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風神雷神現る

「すまない。・・・・・助けられなくて。」

変わり果てた大地を抱きかかえる慎吾。

すると慎吾の横を風が過ぎる。

(彼ならまだ助かる。)

(風に従いたまえ。)

「待て、何者だ。」

すると風が再びふく。

慎吾は風に近くにあった紙をのせる。

すると風の不規則な動きに気付く。

慎吾は大地を抱え風を追いかけた。

#14:30 天宮の森

そこには手作りだが丁寧に作られたバイクのサーキットがあった。

都心にこんな森があったなんて、そこは東京ドーム3個分もある広大な森林だった。

すると風が再びふく。

風に導かれるままに歩くと湖だった。

幻想的であり不気味なところだ。

晴れた昼間だというのに霧に覆われているのだ。

すると霧の奥に橋がみえた。その橋を渡って行くとそこには離れ小島がポツンとあった。

小島には祠がひとつ。

“風神と雷神ここに眠る。”

その時慎吾の足元に魔法陣が現れた。

魔法陣の光に包まれると真っ暗な何処かわからない場所にでた。

目の前に台座がひとつ。

(そこに彼を寝かせたまえ。)

声に従うままに慎吾は大地を台座に静かに寝かせる。

すると大地の身体に光が集まって行く。

やがてその光の中に雷鳴と嵐が現れた。

そして彼の体は普通の姿に戻る。

「ここは・・・・・、って六式!!

本物だ。」

「大丈夫か!?」

すると二人の目の前に男が二人現れた。

『私は風神、空を守るもの。』

『私は雷神、海を守るもの。』

大地は驚いた。自分の目の前で起こることに。

「教えてくれ。彼に何をした。あの女は誰だ。」

『私達はその子に地球の力を与えた。』

『六式、君は見たはずだ。光のオーブを。』

「あれか。」

『地球の力であり生命の記憶、アーク。』

『君はアークを集めやすい体質ナチュラルファイター。死んだ君の魂を生き返らせるためにアークを注ぎ込んだ。』

大地は驚いた。美香を救った時に自分は死んだのだ。

『だから私達は君の身体を神の力で進化させた。』

『君には風と雷の大いなる力が備わった。』

すると風神と雷神は静かにあの女について語り出した。

奴は大魔女アルテミスと言うらしい。平行世界である幻界(エルフガーデン)にすみ地球のアークを狙っているらしい。

3000年前に風神と雷神は大魔女アルテミスを封印した。

だがCode:06と六式の決戦時の超粒子爆弾で封印が解けた。

力を蓄えたてた為に復活が遅れたようだ。

『奴の狙いは3巫女だ。天、海、陸にはそれぞれたまったアークを放出させるゲートがある。』

『そのアークで大自然は成り立っている。だが巫女を使えばそのゲートを広げることができる。』

アルテミスは大量のアークを手に入れて全ての平行世界を支配するのが目的のようだ。

「アルテミスはアークを手に入れてどうするんだ。」

『アルテミスの使う魔力の源はアークだ。エルフガーデンでは多くの民が魔法を使うのでアークを大量に手に入れられないらしい。』

しかしアークは無限ではない。

大量のアークを一気に放出すれば地球は枯れ果てやがて死ぬ。

近年の地球温暖化や環境破壊でアークは減少しつつあり風神雷神も力を失いつつあった。

『君の右拳には風を、左拳には雷を宿した。』

『慎吾、大地、地球を巫女を頼んだ。』

そう言うと辺りを光が包んだ。

気がつくとサーキットに戻っていた。

「ここは、俺のサーキット。」

「この森の奥の湖にあそこがあった。」

もう一度行ってみると霧は晴れ離れ小島などなかった。

「大地くん・・・だったかな。俺は真柴慎吾、六式だ。よろしく。」

「進藤大地です。よろしくお願いします。」

二人は握手した。

#午後22:00 大地のアパート

大地は笑顔を隠せなかった。憧れの六式と握手した。

するとふと携帯を見る。

メールが200件、電話が100件。

みると美香と家族からだった。そうだ、俺は美香をかばって事実上は一回死んだのであった。

俺はあの事件以来心を閉ざしてしまい親や姉とは別居していた。

親に電話するとこっぴどく叱られ、安心で泣かれた。少し声が明るくなったのがわかったらしく久々に帰って来いと言われた。

姉はどうやら美香に直接話を聞いたらしくどうやって助かったかと詳細に聞かれたので一言だけ六式に助けられたというと今にも家に来そうな勢いだったのでそのまま電話を切った。

真柴さんはあの日覚醒-ヘンシンからテレビ中継されてたので多くの人が招待を知っていた。

その後の平和記念式にも素顔で出て今では世界的なヒーローだった。

そして姉は日本にその名を轟かす真柴六式ファンクラブ(女性限定)の副会長だった。

今日は真柴さんに飯をおごってもらいその時にそのことを話すと

「妻と子供がいるけど・・・いいのかな。」

と言った。

本人はその愛妻家と子供好きも人気の秘密とは知らなかった。

最後に美香に電話した。彼女はあの後警察に保護されて無事家に着いたらしい。

明日はろーた達と慰霊祭に参加するようだ。

明日は早い。明日は真柴さん達怪人課とアルテミスの調査に行く。

俺の力もおのずとわかるだろう。

大地は眠りに落ちた。