表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの風に願いを込めて  作者: 通りすがりのバッタ男
学園-巫女争奪戦編
2/23

六式参上 大魔女アルテミスの野望

#午前10:00 ニュータウン警察署

「よし、書類は終わった。」

「真柴さん速いっすね。」

捜査一課とは事件がない時は点で暇な職業である。

それが怪人課であればなおさらだった。

「慎吾、なんで3週間でゾイガーを全滅させたんだ。」

「良樹・・・そんな言い方ないだろ。」

Code:06との決戦の後怪人を操る秘密結社ゾイガーが宣戦布告した。

しかし、慎吾はCode:06たち超遺伝子獣との戦いになれてしまったせいでゾイガーはたった3週間で全滅した。

「まあ、いいじゃないですか。平和が一番っすよ。」

すると警察署署長がやって来た。

「君たちに通報があった。スカイツリー前広場に謎の隕石が発見されたそうだ。支給向かってくれ。」

慎吾達は現場へ向かった。


#同時刻 私立青美空学園

生徒達は始業式を終えそれぞれの教室に戻っていた。

「なんで新学期の一日目ってこんなに暇なんだろうな。」

こいつは本田一郎太。小学校からの親友(腐れ縁)だ。

「そうだな。まあ今日はHRで終わりだからいいんじゃね。」

するとろーた(一郎太のあだ名)は手帳を確認し出した。

「あーやっべ、忘れてた。大地今日スカイツリー行く?」

今日はちょうどスカイツリー広場に用があったので首を縦に振った。

「お前もアレだろ。一緒に乗せてって。」

あれとは慰霊祭のことであった。

東京大崩壊の日に亡くなった人に黙祷を捧げる期間であった。

大地は美琴一家を、ろーたは両親を。

「佳奈ちゃんはまだ行けないのか。」

「ああ、今日も学校を休んだ。」

ろーたの妹の佳奈は両親の死で心を閉ざしてしまい今も完全復帰できていなかった。

すると新担任が入ってきた。

「みなさん、今年から担任の上野小百合です。まだ、あれから一年しかたっていません。

ですが、これから一年一緒に喰いを残さないようにやって行きましょう。」

そう・・・まだ一年だった。

六式とCode:06の決戦は鮮明に昨日の事のように覚えていた。

「そして、今日転校生も入ってきます。

さあ、入って来て。」

すると一人の女生徒が入ってきた。ポニーテールに束ねた髪を黄色のリボンで結んでいる。

あの髪型、顔・・・何処かで見覚えがあった。

「今日からこの学校に通うことになりました。一ノ瀬美香です。よろしくお願いします。」

そう・・・・、幼馴染だった。

と言っても小学校の時に転校したはずだったが。

「じゃあ美香さんの席は・・・進藤君の隣ね。」

美香は隣の席に座ると軽く会釈して来た。

気付いているのかどうかはわからなかった。

HRは終わりやっと放課後になった。

「よっしゃ行くか。」

「ちょい待ち、いっぺん佳奈に電話しとく。」

すると美香が近づいてくる。

「もしかして、大地君と一郎太君?」

「そうだよ。小学校ぶりだな。」

「悪りぃ、明日の休みに親戚一同で行くことになった。」

そう言ってろーたは先に家に帰ってしまった。

(あのゴミ屋敷じゃ親戚一同ひっくり返っちゃうよな。)

すると美香が不思議そうに聞いてくる。

「2人でどこに行く予定だったの?」

「慰霊祭。お前は知らないか。」

大地はめんどくさいながらも慰霊祭について説明し出した。

「ふぅーん。誰か知り合いが亡くなったの?」

口が塞がってしまった。

「じゃ・・・じゃあ行くぜ。」

大地は逃げるように教室を出た。

駐車場でバイクを出そうとすると美香が走ってきた。

「なんで逃げるの?」

「お前・・・・変わったな。」

美香にはわからなかった。大地が怒る意味が。涙を流す意味が。

「親友が死んだことも知らずに・・・・。」

大地はそのまま走り出した。


#11:20 スカイツリー広場

慎吾達は現場に着いた。

「何だこの隕石。」

それは隕石というより何かの棺桶のようだった。

その棺桶には長い呪文のようなものが書かれたお札のようなものが貼ってあった。

「新人、お前オカルト好きだったよな。なんかわかるか?」

すると新米の刑事が走ってきた。

「ルーン文字にそっくりですね。」

「解読できるか?」

答えはNOだった。

「知ってるだけでわかりません。あ、でもこれはわかる。現代語で正午に開かれるって意味です。」

あと30分で何か起こる。

「こちら村雨。ドットキャットの配備をお願いします。」

「先輩、戦うんですか?」「一応な。」


#11:50 スカイツリー広場

「花とケーキ買ってたらおそくなっちゃった。」

12:00の慰霊祭には間に合いそうだ。

すると慰霊碑入り口に美香がいた。

「ごめん大地。知らなかったの。」

「だから。」通り過ぎて行こうとする大地について来る美香。

「知らなかったで済むかよ。あの日だってテレビ見ただろ。電話一つよこさねえ。おばさんの葬式だってはるばる行った。

でも、お前はろーたの両親の葬式にも、美琴の葬式にも来なかった。連絡したのに。」

大地はまだ攻め続けた。

「佳奈ちゃんのお見舞いにも一回も来なかった。挙句お前は佳奈ちゃんが倒れた日に近くまで来てるから遊びに来ないとメールした。」

「だって、大地・・・・そのケーキは。」

「美琴の好物のモンブランだよ。みんな悲しんでるんだ。中途半端な気持ちで来るな。」

美香をおいて大地は歩いていく。

慰霊祭の一斉供養の席に着いた時広場の方で何か光った。客がざわつき出す。


#12:00 スカイツリー広場

棺桶が光る。

中から何か出て来た。すると黒いドレスを着た20代前半と思しき見た目の女が出て来た。

「3000年ぶりじゃな。愚かな人間どもよ、我を誰と思っておる。」

慎吾達は銃を向ける。

「逆らう気らしいな。ならば、腕ならしに相手をしてやろう。」

すると女は腕を上げて何かを唱え出す。

その時あたりを炎が包み込む。

「逃げてください。新人応援をよべええええ。」

逃げ惑う人々。

すると3歳くらいの少女が取り残されていた。

「わあああああ!!ままぁああああああ!!」

「小娘め耳障りじゃな。消え失せろ。」

少女に火の玉が。

その時何かが少女を助ける。

「何者じゃ!?」

「覚醒-ヘンシン・・・六式!!」


その頃

大地は人の波の中を走っていた。

炎上する広場から人々が走ってくる。

すると美香がいる。

「おめえなにしてるんだ。」

「この子はぐれちゃったみたいで。」

男の子が泣いていた。

「俺が親を探すから、お前は逃げろ。」

そう言って大地は子供の指差す方向へ走っていく。

熱い・・・騒ぎの起こった場所が近いらしい。

すると子供が走り出す。

そこには瓦礫に足を挟まれて動けない母親がいた。

「うぉおおおおお。ダメだ、重い。」

すると向こうで何かが戦っている。

「あれは六式・・・、本物だ。」

すると六式はこちらに気づき近づいてくる。

六式は親子を助け逃がした。

すると女がやって来る。

「逃げるな、戦え。」

「どりゃあああああ。」

六式はキックをしたがかすっただけだった。

「我の美しい顔に・・・・傷を・・・・・。」

すると女は六式の足を光のロープで振り回し投げた。

「やめろおおおおお!」

大地は女に石を投げる。

「むしけらめえええええ。」

すると美香が来て石を一緒に投げ出す。

「なんでこんなことするの?」

「逃げろって言っただろ」

すると女が怒り出す。

「その女から殺してやる。」

「美香、危ない。」

大地は美香を押し飛ばす。

「ぎゃあああああああ。」

女は大地を氷漬けにした。それが一瞬のスキだった。

六式は女の脇腹を切った。

「ぐあああああああああ。覚えておれええええええ。」

女は消えた。

六式は氷を破って大地を助け出す。

だが大地はすでに息絶えていた。

「そんな・・・・こんな少年が・・・。」


つづく



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ