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おやっさんとJK  作者: 笹森葵
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衝撃のニュース

わたくし、笹森葵の処女作となります。


まだまだ稚拙な文章だとは思いますが、精一杯書いていきます。


よろしくお願いいたします。


それは突然のできごとだった。



「今朝、人気シンガーソングライターの中条さくらさんが、芸能界を引退する旨を発表いたしました。」



いつもよりすっきりとした目覚めに満足し、今日のお休みをどう過ごそうかと考えながらつけたテレビから衝撃的なニュースが流れる。



「えっ、嘘でしょ」


それは意図せず口から出た言葉であったが、脳はどこかあっさりとそのニュースを理解していた。



「さくらちゃん、、、」



中条桜とは、天使のような可愛らしさとその容姿からは想像できないような声量の歌声で人気を博した歌手であり、まだ22歳の若手シンガーである。



かく言う私は彼女の大ファンであり、母親や友達とライブに行くこともあった。去年の年末に行った「さくら咲くツアー2017」は、それはもう素晴らしいライブであった。



「年内いっぱいで活動を休止し、今年の夏にリリースされるアルバムと9月からのドームツアーが最後の公の場となるそうです。」



まだ始まったばかりの2018年の出来事の中で一番の衝撃だ。後にも先にもこれ以上のニュースはないだろうと言うほど驚いたし、悲しい気持ちにはなったが、不思議と涙は出なかった。



味のしない朝ごはんを食べ、部屋に戻る。



机の横の棚に綺麗に並べてあるさくらちゃんのCDとDVDを見て、改めて彼女が引退することを実感する。



予想もしていなかったことが起こるとパニックになるか、以外と落ち着いてことに対処するかのどちらかであると思うが、私は意外と後者のようだ。



スマホからファンクラブにアクセスしてみると、「大切なお知らせ」という見出しが大きく現れている。



私はそれを見ることをしなかった。

というか、みることができなかった。



頭で理解できているからといって心が受け入れているかというとそうではないらしい。



心臓の高鳴りを感じながら私は、家を出る準備をする。



こんな日に家でゆっくりなんてしていられない。



髪の毛を整え、パジャマから私服に着替えると、すぐに玄関に向かった。



靴を履いていると母に「どこいくの」と聞かれたので、「いつものとこ!」とだけ答えてドアを開ける。



私の心とは裏腹に春の心地よい陽差しが、私の視界の全てをカラフルに輝かせていた。



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