりまわる。
あのあのあのあの精一杯言った告白がぁぁぁぁ独り言ぉぉぉおお!?
今すぐ喉を引っ掻いてしまいたいくらい汗が吹き出る。
最初は首元だったがどんどん全身がグツグツと熱くなってゾワゾワっと汗で冷えていく。
「もうぅぅ……いやだああああああああああああああああああああああああああああ!!!うわああああああああああああああああ!!!」
僕は次の日学校を休んだ。
叫びすぎて声が枯れてしまったようだった。
湊人さん帰る時耳真っ赤だったけど、兄さん何したんだろ……って電話だ
「柚子ちゃんか、もしもーし。」
「あ、もしもし……薫ちゃん?」
「柚子ちゃんいきなりどうしたのー?」
「あ、えっと……明日遊べるかなって。」
「そんなことかー明日学校で聞けば良いのに柚子ちゃんはほんと真面目だなぁ。」
「いや、そういうことじゃ無くて……あの、その……」
「……なるほどねぇ。
大丈夫だよー。明日は何も無いからね。家にいる予定。」
「あ、ありがとうね。薫ちゃんっ。」
「気にしないでーっ私も大歓迎だから!」
「じゃあ、また明日ね薫ちゃん。」
「うん! またねー!」
ま、私はみんなの味方だからね。
私を使ってどうなるかは私にもわからないからね。
……兄さん頑張れ!
あ、最後まで読んで頂けてとても嬉しいです。
このままだと多分おじさんの妄想…想像が暴走してドンドンと投稿していくと思うので、できれば応援コメントやここが気に入らねーッみたいな意見を書いてくれるとモチベーションになります。