第36話 必要な存在
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「どうしてですか頭領!なぜ他種族を受け入れられないのですか!」
男は叫んだ。口調は丁寧ではあるが、語気は強い。
「やかましいぞ!一人で満足に狩りもできぬ未熟者め!!口を慎め、我は頭領であるぞ!」
叫ばれた男もまた、負けじと声を張った。
語気も同様に強いが、口調は丁寧ではない。内に迸る荒々しい感情を直接ぶつけている。
対峙すれば物怖じしてしまうほどのその迫力。事実、最初に叫んだ男はこれで何度も退いてきた。
しかし今回は違う。今日という今日は、何としても自分の意見を通さなくてはならない。皆の為にも退くわけにはいかない。
「しかし頭領!このままでは納期に間に合わない。間に合わなければ皆が飢えてしまいます!!だから―――」
「だから人間の業をつかうと?ならん!それだけは決して許さん!!許せば我らが種族の誇りをけがすことになる!我らが業こそ至上である」
男の叫びは頭領によって潰される。
頭領は一向に意見を変える気がないようだ。それどころか、変えようとすればするほどますます頑固になっていっている。
「なにも我らの業を捨てると言っているわけではないのです!ただ人間の業を取り入れれば、我らの業もより発展が!」
「くどいぞ!・・おい誰かこいつを牢に入れよ!二、三日入れれば反省するだろう」
「「はっ」」
頭領が一声かけると、近くにいた別の男たちが叫ぶ男を取り押さえた。
「ぐっ!なぜ、なぜなんだ!僕はただ・・!」
「抵抗するな」 「おとなしくしろ」
「牢で頭を冷やすがいい愚か者め。さすれば種族の誇りを取り戻すであろう」
そう言って頭領は男に背を向けた。
その背中は冷たく、これ以上男の顔を見たくないという思いの表れのようだった。
「頭領!考え直してください!頭領!・・父さん!!」
「早く連れていけ!」
「「はっ」」
男は両腕を抑えられずるずると引きずられるように連れて行かれた。
男の心からの叫びは届かず、場は静寂に包まれた。
1人その場に残った頭領は自分の椅子に腰かけると、ほほ杖をついて小さく息を吐く。
「・・オークの面汚しめ」
頭領がつぶやいたその言葉は、誰の耳に留まることもなくただ空気に溶け込んでいった。
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「困ったなー・・」
「どうしたのです?ショウ様」
ショウのつぶやきにリードが反応する。
「いやー新しく群れにゴブリンたちを受け入れたのはいいんだけど、そいつらの装備がなー・・・」
「なるほど、そういうわけですか」
現在、ショウの群れは大いに繁栄している。
人間のノイド、ナダの技術提供やリード、リーシャ、ガンなどの優秀な者達の指導のおかげで、狩りは安定、かつ効率化され、雨風しのげる住居の確保や食料の安定した供給とその備蓄が可能になった。
さらに最近四つのゴブリンの群れを受け入れたことで群れの規模は増し、その分の資材は必要になるとはいえ、より多くのモノを得ることが可能になった。
さすがに来たばかりの皆の分の住居は建てられていないが、そこは仮設住宅をたて、ノイドたちが教えてくれたように、今度はリードの群れ出身のゴブリンたちが、新参のゴブリンたちが建築の仕方を教えている。そのおかげか、性格面でのトラブルもなく、受け入れはうまくいったと言えるだろう。
そんな調子のいい群れでショウが不安に思う事。それは、装備の不足。つまるところ武器の量だ。
元々リードの群れ出身のゴブリンたちには、ショウがコートを売ったお金で片手剣を買い与えていたが、現在の所持金では新参のゴブリンたち全員に同じものを買い与えるのは不可能だった。
ショウの群れには武器をつくることができるものがいない。今は買った武器のおかげで狩りができ、そのおかげでうまくいってはいるが、いずれうまくいかなくなるだろう。
武器はいずれ壊れるし、そのたびに買いに行けるほど、ショウの懐は潤っていない。それに今現在、武器のメンテナンスも所有者である本人が、つまり何の心得もない素人がやっている状態だ。定期的にプロに見てもらわなければ、それだけ武器の寿命も縮まってしまう。
「なになにー?どうしたの2人して!」
「おおリーシャ。訓練は終わりか?」
「うん!みっちりしごいてきたよー!!」
ショウとリードのところにやってきたのはダークエルフのリーシャ。
リーシャの仕事である弓の訓練が終わったようであった。リーシャはご機嫌に、シュッシュッとパンチを繰り出す真似をしている。
「ほう?で、どうなんだ新参者どもの調子は?使い物になるのか?」
ニタリといった感じで笑いながらリードは尋ねた。
「うーん・・。まあまあかなぁーさすがに元々いた子たちの方ができるよ。」
「そうか、そうか!まあ当然だな!ハッハ」
「嬉しそうだな、リード」
「・・・あぁ!でも、あのーインエのとこの子たちは筋がいいよー!あの子たちならすぐに弓つかえるようになるよ!」
「なに?」
「へぇーインエのところか。たしかに見た感じ、剣っていうより弓!って感じだもんな」
インエ。というのは新しく入ってきたゴブリンの群れの長の一人。丁寧な口調のハイゴブリンである。
「そうか・・ならば剣の腕で対抗するしかないな・・・」
インエの群れ出身のゴブリンの出来を聞き、リードは悔しそうにそっとつぶやいた。
「で、何話してたの?二人とも真剣だったけど」
「あ、ああ。武器が足りないって話。今はよくても今後がね・・」
「あー確かに!!私ももっと弓が欲しい!じゃないと訓練はかどらないよー」
「あーそうか!たしかに弓も必要だな。・・・どうしよう」
リーシャの話を聞き、ますます武器を作れる存在、いわゆる鍛冶師が必要になってきた。
思いつくところで言えば、ノイドやナダの時と同じように、人間の鍛冶師に来てもらい技術提供をお願いすることだが、望み薄だろう。
かといって他に当てがあるわけでもなく、最悪、ショウ自ら技を習いに行くしかないが、相当に時間がかかってしまうだろう。
「おや?これはこれは幹部の皆さんがおそろいで」
ショウが悩む中、やってきたのは少し黒みがかった赤色の肌を持つ、ハイゴブリンのインエだった。
「あーインエくん!ちょうど君の話をしてたよ!」
「それは光栄です、リーシャ先生。それに総隊長に大長。いったい何の話をしていたので?」
まるでどこかの貴族のように話すインエ。
インエ曰く、この話し方は前住んで森の近くをよく通る人間の影響だとか。
ゴブリンがこんな丁寧な話し方をするのは変ではあるが、インエに関してはその口調が堂に入っていて、さまになっていた。
「武器が足りないって話をな。誰か作れる人知らないか?」
ダメもとで聞くショウ。しかしそれが―――
「ああ、それならひとつ、心当たりがあります。」
―――一筋の光明を与えてくれることとなった。
今回の話で不明な点は、今後必ず明らかにしますので安心してお待ちください。




