前章の500字程度のあらすじ
第四章のあらすじ:
転生してから初となる外国旅行。初めて触れた故郷以外の空気を前に、大いに沸き立つ主人公の褐色少年兼魔神・ロウ。
心赴くままに名所を歩き観光を楽しんだ少年だったが……一方で見過ごせない問題も発生した。支出の増大である。
今までにこなしてきた大仕事により潤沢な資金を持っているロウだが、共に旅する仲間は人外ばかり。人の世の常識など持ち合わせず、欲しいものはなんでも欲しがる者たちだ。そんな仲間たちと暢気に観光をしたのなら、もはや支出は火の車だ。
この問題に頭を痛めていた少年は自身が所属する冒険者組合で依頼を探し、そこで折よく高額依頼と出会う。
依頼内容は研究員の護衛、兼荷物持ち。二週間ほどとそれなりの期間で砂漠という過酷な環境での調査だけに、報酬は相場よりずっと高額である。
この依頼を引き受けたロウは依頼主と顔合わせや腕試しを経て、調査の旅に同行することになるのだが……。
向かう先の正式名称は“ヴリトラ大砂漠”。
竜の中でも頂点と目され、神や魔神を蛇蝎の如く忌み嫌う、古き竜「琥珀竜ヴリトラ」の名を冠する砂漠。
幼くとも魔神であるロウがこの領域に足を踏み入れるのは、火中の栗を拾うよりも増して危険な挑戦だった。