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92話 ダンジョン

アースガル騎士国に一週間程滞在した。

もうそろそろ隣国のミロディア王国に出発する必要がある。

この一週間は長いようで短かった。

ユーリ様……ユーリと仲良くなり、四六時中一緒に行動した。


彼はよく城下町に遊びに行っていたゆえ、道案内をしてもらったのだ。

彼のお母様。つまり剣聖様の奥様にもお会いする機会があったけれど、非常に優しそうなおっとりとしたご婦人だった。

剣聖様やユーリがおっかないと言ったのは、きっと何かの間違いだろう。


なので、食事中の雑談の時に、うっかり剣聖様とユーリがやったことを軽い調子で語ったら、親子が顔を真っ青にしてガクガク震えてしまった。


「あなた。ユーリ。……ちょっと、後でお話があります」とにっこりと話しかけていた。

きっと後で少し注意するのだろう。こんな優しそうな女性だもの。暴力など振るうわけが無い。

後日、二人揃って僕に土下座をしてきたのは、本人達なりのケジメなのだろう。


王様にはその後お会いする機会がなかった。

王様なりの配慮なのだろう。

王様に言われたことを自分の中で考える。

生きる目標。テーマ。指標。色んな言い方はあるけど、端的に言えばようは生きる目的だろうか。


僕なりにこれまで人助けして来たわけだけど、どれも基本的に受け身だった。自分で助けに行くのではなく、助けを求めてきた人や、偶然巡り会った場合もあった。

『救済』……僕には過ぎた異名だ。でも、そうでありたいとも思っている。

いつか見つけられるのだろうか? 見つけられたらいいな。



本日は快晴。


ユーリが「近くにダンジョンがあるんだ。行こうぜ」と誘われてアースガル騎士国の騎士達とうちの星騎士団達に周囲を囲われて、ダンジョンの町に向かった。

本当に近かった。王都から馬車に乗り込み三時間ほどの道のりで辿り着くぐらい近い。


「ここがダンジョンだぜ!」

「おおー! ダンジョン!」


小さめな町に王都以上に見かける冒険者達に注目されながら、ダンジョンの目の前まで到着した。

ダンジョンの入口は岩の洞窟そのもので、入口の左右には武装したギルド職員が直立不動にして固まっていた。

固まった理由は間違いなく僕にあるだろう。


これからダンジョンに向かおうとしている冒険者の皆さんが立ち往生してしまっている。非常に申し訳ない。


「早速入ろうぜー」

「あの、ダンジョンは冒険者じゃないと入れないとかの決まりがあるんじゃ……」

「維持費やこの町を作ったのは国なんだぜ? 国の関係者で許可が下りてたら俺たちでも入れる。よくうちの騎士たちが潜ってるしな」


そう自信満々に言って、ユーリはズカズカとダンジョンに足を踏み入れた。

ギルド職員の人達も止める様子はないことから、真実だと分かる。

アースガルの騎士達もそれに続き、僕も星騎士団に守られながらダンジョンに足を踏み入れた。


「きゅぅ〜!」

「はは。スピカも楽しみなんだね?」


僕に抱き抱えられた小竜のスピカはしっぽをふりふりしながら、ご機嫌だ。

珍しく目を覚ましている。人間の赤ちゃんと同じなのか、よく寝てよく食う。まあ、食うのは僕の魔力なわけだけどね。

抱き抱えている間も軽くスピカに魔力を注いでいる。



「ダンジョンの中は見た通りに洞窟なんだね。しかも、何故か明るい」

「下層にいくと暗くなるみたいだが、俺たちが降りる階層までなら、松明いらずなんだよ」

「このダンジョンはどれぐらい深いの?」

「最下層は未だにたどり着いてないけど、五十階層は超えてるぜ」

「へぇ〜」


まさにダンジョンという感じなんだ。

昔、ハマったダンジョンもののゲームを思い出す。一歩ごとに進むタイプで、ランダムエンカウントな上に雑魚が強いんだ。


「ボスとかはいるんだよね?」

「まあな。十階層ごとに存在するんだ。それぞれ何種類かボスが居てランダムに選ばれるみたいだな」

「どんなのがいるの?」


ダンジョンの中を騎士たちに守られながら進んでいる為、緊張感がほとんどない為、すいすい突き進んでいく。


「十階層なら、ゴブリンキング、コボルドキング、ラビットキング、ウルフキングだな」

「全部キングなんだ!」

「キングと言っても、Fランクの雑魚の王様だからランクなんか一つ上だぜ? Eランクだから、初心者パーティでも油断しなければやられねぇーよ」


うちの村の近くに出現したオークがCランクだったことを考えると、確かに取るに足りない存在だろう。

冒険者においてCランクというのは、凡人の限界とされるランクで、大抵の人はCランクで生涯終える。

Bランクからは天才達の領域で、魔物もBランクから強さが跳ね上がる。

キングは決まって強さがランク一つ上で、同じ種族に命令を出して、従わせる力がある。


「キングなのに、ボス部屋にはそいつ一匹だからなぁー」

「キングなのに独りぼっちなんだ……」

「幸か不幸か、それでキングにも楽勝だって思って、野生のキングを甘く見てやられる冒険者が多いらしいぜ」

「野生なら当然部下がいるもんね」


ダンジョン産の魔物と野生の魔物は別物も考えるべきだろう。

ダンジョンについて詳しくなった僕に、ユーリが板状の物を差し出す。


「マッピングしてみるか?」

「やります!」


受け渡されたのは木の板に画鋲でくっつけられた方眼紙。左上に金具でコンパスを固定されており、右上には、穴に糸が通してあり、その糸の先に筆が結び付けられており、右下の金具部分にはインク入れが固定されて、裏側には掴むためのグリップが取り付けられてと、コンパクトながら計算尽くされた配置の地図作成ツールだ。


「ごついね」

「それでも、その形にするのに結構時間かかったらしいぜ。俺には合わなかったけど」

「ユーリはこういう作業苦手そうだもんね」

「うっせぇー。俺は前線で切ったはったをやりたいんだよ!」

「はいはい。じゃあ地図を書くけどコツとかある?」

「一マス一メートルとかでいいんじゃね? お試しなんだから書きたいように書けばいいよ」

「了解」


ムフフ。懐かしいなぁ。マッピングはよくダンジョン系のゲームでやったっけ。

小さい頃は方眼紙とか知らなかったから、適当にノートを破って書いてたよ。

最近のゲームはオートマッピング機能がデフォルトで搭載されてるから、そんな機会はもう来ないと思ってたけど、まさかリアルダンジョンのマッピングができるとは……。


僕はスピカをドロシーに預けて、ユーリから地図作成ツールを手に取る。

ずしりとした重みがある。右手で裏側のグリップを掴み、利き手の左手て筆を取り出し、インク入れに先端だけつけて、軽く方眼紙に今までの道のりを書く。


「速乾なんだね。もう触っても滲まない」

「マップがシミだらけたったら見ずらいから、その方眼紙も水を弾くようにワックスを軽く塗ってるらしいぜ」

「ワックスを塗ってるのにインクは受け付けるんだ……」

「そのインクは特別製みたいだからな」


手汗や返り血対策なんだろうけど、どれひとつとっても凄い考えられている。手間暇が凄そうだ。かなりお高いのでは?


「これは高級そうだね」

「BランクやAランクの冒険者向けのマッピングツールだからな〜金貨十枚はするんじゃね?」

「お〜なるほど……」


やはりお高い。日本円で十万円ぐらい?



「おい、レイン。見ろよ。ゴブリンだぜ」

「おお〜!」

「何関心してんだよ……どうする? やるか?」


久しぶりのマッピングにどハマりして、まともに前を見ていなかったら、ユーリから前方にゴブリン接近を知らされた。

やっぱりダンジョンの最初の敵としてゴブリンは捨てがたいよね!

三匹が同じ粗末な棍棒とボロボロの腰蓑のみの蛮族スタイルでのしのし歩いてくる。そこには警戒心などなく、我が家を歩くような軽快さを感じさせる。

だが、僕達の姿を視界に入れた途端。


「あ、逃げた」

「まあ、大所帯だからな……俺がいくぜ!」


俊敏な動きで道の反対方向に必死に逃げていくゴブリン達を背後から首を跳ね飛ばす。

一撃で三匹の首を跳ねるとはやりおる。

でも、それ以上に躊躇なく殺したことの方が、密かに驚いていた。


(そりゃあ、剣聖様の息子だもん。慣れてるんだろうな……僕は躊躇しそうだ)


食べる為ではなく、強くなる為。報酬の為に魔物を狩る。それが冒険者だ。命懸けの職業。

怖い職業ではあるけれど、やはり憧れもする。


ユーリが倒したゴブリン達はしばらくすると地面に溶けていった。

溶けたあとに残っていたのは、粗末な棍棒だけだった。


「ゴブリンはこれしか落とさないんだよなぁ。弱いし、群れるし、旨みもない。剣に血糊だって付くしよぉ〜本当、ダンジョンの嫌われ者だよ」


騎士の人に手渡された布で、ユーリは剣に付いた血糊を拭い去ると、ゴブリンに対して辛辣なことを言う。

ひどい! ゴブリンさんが何をしたって言うの!? 彼らは不潔で不愉快で生きる価値のないゴミカスなだけじゃない!!

内心では激しい同意しながら、言葉には出さない。

神子がゴブリンは、十八禁のゲームでいい思いしてるから嫌いです。など、言えるわけが無い。

でも……うん。


「次ゴブリン来たら、僕に任せて?」

「お、おぅ……お願いします?」


ユーリが少し口端を引きずりながら頷いた。

どうした? そんな般若の妻を見た浮気夫みたいな表情を浮かべちゃって。


マッピングしながら、しばらく進むと、階段というより、大きな穴が広がっており、その横には看板で、


『二階層に続くハシゴあり 南西03』


と、シンプルに書かれていた。


「03?」

「一階層には複数の二階層に続く穴があるんだ。階層を降りれば降りるほど、数は減って三十階層を超えると三つぐらいになるみたいだ」

「なるほど〜でも、こんな看板置いて魔物に壊されたりしないの?」

「あーそれはな。何故か魔物どもは階層を降りる穴の近くには寄らねぇーんだ」

「セーフルームにもなってるんだ」


ここまでの道のりをマッピングした地図を見れば、大きな空間……つまり部屋のような場所はなく、基本的に枝分かれした道の集合体みたいになっていた。

その為、休憩する場所が無くて大丈夫なのだろうかと、思っていた為、この空間を見て納得。


「いや。魔物に襲われてここにたどり着いたらその魔物はそのままここまで着いてくるぞ。だから、冒険者のルールには、魔物を引き連れて階層移動場所に近づくのはタブーなんだ。必然的なら冒険者のランクを下げられる程度だが、行為的なら冒険者の資格剥奪もしくは、牢屋にぶち込まれるぞ」

「か、かなり厳しいんだね」


あまりの厳しさにビビってしまう。

誰しもが自分の命がかかっている場面なら、そういう行動も取ってしまうだろう。そこに善人も悪人もないと思う。


「過去に大量の魔物を引き連れた馬鹿野郎共が居てな。その際に立ち会わせたAランク冒険者が他の冒険者達を逃がすために一人で立ち向かって、帰らぬ人になったそうだ……その事を助けられた冒険者が訴えて、魔物を引き連れた冒険者を罰するルールが設けられたんだよ」

「そんなことが……悲しい事件ですね」


自分のミスで死ぬのなら、まあしょうがないと諦められるかもしれないが、他人のミスのせいで死んでしまうのはあまりにもやるせないだろう。


「ああ。冒険者は全てが自己責任だ。だが他人にいくらでも迷惑をかけていいのならばただの無法者だよ。俺はなよくダンジョンに来るから、多くの冒険者からも話を聞くが、みんな気のいい奴らで冒険者としての誇りを持っている。そんな奴らがルールを守らない馬鹿野郎共と同じ括りに扱われるのは腹が立つよ」

「世間では冒険者は野蛮人などと罵る人達もいるみたいだよね……」

「ああ……」


そこら辺の話は元Aランク冒険者のスーニャから聞いた話だ。

彼女に視線を向けると、少し微笑みを返してくれた。

「気にしないでください」とても言っているのだろう。彼女の優しさを知っている僕からしたら、冒険者も人それぞれ。十人十色というものだろうに。


「取り敢えず降りてみるか?」

「うん」


まずはアースガルの騎士の人が降りていき、その後にユーリが続く。

ユーリがしたから安全を伝えて、僕も降りていく。

頑丈なローブ状のハシゴを降りていく。


(す、少し怖いなぁ)

『チキンねぇ。魔気を纏えば、五十メートルぐらいの高さから落ちても無傷よ』

(そうだとして、日本人としての感覚では、即死してしまうイメージがあるの!)


マナがおちょくってくるけど、割と余裕なくハシゴを降りていく。


「ふ、ふぅ〜おり着いたぁ」

「きゅぅー!」

「わっ! なんでスピカがもう降りてるの!? って、君は飛べるんだったね……」


バタバタと小さい翼をばたつかせて、僕に甘えるように胸元に飛び込みスリスリしてきたので、頭を撫でておいた。


「その小竜は戦力になんの?」


僕がスピカに構っていると、ユーリが眉を細めて尋ねてきた。

ユーリは典型的にドラゴンは強い! というイメージを持っているのだろう。ここはしっかり訂正しなければ。


「可愛いですよ?」

「まあ、かわいいっちゃかわいいが……」

「可愛ければいいじゃないですか」

「えっ……いや、でもドラゴンだぜ? 強くないと。それにカッコイイほうがいいだろう?」

「カッコイイより可愛い路線なんだよ。ねぇー! スピカぁ〜」

「きゅぅ〜♪」

「はぁ〜さいですか」


こんなプリティーなスピカが厳ついドラゴンさんになる必要はないのです。この子は永遠にスモールドラゴンでいいのです。



一階層は一時間ほど、それ以降の階層は三十分ぐらいで踏破していく。

そうでもしないと今日中に、目的地の十階層にはたどり着けないからだ。

そのためには、マッピングをやめて、アースガルの騎士達が持っていたマップを頼りに最短ルートで降りていく。


「わぁ、人がいっぱいだ」

「きゅぅ」

「この階層はボス部屋以外ないし、全ての穴が一箇所に集まるから必然的に冒険者はここでボスの順番待ちをするんだよ」


穴から大所帯で現れた僕達一行を遠目に注目する数十人の冒険者の姿に圧倒される。

冒険者をこんなに多く見れるのは、冒険者ギルドぐらいだと思っていた。


「お? ユーリ様じゃねぇーですか! どうしたんすかそんなに大勢で」

「おお。フィン! 今、神子のレインにダンジョンを案内してるんだよ」

「み、神子!?」


気さくに話しかけてきたベテラン風の中年冒険者が、ユーリの言葉を聞いて、素っ頓狂な声を上げた。そして、それに続くように他の冒険者達もざわめく。


「神子って、神聖国の……?」

「確か神子は、他国においての王様扱いだよ……な?」

「や、やべぇ! 機嫌損ねたら殺されちまう!?」

「でも、かわいい……」

「腕に抱いているのは……ドラゴン?」

「知らねぇーのか? あれは神子様が神様から頂いた聖竜なんだぜ」


僕がどういうイメージを持たれているのか、気になってした。

スピカのことが大袈裟なことになってる!

世間には、僕が卵から孵した聖竜という真実を公表してる筈なのに……。


「そ、それじゃ、ユーリ様達はボスに挑むので?」

「まぁな。せっかくダンジョンまで来たんだからボスの一匹や二匹相手にしねぇーと」

「なるほど。なら……おい! 次はユーリ様達がボスに挑むから順番譲れ」

「は、はいぃ!」

「ちょっ!? 並びます並びますから! ぼ、私のことはお気になさらず!!」


並んでいた先頭の初心者っぽいパーティに譲れと言い、それを恐縮したように場所を退けるので、慌てて止める。

日本人としての血が、行列割り込みダメと訴えかけてくるんだ。


「レイン。今回は甘えよーぜ」

「で、でもぉ」

「ここは冒険者の世界だぜ? 俺たちは異物なんだよ。だからさっさと居なくなった方がコイツらも気が楽だろうよ」

「そこまでじゃねぇーですが……まあ、神子様に見られながらボスに挑むのは、緊張しちまうかもしれやせんね」


一理ある。

というよりは、ゲーセンに総理大臣? が見に来るような場違いな気まずさなのかもしれない。

さっさと居なくなって欲しいのは間違いない。


「分かりました……お言葉に甘えます」


僕が頷くとボスまでの道ができる。

その道を突き進もうとしたのと時、


「だ、誰か! ポーションとか持っていませんか!?」


ボス部屋から血まみれの少女を抱き抱えた少年達が現れる。

装備の質から駆け出しなのは明らかだ。

少女の脇腹は大きく抉られていた。


「ウルフキングにやられたんだ!」

「誰でもいいから助けてくれよぉ!」


彼女のパーティメンバーが周りにいる冒険者達に懇願する。

だが、誰も助けようとしない。

いや……正確には助けるすべがない。

明らかに致命傷だったからだ。

一時間どころか数分の命だろう。


僕が居なければ。


「彼女を地面に寝かせてください」

「あ、あんたは?」


彼らはボスに挑んでいたから、僕達のことを知らないのだろう。

僕は軽く頭を下げて、短く挨拶する。


「エディシラ神聖国の神子でございます。その方を治す回復魔法を扱えますので、信じて寝かせてください」

「み、神子!? ……わ、わかった、分かりました!」

「お、お願いします!!」

「はい。必ず助けます」


地面に寝かせた少女の横に僕は座りこみ、両手を突き出す。


「『ホーリーヒール』」


光魔法と回復魔法の複合魔法、神聖魔法の『ホーリーヒール』を使う。

この魔法は傷を回復した後も、継続的に治癒する効果と体力を回復効果がある為、血を流しすぎて気を失いそうになっている少女の意識を繋ぎ止めることが出来るだろう。


……というより、使ってみたかっただけなんだけど。

回復系の魔法は結構使う魔法が固定されて、あんまり新魔法のお披露目が出来てなかったのだ。


少女の脇腹が徐々に塞がっていく。

そんな光景に周りの冒険者達がざわめく。

苦しそうにしてた少女も、今は規則正しい呼吸を繰り返す。


「あ……わたし……」

「モニカ! 大丈夫か?」

「う、うん……なんだかぼーってするけど、苦しくないし痛くない」

「神子様がお前を助けたんだぞ!」

「みこさま?」

「お気になさらず。もう、今日は町に戻って休んでください。失った血は戻ってるわけではありませんから」

「わ、分かりました! 本当に! 本当にありがとうございましたっ!!」

「この御恩は忘れません!!」


少女をおんぶして、初心者冒険者の少年達は立ち去っていく。

うむ。やはり人助けはいいものです。


「さすがだなレイン。さあ、気を取り直してボスを倒しに行くぞ」

「うん」



その後、普通に弱いコボルドキングをユーリに譲られて、取り敢えず魔力剣で串刺しにして終わった。

戦闘時間一分もないよ。

倒し終えたあとは、コボルドキングが所持してた鉄の鎧が手に入ったけど、使い道がないから後で適当に処分することになるだろう。



それから幾日過ごして、僕はユーリ達との別れを惜しみながらアースガル騎士国を後にした。

次会う時は、もっと強くなるとお互いに誓い合いながら。

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