1/2
俊也
詩織とは幼なじみで、小学校からずっと一緒。俺たちは友達以上恋人未満の関係。決して恋なんかしない。
詩織に彼氏ができた。詩織よりずっと背が高く、男らしい。
「今日も一緒に帰ろう」と俺が言うと、何も言わないで笑って手を振って、彼氏のもとへ行く。
ああ、あいつはもう俺とはいられないんだ、と思うと、目からナミダがでてきた。
俺は詩織が好きなんだ。
あの彼氏なんかより、ずっと一緒にいる。
俺の方が詩織をわかってる。
愛してる。
目から流れるナミダを拭き取り、俺は詩織を見つめていた。
ずっと詩織をみてるから。
追いかけ続けるから。
もう一度、俺の名前を呼ばれるまで。