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クリスタルタワーの魔将軍 ~最凶の魔物の復讐劇~  作者: 鹿竜天世
第二章 この世に神のいるうちは…
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フェガリの回想3

 ある日、私たちは古い戦場跡を通りかかった。今は所在もわからない、どこかの豪族たちが争った跡地だ。


 そこには、無残にも戦いで散った者たちが魔力を得て甦った、グールと呼ばれる魔物が多数生息していた。


 見た目こそ醜いが、グールは一般的に、人を襲う魔物ではない。主食とするのは生き物の死骸で、場合によっては知能が高く、話せる個体もいる。


 私たちはグールを不用意に刺激しないよう、静かにそこを通り抜けようとしていた。


 そこに現れたのだ。王国の派遣した、魔物討伐の部隊が。


 辺りは再び、戦場と化した。


 魔物の中でも頭のいいグール相手に、兵士たちは多少苦戦を強いられていたようだが、それでも武装した集団にはさすがのグールも敵わなかった。


 次々と殺されていくグールを見て、私は胸が痛んだ。


 そのとき、彼が言ったのだ。「加勢しよう」と。


 私も昔から、今のように力があったわけではない。それでも、彼が言うのだからと、武器を取ることを決意した。


 私たちの旅は基本的に、何かと戦闘をすることはなかった。だから、彼の実力など到底知る由もなく、見たときは驚いた。


 人を相手取る戦闘は初めてで、何度も死にかけた私を、彼はその度に救ってくれた。


 味方を庇いながら複数人を相手に戦っても互角以上の強さだった。


 ただ彼は、不覚を取った。


 敵と味方の判別がつかないグールの一匹が、不意に攻撃してきたのだ。


 彼は倒れた。


 幸い、部隊に深刻な被害を受けた討伐隊は引き返したが、男は重傷を負い、立ち上がることすらできない状態だった。


「これも自然の摂理なれば――」駆け寄った私に、彼は言った。


「私は、君に力を託そう。私が生涯をかけて探し求めた、この世界の構成要素の一つだ…」


 あの時と同じ光が、彼の手の中にあった。


 私は光に包まれ、彼は息絶えた。

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