表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/162

1話 異世界転生です?

瞼が重い。


開けようとも開けられないもどかしさ。


体全体が動かしずらい。


人の声のようなノイズが聴こえる。


もしかして生き残ったのだろうか。


そして僕は病院のベッドに横たわってるのだろうか。


それにしてもアンバランスなベッドだなぁ。


頭と背中辺りに体重を預けており、他のところはマットレスの弾力すら感じない。


もしかして、もしかして、体が動かしずらいのは、俗に言う植物状態だろうか。


…………ゾッとした。


悪寒が背筋を走った。


知る中でも最上位に位置する最悪なパターンだ。


何せ死にたくなっても、自分では自決すら出来ない。


生きてるだけで人様に迷惑をかけて、お金を実家の両親から払ってもらう。


なんでダメな息子なんだ。


両親は20歳で僕を出産して、今は45歳。


まだまだ働ける為に、仕送りなど気にせず、好きなことにお金を使えと言ってくれた両親に向ける顔がない。


家のローンだってある。


保険はいくら降りるのだろうか。


死んでないと貰えないのかな。


こんなことなら、会社で適当に入らず、自分から保険に入れば良かった。


死にたくなった。


死のう。


舌と口が動かせれば死ねるはずだ。


でも最期に目を開けてみよう。


今も耳元で声のようなノイズが聴こえてるのだから、もしかしたら両親が側にいるのかもしれない。


重たい瞼をゆっくり持ち上げる。


眩しい。


まるで何日も真っ暗な部屋に引きこもった後に浴びる朝日のようだ。


眩しさに涙が溢れる。


何度も瞬きを繰り返す。


次第に視界がクリアになっていく。


それでも瞼は半分ほどしか持ち上がらない。


まるで上から押さえつけられているように、それ以上、上がらないのだ。


狭い視野に人型が映る。


上から自分をのぞき込むようにして、微笑む若い女性だ。


下手したら自分よりも若いかもしれない。


20歳前後で、綺麗な黒髪を伸ばしたストレートヘアー。


顔立ちは日本人より白人さんに近い。


美人さんだ。


なぜに美人さんが自分を見つめて微笑んでいるのだろうか。


あれ?デカくない?


よく見ると、女性がデカい。


いくらベッドに横たわっているとはいえ、ここまででかく感じるだろうか。


その事に疑問を抱いていると、女性が顔を上げて、口を開く。


「…………、………………」


何言ってるんすか?全然理解出来ないっす。


自分、根っこからの日本人なんで、せめてうろ覚えの英語で喋って欲しいっす。


女性が視線を向ける先から、人が現れた。


若くてイケメンな人だ。


女性と同じくデカく感じて、年齢も同じぐらい。


茶髪の髪に優しそうなオーラを纏った優男さん。


「…………!」


何やら興奮しています。


女性から視線を外して、小心者にそのイケメンを自慢するようにじっと見つめてくるではないですか。


え、僕ノーマル。ノーアブノーマル。


何も出来ない小心者は熱い視線を向けてくるイケメンに圧倒される。


や、優しくしてね?い、痛いのは嫌だよ?


脳裏で無抵抗にイケメンさんに……あー!あー!ダメそんなのだめえええええ!


恐れ慄いている小心者にイケメンさんは手を伸ばす。


諏訪ここまでかと、目をつぶると頭部にぬくもりが。


目を再度開けば、優しげであり、それで幸せそうな表情を浮かべているイケメンさん。


頭ナデナデです!


高等テクニックです!


まずは体ではなく、心から落としにきているのでしょうか。


小心者は人の愛に飢えております。


胸がキュンとした。


ホモォの予感。


と、思ったら体が揺れる。


美人さんが一緒に揺れる。


ん?


ナデナデを止めたイケメンさんが美人さんに何か言っております。


すると美人さんは頷くと、またもや僕の体が揺れる。


背中を支える箇所が増える。


と思ったら、減る。


そして美人さんが少し遠くに感じて、イケメンさんが近くに感じる。


もしかしてもしかして、わたくし、おんぶされております?


いやいやいや!いくら男性の中でも小柄でも165センチのお身長がある。


体重だって56キロぐらいある。


絶対に美人さんの細腕では抱っこ出来ないっす。


何かカラクリがある筈だ。


…………もしかして。


まさか!いやそんなはずは!


巨人族は存在してたんだ!


きっと、あの飛行機事故から助けてくれたのはこちらのお二人の巨人族に違いない!


ああ感謝します。


助けてくれてありがとうございます。


やっぱ死ぬと思うと小心者的にガクプル案件だったので、助かって良かったです。


この御恩は必ずお返しします。


ですので、恥ずかしいので下ろしてくださいますか?


勿論言葉は出ない。


なんで事だ。


口を動かそうとも動かせぬ。


呼吸以外を許してくれません。


しょうがない。


人と目を合わせるのは苦手だけど、目で訴えかけよう。


同じ知能を持ってるはずだ。


ならば伝わるはずです。


人間の少年は人差し指でエイリアンをマブタチにしました。


ならば、不詳わたくしが、眼力で巨人族とフレンドフレンドしましょう。


キョジンフレンズです。


巨人と人間が居ても、除け者は居ないはず。


じっ!


今世最大の眼力です。


伝わって僕の想い!


届け!君に届け!


ボク、キョジンサン、トモダチ、ナカヨシ。


イケメン巨人さんが見つめ返してきます。


デレる。


でも負けぬ。逸らさぬ!


根比べと洒落こもうや!


と、思ったらイケメンさんの顔が蕩けてます。


ニヤニヤと幸せそうです。


やったか!


ふっ……他愛ない。


と、思ったら美人巨人さんが僕を見つめてきます。


行ける!美人巨人さんを攻略したら、生還出来るぞ!


生還出来たら、同期のイケメンを1発ぶん殴るんだ。


じっ!


きゅーん!


美人巨人さんが胸を撃ち抜かれたように後ずさる。


顔はイケメン巨人さんと同じく蕩けている。


ミッションコンプリートだボス。


直ぐに帰還する。


………………


……………………


…………………………


知ってた。


僕、赤ちゃん。


美人さん、お母さん。


イケメンさん、お父さん。


まさかの転生ですか!


神様!


おお、我が主よ。


再起の機会を与えて頂き誠に、誠に感謝します。


小心者はこの機会を無駄にはしません。


必ずや、リア充のような人生を送ってみせますゆえ、なにとぞ見守ってくださいませ!


小心者、異世界に転生させていただきました!







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ