初めての襲撃 前
こんばんは。すらいむ[N]です。
投稿遅くなりまして申し訳ありませんでした。
もう小説を書き始めて1カ月、大分進歩したんじゃないかと思います。
ですがまだまだですので、とりあえず楽しんでもらえたらと思います。
朝、太陽が登始めた頃、レノたち旧魔族は戦いの準備をしていた。
今回の目標は神殿から遠くないところにある新魔族の拠点を破壊することだ。
その拠点の近くには物資の倉庫もあるため二つの拠点を一度に襲う作戦となる。
新魔族の拠点には、レノ、クロウド、テト の三者が向かい、倉庫の方にはドラン、スライム3兄弟、イスケが向かうことになった。
レノは目が覚めた後、マグラへと向かった。マグラは、無駄のない設計と武器、防具の配置によって、空間に合わない量のものが納められている。
昨日使った武器達もこの場所に戻っている。
「レノ・・・、お前にこの倉にあるものをいくつか紹介しておこう。」
レノが振り向くと、そこには黒いローブを着たアレンが昨日と変わらぬ姿で立っていた。
「なぜまだここに?」
レノはアレンに問いかける。
「私は本当にここにいるわけではない。お前にはこの倉の説明が必要だと思って私の意識だけを一部ここに残したのだ。」
「わかった。」
「わかりました、だろう?言葉遣いに気を付けるのだな。」
「わかりました・・・。」
「それでいい。では説明を
始める。お前が最初に手に取った刀、あれは魂装刀というのだ。手に取った者の魂がそのまま形になる刀だ。お前が使ったときにはどうなったのだろうな。」
「魂装刀・・・」
「そしてその後使った二丁拳銃。あれは古代の王フォードの愛銃だ。伝説によれば弾を込める必要がなく、一度戦いになれば、フォードの銃から弾が止まることはなかったという。」
「他にもたくさんありますよね、それはどうやったら使えるんですか?」
「それはお前自身が強くなることだ。今のままでも何種類かの武器は使えると思うが、まだまだこの倉に眠る恐るべき武器達は使えないだろうな。」
「どうやったら使い分けることができるんでしょうか。」
「お前が必要としたとき、一番必要とする武器が現れるだろう。但し、武器を変えるときにはマグラを呼ぶことだ。マグラはお前のすぐ傍にある。だが、武器の力に頼りすぎらないようにしろ。さもなくば武器に飲み込まれるだろう。」
そう言い残すとアレンはすうっと闇に消えた。
神殿へと上がるとすでに日は登始めていた。
レノの元にクロウドが駆けてくる。
「レノ様、皆準備は整いました。いつでも出発できます。」
「気になってたんだけど、俺たちが敵へと向かっている間にここが襲われたらどうするんだ?」
「心配要りません。私が薄い結界を張っていますので近づくものがいればすぐにわかります。」
「そうか、じゃぁ出発しよう!」
レノとクロウドは皆が待っている玄関へと向かった。
そこでは一人一人が先頭の準備を整えていた。みんな大して変わってはないが。
そして、クロウドの合図で二つに別れた。
レノとクロウド、テトの三者は山を降り、森を抜け、神殿を見張るために作られた拠点へと向かうことになっている。
まず、山道を下る。腰に下げた魂装刀は、いつも通りボロボロだ。長さ90㎝ほどの刃こぼれしているこの魂装刀が、戦闘時に曇り一つない綺麗な刀に変わるということが自分の魂の形なのかと思うと嬉しくなった。
山道は険しかった。道という道はなく、足場を見つけて、降りていくということで大変だった。
クロウドは空中に浮いてフワフワと降りていくのでレノは少し羨ましかった。
化け狸のテトはクロウドの背中に捕まっているので、実質山道を歩いているのはレノ一人だった。
太陽も真上まで登り、レノは長時間歩いたせいで汗だくになっていた。服は戦闘時に鎧に変わることを知り、身軽なものにしていた。
山道も残りわずかというところまで来たとき、クロウドがなにかを見つけた。
「そろそろ森に入りますが、入ってすぐに川が見えます。一旦そこで休憩しましょう。」
「ホントに?やったー!!」
「水水ーー!!」
レノとテトの二者が歓声をあげる。
レノは足を動かし、一気に山を下りきった。山を下るのにおよそ3時間がかかった。
「向こうのグループはもう森に入っているでしょう。魔物だけなら移動は早いんですよ。」
クロウドが苦笑いしながらレノに言う。
「悪かったなっ。」
レノは体で息をしながら答える。
山に比べると森の道は楽だった。太陽は木によって遮られ、風通りがよく、何より平らな道があることが良い。
レノには川しか見えていなかった。
それから15分ほどして、川についた。
レノとテトは川に顔を浸け、水を飲む。
「プハーッ!!水がうまいっ!!」
「水のありがたみを改めて知ったです!」
そしてしばらくその場でくつろいだ。
「敵の拠点まではまだ遠いです。今日の夜は森のなかで越すことになるでしょう。」
クロウドも水を飲んで木の幹にもたれて休んでいる。
「この先、川とかあるのか?ないなら何かに汲んで行ったりした方が良いんじゃないのか。」
顔をばしゃばしゃ洗いながらレノが言う。
「そうしますか。テト。」
「はいっ!」
テトは背中に背負った小さな鞄から普通なら入りきらないサイズの水筒を取り出した。
「これに汲むのです!」
「こんなのどうやってその鞄にいれてたんだ?」
「へへー。この鞄は入れる物を小さくできるのです。砂漠に住むタルトクの胃から作ってますです!」
テトは自慢げに鞄の説明をする。
レノたちは水筒に水を汲み、更に道を進む。
しばらく歩くとレノは、森の怖さを思いしった。
それは方向感覚だ。広大な森の中は同じような景色が続く。空も見えない。自分がどこにいるのかが全くわからなくなるのだ。
幸い、クロウドのおかげで自分が進む道はわかる。
「そろそろ向こうは着く頃でしょう。襲撃する時間を会わせるので、待ってもらうことになりますが、我々も急ぎましょう。」
そこからは歩くスピードが上がった。クロウドが先導し、森の道を的確に進む。
日がくれる頃にはレノたちも拠点の付近まで来た。歩いた距離は途方もない気がする。
クロウドが能力を使ってドラン達と連絡を取る。クロウドによると、すでに向こうも夜を越す準備をしているらしい。
テトは一日歩いて疲れきっているのだろう、すでに寝息をたてて眠っている。
レノとクロウドは晩飯を食べ、火にあたっていた。
「レノ様、今日一日歩いて疲れているのでしょう。もうお休みになられてはいかがでしょう。」
クロウドの言葉に今まで耐えていた眠気が一斉に襲いかかってきた。
「そうする・・・」
レノはふらふらと歩いてテトの隣へ行き、眠りに落ちた。
クロウドは木の間から見える星をしばらく見つめていた。
いかがでしたか?
次は後編となり、戦闘シーン多目でいきたいと考えています。
ではまた!