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11-12

再編集した為2話分の話しを統合しました

内容に大きな変更はありません

サブタイトルの数字もそういう意味のものですので特にお気になさらずにお願いします

「僕に話とは一体どういうことでしょうか?面識は無かったと思うのですが」


「ええ。確かに私とあなたが会うのは初めてよ。偶然この店をに入っていくあなたが気になって……そういえばまだお名前をお聞きしていませんでしたね。不躾ですがお名前を聞いてもよろしいかしら?私はルネ・ジニスピリと申します」


「ジニスピリさんですね。僕は阿手公人と言います」


 公人は他人に名乗る時は師の苗字を使うことにしている。公人はまだ十四歳であるため師の親戚という事にしておいたほうが面倒事が無くて良い。

 夜一は三十歳の為叔父という事にしてある。本人は兄だと言い張っているのだが。


「阿手……公人さんですね。では公人と呼ばせて下さい。私の事もルネと呼んでくださって構いませんわ。それとそんなに畏まらないで下さい。ありきたりなセリフかもしれませんが私はあなたと仲良くしたいのです。いいかしら?」


 名乗った際に少し妙な反応をされたが、大方知り合いに似た名前の人物でもいたのだろうか。特に気にすることでも無いと思い直しすぐ返事をする。


「分かりました。では改めてルネさん、俺に話とはなんですか?」


「ありがとう。では単刀直入に言います。もし違っていたらごめんなさいね?」


 ルネははしたなくない程度に身を少し乗り出し小さな声で囁いた。


「公人、あなたは魔法が使えるわね?」


 驚いてしまい声が出せなかった。使えるようになったのはつい昨日の事、使えるというのもまだおこがましい有様だが、あの場所には誰もいなかったはずだ。

 まだ誰にも話していない状況で、どうやってその事を知ったのだろう。まさか監視されていたのか、それとも魔法を察知する何らかの手段が存在するのか。

 自分が魔法を使える事を知っていたとして何故接触してきたのか。色々な事が頭の中を駆け巡りパンクしそうだ。


「その様子だと本当に使えるみたいね。ごめんなさい、驚かせてしまったかしら?そう身構えないで下さい。別に魔法が使えるからどうこうしようなんて考えていませんから。それに私でなくとも他のエルフ種の目についたら気づかれる可能性があります」


「エルフ種なら気付く?どういう事ですか?」


「それはね……」


 ルネが口を開こうとしたところで間が悪く料理が運ばれてきた。公人にとっては他人に聞かれたくない話でもあるので説明を止めてくれたのは有難い。


「折角の料理が冷めてしまいますし、お話は後ほどにしましょう。午後の時間を頂いてもいいかしら」


 公人は黙って頷いた。今は心を落ち着かせて料理を楽しむことにしよう。


 神霊区内の技術は他の区に比べると若干進んでいる。とは言えラジオやテレビといった情報機器が多少揃っている程度のもので、常に情報を流している訳ではも無いのだが。

 夜一から聞いた話だと人造種からの技術提供によるものらしい。元々は人類種の技術だっただけに、その事に憤慨している人も少なからずいるようだが。

 しかし技術はあれど資源が足りないのはどこも同じらしく、広く普及している訳ではない。だが情報機器が有り放送しているという事は誰かが情報を集め、それを放送する事に意義を見出している組織があるということだ。

 一体誰が何の目的でどこから利益を得ているのか、夜一は教えてくれなかった。知らないわけでは無さそうだったので機密性の高い情報なのだろう。

 食事中の話題は自然と店内のラジオ放送で流れていた事が中心になった。どうやら魔霊種区内で起きている選挙で、二人の立候補者が有力視されているとの事。公人も選挙に関しては夜一から聞いていた為、少しは知っていたがルネはもっと多くのことを教えてくれた。

 たまたま興味があったのか、それとも政に関わる事が出来るような階級の出身なのかは不明だが、立候補者の名前やそれぞれが掲げている指針や規模など詳細に知っていた。

 ルネの情報は公人にとっては貴重なものだった為、聞き役に専念していた。こういった情報は公人や夜一の今後の行動にも影響を与えるかもしれない。しっかりと頭の中に叩き込む。

 そうして時間が過ぎていくうちに最初に抱いた警戒心とテーブルの上の料理は消えていった。


「公人はこの後はどこかへ行く予定だったのかしら?」


「えぇ……バレてしまった以上黙っていても仕方ないので話しますが、エルフ種区内の図書館へ行くつもりでした。勿論魔法関係の書物を探しに」


「あら、そうだったの。でもそういう書物は区内の図書館には無いと思うわよ?術によって機密情報も含まれるから、公共施設にはほとんど置いてないと思うわ。そもそも魔法は親や教育機関で習うから、そういう所に置いておく必要性が無いもの」


 それは困った。流石に夜一も魔法に関しては詳しくないだろう。昨日のように暴発しないとも限らないので、早急に対処しなければならない。

 となると修行の時間をほとんど魔法の制御や実験、調査に充てる必要がある。未知の分野に対して独学でどこまでの事が出来るだろうか。しかしその心配は直ぐに不要のものとなる。

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