千歳狐の誠と狐草紙
※その御伽草子は、やがてまことのものになる※
一之瀬 誠は千歳狐(ちとせぎつね)と人間の間にできた子どもである。
本人はその事実を知らされず、十五年間、ただの人間の子として日々を過ごしてきた。
けれども。
体内に流れる千歳狐の血のせいで、やがて誠は千歳狐をめぐる争いに巻き込まれていく。
その争いは、ひとつの御伽草子になぞらえた、かなしい争いであった。
――これはひとりの半妖狐が、ひとつの御伽草子を終わらせる、現代のお伽噺である。
第一ノ巻:化け狐と誠
序.はじまりの手跡
2018/11/28 12:00