美砂の章 1話
あちゃー。
上履きびしょ濡れで泥だらけだな。
これは、ヤバいな。
完全にバレたな。
俺がいじめられてるのが、教師にバレるな。あれ、なんか目眩がするのは気のせいか?
あぁ、面倒臭いことになるな。と思いながら汚れた上履きを片手にクラクラする頭で職員室に向かおうとした。
職員室に向かって一歩踏みだそうとした。
次の瞬間、視界が歪んだ。
俺、どうしたんだろう…。
バタンと倒れる音がして、俺の意識が途切れた。
美砂さん、鈴木美砂さん大丈夫。
ん…、俺今どこにいるんだ?
消毒液の匂いがする。
てか、美砂って呼ばれるの嫌なんだけど、俺。
目を開けると、保健室の……、名前わかんねーけど、保健室の先生がいた。
俺はベッドの上だった。
美砂さん、やっと目が醒めたのね、よかったわ。
優しい保健室の先生の笑顔を見て、俺は少し落ち着いた。
授業に行かねーと…
俺がいうと、先生にすごい力で押さえられた。
行っちゃだめ。美砂さんは今凄くストレスを感じているようだわ。今、教室に行って倒れてしまったらいけないから、ここにいなさい。
明らかに先生の笑顔が険しくなった。
こういう場合、先生の言うことに従わないと後々面倒だから、授業に行きたい気持ちを抑えた。
でもずっと今日ここにはいたくないな。
ぼそりと呟いた俺の一言に、先生は
だったら、いい場所があるわ!
と言って、内線でどこかに電話を始めた。




