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異世界を中国拳法でぶん殴る!  作者: 犬童 貞之助
第二章 工業都市ボルドー
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2-57 槍か剣か、あるいは蹴りか

 戦闘開始を告げるギルタブの念話が届くと同時。


 竜胆色(りんどういろ)の長髪を(なび)かせて、セルケトは白い空間を疾走する。


 一歩目、強烈な踏み込み。加速、時速150キロメートル。

 二歩目、更に加速。時速200キロメートル。

 三歩目、間合いに収めたロウへ、十二分に加速した勢いを乗せて大槍を突き込む!


「──むんッ!」


 コンマ二秒ほどで間合いを詰めたセルケトに、微塵の動揺も見せずにロウは応じる。


 上体を半身にしながら切り下がり槍の穂先(ほさき)を外へと逸らした少年は、間を置かずに返す刃で彼女の腕を狙う!


「──ふっ」


 対し、大槍を弾かれたセルケトは素早く腕を引き戻し、ロウの小手打ちを事もなげに躱してみせる。


 そこから飛鳥(ひちょう)の如く飛び退った、かと思えばまたも前へと踏み込み射程圏内。

 一呼吸で五もの突きをロウの腕肩膝太腿に叩き込む!


「はあっ!」「ッ!」


 怒涛の五連撃に呼吸を合わせ、斬り打ち叩き払ったロウだったが──最後の一撃に間に合わず、浅く太腿を抉られた。


 すかさず槍を斬り払い、返しの逆袈裟でセルケトを間合いから遠ざけ、鋭い痛みに顔をしかめた少年は毒づく。


「お前、本当に魔物かよ。明らかに人族の、しかも熟練した戦士の技だろ、それ」

「ふふふん。以前に言ったであろうが。我は母より記憶を受け継いでおるとな。肉体能力の劣る人の身にやつそうとも、母と共に戦い、母と相対した戦士たちの記憶があれば、我が戦闘能力が損なわれることはないのだ。──そら、行くぞっ!」


 ロウの技量を上回ったことで俄然(がぜん)調子づいたセルケトは、このまま押し切らんと攻勢を強める。


 中段三段突き、中段薙ぎ払い、上段振り下ろし、下段突き上げ。

 両の腕を巧みに動かす連撃は、力任せだった異形時とはうってかわって(はや)く鋭く深く重い。


 猛攻を受けるロウは辛うじて凌ぐが、彼女の並みならぬ槍術の前に薄く浅い傷が積み重なっていく。


「──ヅッ!?」

「はははっ! 脇が甘いぞ、ロウ!」


 そうした傷で動きが僅かに(にぶ)り、反応が遅れたところで──下段からの突き上げが、銀刀の守りをこじ開ける!


 両腕が上へと弾かれ腹部を致命的なまでに晒す少年!


「もらった!」


 崩れる体勢、生じる隙。

 ならば突くっ! と踏み込むセルケトは──。


「──ごっ!?」


 ──地より突き出た石柱に、顎を打ち抜かれてしまった。


 それはいつの日か、少年がハメた時と殆ど変わらぬ構図である。

 剣戟に没入していた彼女の頭からは、魔法と奇襲の二文字が抜け落ちていた。


「ぬぇいッ!」


 至近距離、泳いだ身体。

 そんなセルケトの胴体に、大上段からの縦一文字の斬撃を見舞うロウ。


 構えよし、踏み込み十分。

 銀閃が煌めき空を割り、次いで彼女の衣服を割断(かつだん)する!


「──チッ。浅いか」

「ぐっ……貴様……!」


 ロウの見舞った斬撃の衝撃波がセルケトを吹き飛ばし、両者の間合いが離れる。


 咄嗟に身体を捻って直撃を避けたセルケトだったが、白磁の肌が艶めかしい腹部には、鮮やかな朱色の斬線が薄っすらと刻まれていた。


 苦々し気な表情で槍を構える彼女の瞳には、しかし未だ闘志の光が宿る。


 間合いが離れ仕切り直しとなったため、ロウは再び銀刀を正眼に構え、じわりじわりと距離を詰める。


「……」


 にじり、にじりと。


 クセのかかった黒髪を身体より発せられた魔力の圧で揺らし、鋭利な視線と切っ先で相手を威圧しながら間合いを埋めていく。


「……」


 相対し、セルケトは大槍を中段に構えたまま不動。


 優美な曲線を描く顎に汗を垂らしながら、細く静かに呼吸を行いロウが間合いに収まるのを待つ──かに見えたが。


「──はあぁっ!」


 突如、通常の倍する遠間から、流星の如き中段突き!


「くおッ!?」


 閃光と見まごう神速の突きを、踏み込みの瞬間を捉えていたロウは辛うじて弾いて上方へと逸らし──追撃となる石突殴打を、中国拳法の肘打ちでもって迎え撃つ!


「「──っッ!」」


 鈍い衝突音を伴って激突した石突と肘打ちは、勢いの差と質量差により相打ちとはならない。


 力負けした褐色少年は体勢を崩し──そこへ迅雷の如き大槍の足払いが炸裂!


「──いぎッ!?」

「そうら、お返しだっ!」


 足を払われ宙を舞ったロウに対し、大槍を振り抜いたセルケトは魔法による追撃を行った。


 白き地面より突き出すは灰色の石槍。

 宙にいた少年になす術などなく、あえなく串焼きの肉の如く腹部を貫──。


「──ぬっ!?」


 ──貫いたはずの石槍に、少年の姿なし。


 何処へ消えたのか? 反射的に探そうとしたとき、ふと強烈な既視感に襲われるセルケト。


 あの時は、確か──。


「上かっ!?」

「ご明察ッ!」[──!]


 ──氷竜襲来ッ!


 石槍が身を貫かんと迫った直後、空間魔法によって上空へと回避していたロウによる、上空からの強襲である。


 頭上の竜を確認するやいなや横っ飛びしたセルケトのいた場所へ、氷竜による鉄拳制裁。


 何の魔法的な効果も持たぬ物理攻撃にもかかわらず、大量の爆薬が炸裂したかのような爆風が吹き荒れ、轟音が異空間を木霊する。


 鉄拳を打ち込んだ氷竜はロウを背から降ろすと、役目は終えたとでもいうように脈絡もなく水と化す。


 地に降りた少年が構えを取り、鉄拳の衝撃波で吹き飛んでいたセルケトも構え直す。両者が三度(みたび)向かい合う。


 ロウは変わらず正眼に構えるが、槍に払われた左足をやや引きずっている。


 対するセルケトは、肘を曲げたまま大槍を掲げるように持ち穂先を下げた上段構え。


 自身の足元と手元、必ずどちらか一方を相手から隠すことができる、極めて攻撃的な構えである。


 構えた両者はにじり寄る。


 先ほど彼女が奇襲を仕掛けた間合いに近付く。


 しかし、まだどちらも間合いを詰めるのみ。


「──っ!?」


 上段構えのセルケトの間合いまであと数歩──。


 その域にまでにじり寄ったその時。


 ロウは不意に正眼の構えから腰を捻り、左側の背を相手に晒して銀刀を後方へ隠す、脇構(わきがま)えに切り替えた。


 間合いに優れる槍を前にして、(とつ)として隙を晒す奇行。


 異世界の武道、剣道における脇構えなど知らぬセルケトには、さぞ奇妙に映ったことだろう。


 結果、半ば無意識のうちに警戒感を強めた彼女は、少年の一挙手(いっきょしゅ)一投足(いっとうそく)に釘付けとなる。


 ──それにより彼女は見落としてしまった。


 自身の足元が、ごく薄く凍結していることに。


「「──っッ!」」


 直後、ロウが踏み込む。


 当然、注視していたセルケトは余裕をもってこれに対処。


 踏み込みと共に神速の突きをもって迎撃し──ようとしたところで、縫い留められた足に気が付いた。


「んなっ!?」


 背を晒した状態で自身の間合いにまで踏み込んだ少年は、相手が自身の足の動かないことに動じた刹那、一気に体を捻り下段後方から(すく)い上げるように斬り上げる!


「どおぉぉぉりゃぁッ!」

「くぅっ!」


 足が動かぬと判断した瞬間槍を戻していたセルケトは、辛くもロウの斬り上げに対応。


 大槍の中腹で銀刀を受け、宙へ打ち上げられつつも致命傷を避けた──かと思いきや。


「──ぬ!? がはっ!?」


 斬撃で打ち上げられた、そう感じた瞬間背に衝撃。


 なにが起きた? 訳が分からない、そう思っている内に腹部へ突き刺さる、少年の飛び前蹴り。


 負傷している逆足の蹴りを省略した形で繰り出されていたのは、陳式太極拳小架式・二起脚(にききゃく)。強力無比なる飛び二段蹴りである。


「──けやあーッ!」


 蹴り上げられて今度こそ空を舞ったセルケトに対するロウの追撃は、裂ぱくの気合を乗せた剛断一閃ッ!


 蹴り上げた脚を振り下ろす勢いで加速した渾身の縦一閃の斬撃は、当然のように空を裂いて天を駆け、彼女の肉体を足の付け根から肩までざっくり横断。


 赤き鮮血を巻き上げ、異空間の天井に吸い込まれていった。


「くっ──ぅ……」

「──あ、やべ。やり過ぎた?」


 舞った血と共に白き地面に墜落するセルケト。それを見ての少年の呟き。


 明らかなるやり過ぎであった。


◇◆◇◆


(ロウ……幾らセルケト相手の模擬戦とはいえ……)

(まずは手当てをしてやれ。結構傷が深そうだぞ)


「いやー、すまんすまん。とはいえ、治癒の奇跡を模倣する実験台としては最高の検体だな! あっはっはー……ごめんな、セルケト。やり過ぎた」

「ぐ……ふんっ。これくらい、承知の上の手合わせだ」


 地に伏したセルケトを抱き上げ意識が明瞭(めいりょう)であることを確かめたロウは、シアンにベッド状へと変形してもらい、彼女の上にセルケトを寝かせ傷口を確認していく。


 彼女の肩口から足の付け根まで、皮膚が剥がされたような傷が縦断している。だが、彼女の尋常ならざる防御力のおかげか、脂肪の層と筋肉は見えているものの、内臓への損傷は見られず、出血も少ない。


 痛々しい見た目だが致命傷ではないことに、ロウはほっと息を吐く。


「見た目は酷いがそれほど深くはないみたいだ。……出来るかどうかは分からんが、やってみよう」


 自身に言い聞かせるように呟いたロウは集中力を高め、セルケトの患部に対してをかざす。


 全力の魔力操作によって額に汗した彼が脳裏に描くは、修道院で見たナーサティヤ神の治癒の奇跡。治療というより超高速の早回しの再生だった治癒過程を思い返し、剥き出しになった皮下が癒える様を想像していく。


 少年が脳を酷使し鮮明な想像の下に魔力を操作していると、自身が操作している魔力のみならず、身体から溢れている魔力も消失していく感覚を覚えた。


 成功したか? という考えが彼の頭に浮かんだその時、セルケトの鼻にかかった様な声が響いた。


「──ん。むぅ……」


 妖しげな声につられたロウが目を開いて傷口を注視すると、筋肉の隙間から染み出す様に半透明の膜が覆っていく様が目に入る。傷口の両端からじわじわと埋め立てるように皮膚も伸びて、少しずつふさがり出していた。


 いつかの医術神の奇跡ほどではないにしろ、高速再生していく患部である。


 グロテスクなことこの上ない光景だが、セルケトが妙な声を上げ身動ぎしているため、少年までソワソワした気分となっていた。


「ぅ……ん……むぐ。治癒の魔法というのは、どうにも奇妙な感触であるな」

「なに色っぽい声出してんだよ……よし、パッと見は塞がったか。とりあえずは成功したっぽ──いッ!?」


 セルケトの(かも)す雰囲気にどぎまぎしたことを、誤魔化す様に言葉を続けていたロウだったが、魔法での治療を終え額の汗を拭おうとして──突如(うめ)き声をあげ額をおさえる。


(!?)(ロウっ!?)

「──ん? ロウよ、どうかしたか?」


「つぅ~。急に頭痛が。ってまさかお前、あの槍に毒とか塗ってないよな?」

「塗っているわけが無かろうが戯けめ。……大方、魔力を急激に消耗したための欠乏症だろう。貴様程の馬鹿げた魔力量なら、少し休めば治まるはずだ」


 少年が頭痛で顔をしかめながら尋ねると、魔力の欠乏症だろうと答えるセルケト。その言葉に曲刀たちも合点がいったのか、普段通りの落ち着きを取り戻していく。


(そうか、魔力欠乏症か。ロウは今までそういった症状が出たことが無かったから失念していたぞ)

「欠乏症……? でも、空間魔法実験で散々魔力を消費したときは、疲れはしたが頭痛みたいなのは無かったぞ?」

(あの実験の時は、十分に時間を掛けて魔力を消費していましたからね。ロウは自分の今の総量を把握できますか?)


 ギルタブの言葉になるほどと納得したロウは、自身の内へと精神を集中させる。


 すると、戦闘時には万全だった魔力が二割ほど減じていることが判明した。かつて少年が異空間を創り出したときの消費量と同等の、莫大な量である。


「結構減ってるな。異空間を創った時と同じくらいか? あの時は三十分くらいかけて消費したけど、今みたいに急激に減ると欠乏症になるのか。……回復魔法って効率悪過ぎない?」

(ロウの万能振りを見ていると忘れそうになりますが、本来魔力による世界への干渉とは、個々別々に得手不得手があるものなのです。水の精霊が火を操るのが苦手なように、です)

(流石のお前さんも治癒に関しては苦手だったようだな? まあ、セルケトの治療が完了してるから、苦手っていうほど不得手じゃないみたいだが)


 回復魔法に疑問を呈するロウに、(さと)すように伝えていく曲刀たち。普段あまりにも何でもこなす少年の意外な欠点が見れて、彼らも饒舌(じょうぜつ)となっているようだ。


 ちなみに、使用者や精霊が魔力を操り世界へ干渉する魔法や精霊魔法とは異なり、魔術においては、魔力の質の違いによる明確な得手不得手のようなものは存在しない。


 これは、魔術が使用者の魔力を術式という画一的な様式に変換して、世界への干渉を成しているからである。


 術式や干渉現象への理解の深さによって、魔術の消費魔力や術式構築速度に差が出る(ドワーフならば土に慣れ親しんでいるため土魔術が得意、エルフならば風や樹木が得意、等々)ものの、得られる効果は変わらない。魔術が世に広く浸透した所以(ゆえん)である。


「──不得手にもかかわらず魔力量で無理やり実現させた、と言ったところか。実にロウらしいな……ぬぐっ」

「ん、まだ痛むか?」


「斬撃による傷は癒えたようだが……貴様に蹴り込まれた腹は(にぶ)い痛みを持っている。あの蹴りを見舞われた時、我は夕食を戻すかと思ったぞ。いや、そんなことより、あの時何をしたのだ? 斬り上げられた時に、背を何かで押さえつけられたような感触があったが」


 曲刀たちの話を聞いていたセルケトが身を起こす。が、どこかに痛みを感じたのか顔が奇妙に歪んでしまう。とはいえ、本人は傷のことより先ほどの戦闘のことが気になっているようだ。


「ああ、あれな。足を凍結させたのは言わずもがな水魔法で、そっちに気を取られている間に仕込んだのが空間魔法の『断絶障壁』だ。平たく言えば、不可視の壁を創る魔法だよ。要するに吹き飛ばさないように見えない壁を創ったわけだ。相手の意表を突いて、ついでに追い詰めるって感じだな」

「空間魔法による不可視の壁……いや、今更驚くものでもない、か。全く貴様というやつは」


 ロウが自身が創り出した空間魔法について敷衍(ふえん)して語れば、またも呆れたような反応が返ってくる。もはや彼にとっては見飽いた反応であり、日常茶飯事である。


「そんな顔されても、最初にお前と戦った時も使ってたんだけどな。まあいいや、腹を見せてみろ。肝心の患部が目で見えないから治療できるか分からんが、実験の一環だ」

「軽く言うが、貴様も先ほど欠乏症で頭痛に見舞われたばかりだろうが。我の治療などもう不要だぞ」


「お? そんな痛そうにしてるのに。強がっちゃって~このこの~」

「──うぐっ!? き、貴様……!」

「シアン、セルケトを仰向けで拘束しといて」


 じたばたともがく美女を、ベッド状となっている眷属に拘束させほくそ笑む褐色少年。完全に悪人の所業である。


(こういうところは相変わらずだよな、お前さん)

(素直に怪我をさせたのだから治療させてくれと言えないあたり、ロウもひねくれているのです)


 ギルタブの的確な指摘など、己には全く当たらない。そんな現実を見ない精神的勝利で相棒の言葉を処理しつつ、少年は再び精神を集中させ魔力を練り上げていく。


 全開放され溢れ出る魔力を自身の周囲に抑え込み、セルケトの腹部に手をかざしながら、彼女が万全である姿を夢想するロウ。


 尋常ではない加速を見せた脚力。力強く美しい槍術。それらの高度な動きを支える要となる腹部。そこが一切の瑕疵(かし)もない状態にある様を思い描き、魔法を創り上げる。


「ん……ぅ……この感覚……やはり、慣れんな」

「お、成功したか。──ヅッ!? うぉぉぉごごご……かつてない頭痛がぁぁぁ」


 魔力が一気に消失していく感覚に喜んだロウ。


 しかし直後に発生した眼底に五寸釘を打ち込まれたような、鋭くも尾を引く痛みに(さいな)まされて七転八倒することとなった。


 それは痛みの箇所こそ限定されていたが、あの転生直後にも匹敵する激痛である。その場に倒れ込んだ少年は苦痛のあまり、人目の一切を忘れ転げまわり暴れまわり跳ねまわる。


「そののたうちよう。貴様の方がよほど重篤(じゅうとく)に見えるな」

(流石の魔神様も回復魔法を連続で使うのは難しいらしいな。まあ、普段ぽんぽん連続で魔法を使いまくってる方がどうかしているんだが)

(セルケト、ロウにシアンのベッドを譲るべきです)


 ロウが水揚げされた魚のようにのたうっていると、平和な会話が頭上で繰り広げられる。


 痛みが僅かに引き少しだけ余裕が生まれた少年は、曲刀たちを放置し、歯を食いしばり脂汗を滲ませながらも何とか異空間の門を開き、自室へ戻る。


 そのまま倒れ込むようにしてベッドに沈んだ彼は、ものの数秒で意識を手放したのだった。

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