魔術師フレイア参上 魔力倍増!?
「あいたたたた。」
大地は目を覚ます。
見渡す限りの大草原、ここが妖精界。
確かに地上とは違った。
空に浮かぶ結晶、見たことのない山脈、オレンジ色の海や川。
まるでRPGの世界に来てしまったようだ。
《起きたか大地!!》
草原を思いのままに走り回るブルーファング。
「この近くに生体反応はあるか?」
《ソーリーゴムゾーリ、着地した時にセンサーが故障してしまってな。》
仕方がないので道なき草原を突っ走ることにした。
小一時間は走っただろうか・・・・・どうやら果樹地帯に入ったようでそこら中にリンゴに似た実をぶら下げた木が立っている。
すると前方で何か叫び声が聞こえた。
すると2匹の謎の巨漢男に少女が襲われている。
その巨漢男の外見は人間だが顔はイノシシ、腕は人間の3倍ほど太く色も茶色っぽい
「ブヒヒヒヒ、そのアピスの実をくれよお嬢ちゃん。」
「おれたちゃ腹ペコなんだ。なんならおめえから食ってもいいんだぜ。」
「村のみんなが待ってるんです。お願いです、通して。」
仕方が無い、時間がないとはいえ助けるしかなさそうな雰囲気だった。
「あれってゲームで見たことあるぜ。
オークってやつだろ?」
すると2匹のオークはこちらに気づく。
「お前さん奇妙な馬に乗ってるな?」
「そいつもよこしなあああ。」
するとブルーファングはウィリーでオークの顔に一撃を加える。
「ぶひいいいいいいいああああああああ。」
激痛で倒れこむオーク。
《ヘイミスター!!君らじゃ重量オーバーだ。》
「しゃべったああああああああああああ!!」
するともう一匹のオークが棍棒を振り上げて襲ってくる。
「飛翔風雷!!」
風雷神となって攻撃を受け止める大地。
「喰らえ風見鶏。」
鳥の形をした風がオーク2匹を山へ吹っ飛ばした。
果物の入った籠を拾って少女に渡す大地。
そしてバイクにまたがって出発しようとした時声をかけられた。
「あの・・・・・・。」
すると大地はヘルメットをかぶり、
「礼はいりません。」
「いえ村はあっちです。」
やらかした、カッコつけた上での失敗。
大地は恥ずかしさのあまり走って逃げようとした。
すると袖を掴まれた。
「あの・・・・・助けてくれたお礼に村に案内します。」
すると前方を歩こうとするので大地は予備のヘルメットを渡した。
「これは・・・・?」
「こうやってかぶって、こっちのが速いっしょ。」
大地は後ろに少女を乗せると少女の導くままに走り出す。
「自己紹介遅れました。私はアリシア。」
「おれは大地。この乗ってる奴がブルーファング。」
《ナイストゥーミーチューレディ。》
すると村が見えてきた。
村人は得体の知れない乗り物に乗った来客に戸惑っていた。
すると奥の方から女性が走ってくる。
「アリシア。無事でしたか。」
「はい、お母さん。」
ふと気付いた。
アリシアはそうでもない、いや、村の子供達は普通・・・・なのだが、大人たちの耳がやけに長い気がする。
「なるほど・・・・・。」
彼らはエルフだった。
エルフは神話やRPGにでて来る種族で耳が長いのが特徴。
もう一つは女性が美しいらしい。
そう言われてみれば村にお年寄りが少ない。
「ありがとう、異邦の旅の方、私が村長です。」
普通村長といえばヨボヨボで髭ボーボーのじーさんばーさんだ。
しかし目の前にいたのは美しい女性だった。
「ええ、こちらこそ、お若いですね。」
「まぁ、これでも90近いですわよ。」
エルフは外見は年は取らないらしい。
通りで若い人が多かったのか。
村人達はアリシアを助けた大地を歓迎した。
元の世界では見たことのない魚や肉、果物の数々を堪能した。
食事が終わると村長がやってきた。
「異邦の方、どうでしたか?」
大地は嬉しそうに首を縦に振った。
「よかった、では本題です。あなたは何者?」
「上の世界からやってきた。アルテミスを倒すために4勇者を探しています。」
それを聞くと村長は語りだした。
アルテミスは元々エルフだった。
エルフは特化した部位はないがアークにより様々な魔法が使える。
しかしアルテミスは力に溺れ禁断の魔法に手をだした。
そして4人の種族がアルテミスを討伐した。
しかし4勇者は優しさゆえに魔女の魂を身体からだしこの世界から出さないようにしただけであった。
身体は平行世界の地球に送られた・・・・だがアルテミスは魂の一部を身体に残すことでこちらの世界から身体だけを操っていたのだった。
「つまり弱点は魂だと。」
すると村長は4勇者について話出す。
4勇者はエルフの他にこの世界に住む知性体で、
雷を司る虫族、雷虫族
火を司る龍族 炎龍族
水を司る魚族 水魚族
風を司る鳥族 風鳥族
にわかれているらしい。
「彼らは人里離れた場所に住んでいます。」
すると村の方が騒がしくなった。
「アルテミスの部下だあああああ。」
すると村の中心に魔術師風貌の男が。
「おやおや、貢物もせずに旅人を出迎えるとはなんて奴らだ。」
すると大地は風雷神になり切りかかった。
魔術師はその風圧でよろける。
「貴様、風雷神だな。」
「だったら?」
「ここで始末する。」
すると大地は翼の羽を刃のように魔術師に飛ばした。
「きなんなああ。」
すると魔術師は結界を作りだし攻撃を跳ね返す。
「この世界じゃあ魔力が10倍近く上がるんだよ。」
するといばらが大地の身体を捉える。
「この魔術師フレイア様にひでふせええええ。」
大地はフレイアに振り回される。
そして地面や家、岩に叩きつけられる。
すると大地の持つ勾玉が光出す。
「これは・・・・一体。」
つづく