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ランデレ彼女

厳重注意彼女

作者: 狂風師

作品のテーマ

『ヤンデレだって、たまには穏やかに暮らしたっていいじゃない』


前編は下記URLよりどうぞ。

http://ncode.syosetu.com/n3307u/

ルコ「おはよー!」


 …散々搾られた日の朝。


 結局、「おやすみー」も「おはよー」もない。寝ずにオールナイトフィーバー。


 目の下に隈をつくって、物凄く眠たそうにしてるのに、ルコの奴は至って元気だ。


 …さすが、俺の精。元気が吸い取られたな…。


 死んだ目で学校の準備を進めていく。


 ルコが朝ごはんを作ってくれているが、そんなの食べたい気分じゃない。


 むしろ吐きそうです。


 テンションが最低のまま、靴を履いて玄関を出る。


 後ろから俺を追いかけてくる自転車の音。


ルコ「まってー速いよー!」


 俺の優しい性格を感謝しろ、ルコ。この眠たさの俺なら、無視してもおかしくないんだからな。


 ツンデレな事を思いつつ、速度をほんの少しだけ遅らせる。


 並んで走る、1組のカップル。


 自転車の並列はダメとか、そういう細かい事はいらない。


 周りからの妬みなどの痛い視線を、見事にスルーしていく。


 ルコは普段通り、いろいろと話しかけてきたが、それに返事をする余裕は残ってなかった。


 自分でも訳の分からない「あー」とか「うー」しか言ってない。


 だんだんとそれに気付いてきたのか、口数も減っていき、最終的に無言で学校に到着してしまった。


 しかも運悪く、いつもはエンカウントしないはずの友人にも出くわす。


 無駄な時にだけ現れる、非常にやっかいな存在だ。


 悪い事は重なって起こるもので、友人は俺たちの空気を感じ取ったのか、茶化そうという顔でこちらを見ている。


 そして俺の思っていた通り、メンドクサイ事に発展してしまった。


友人「また喧嘩かぁ? 喧嘩するほど何とかって言うもんなぁ~」


 …ああ、メンドクサイ。


 眠気と目の前の出来事の処理で頭が痛くなる。


 とにかく面倒なので、何も喋らずに、教室に向かう。


 ルコも何も言わず、自分の教室へと向かっていった。




 1時間目の授業が始まった。


 眠気で聞く気など起きず、ぼんやりとして時間を潰す作業。


 いつもはうるさく聞こえる先生の声も、今日は耳に入ってこない。


 入ってはいるのだが、反対側からすり抜けていく。


 シャーペンの分解をするも、手先が思うように動かない。


 おまけに、晴れていた空は薄い雲に覆われている。



 1時間目が終わり、ルコとのイベントに備えていたが、結局来ることはなかった。


 きっとあいつも疲れてるんだろ。


 そう、軽く思っていた。


 2限も終わり、3限も終わった。


 ルコが来ることは、1回もなかった。


 さすがに変だと思ったのだが、昼飯の時には来るだろう。


 まだ甘い考えでいた。


 4限が終わり、昼飯の時間。


 いつもは飛んでくるクセに、今日に限っては来ない。


 来てもらわないと俺の午後が大変なことになるので、仕方なくルコの教室へと向かう。


 なぜか友人もついてきた。


友人「どうしたんだぁ、ルコちゃん。喧嘩でもしたのか?」


俺「…」


 頭痛に悩まされつつ、ルコのいる教室の扉を開けると、机に伏せているのを発見した。


 近づいて見てみると…。


友人「…」


俺「…」


 音を立てぬよう、弁当だけを静かに抜いて、その場を立ち去った。


 気持ち良さそうに眠ってる姿を見たら、誰だって起こせないだろ。


 そのまま自分の教室へと戻って、友人と2人で、どうしようもない話をしながら昼飯終了。




 授業もすべて終わり、帰宅の時間。ルコは迎えに来ない。


 またも茶化してくる友人を殴り飛ばして、1人でルコの教室へと向かう。


 昼の時と同じ姿勢で、未だに眠っていた。


 誰の机か知らないが、隣の席を少々拝借してルコの隣に座る。


 優しく髪を撫でて寝顔を見つめる。可愛い顔して寝てるぜ、まったく…。





ルコ「ん…」


俺「やっと起きたか」


ルコ「え…?」


 寝ぼけ眼で疑問符を浮かべてこちらを見つめてくる。


 時計を見ると、俺が座ってから20分ほどしか経ってなかった。


 寝起きだというのに、階段を回るように降りていく。


 夕日が沈みかけ、薄暗くなっている道を2人で帰る。


 ルコがいるおかげで、辺りは明るく照らされたようだった。


 …ちょっと臭いな。


 家に着くと、さっそく服を脱ぎだす。


 いつものネクタイが現れて、いつもの控え目な胸と下の部分が目に入る。


 若干汗をかいたその姿は、不覚にも反応してしまう。


ルコ「どうしたのかな、ソレ」


 ばれてました。


俺「いや…もうダメよ? 死んじゃう」


 悪い笑みを浮かべて台所へと向かっていくルコ。


 いやいや、そんな顔してもこれ以上はホントにダメよ。


 淫乱すぎるだろ。どれだけ搾り取る気だよ。



 運ばれてきた料理は和風。


 普段よりも、なぜか豪華な気がする。


 こういう時に最初にしなければならないのは一つ。


俺「ごめんなさい」


ルコ「?」


 特に気に障る事はしてないはずなんだが…。


俺「どうかお怒りをお沈めくださいませ」


ルコ「何も怒ってないけど?」


 いやいや、この言い方は「怒ってますよ」って言ってるのと同義だ。


 とりあえず表面上だけは何でもないように、若干重苦しい空気の中で晩飯を食べ進めていった。



ルコ「一緒にお風呂入ろ?」


 …いったい何を企んでいるんだ?


 まさか、俺を溺死させる気か。


俺「まだだ。まだ死ぬわけにはいかんのだよ、俺の人生」


ルコ「何言ってるの?」


 くそぅ…とぼけやがって。


 俺の気を緩めようとか、隙を狙おうとか、そんな簡単に俺が堕ちると思うなよ。


 気を抜くことなく、ルコの動作に怪しい部分がないか、それだけに集中した。


 しかし、そんな脆い集中力はすぐに役に立たなくなった。


 狭い脱衣所の中。


 飛び込んでくる…という迫力はないものの、十分近くにルコのアレが見える。


 こうして2人で仲良く服を脱いでいるのもどうかと思う。


 もっとも、服を脱いでいるのは俺だけなのだが。


ルコ「もう、そんなに見つめて」


 無意識のうちに、警戒意識からイヤラシイ意識へと変貌していた。


俺「あ…あの…お先にどうぞ」


 まったく、誰が数時間前に「もうダメ」とか「死んじゃう」とか言ったんだか。


 すでに準備万端じゃないか。


俺「なぁ、愚息よ」


 何を恥ずかしがっているのか俺は。


 タオルで前の部分を隠しつつ、入場。


 ルコは座って何かの作業中のようだ。


 …けしからん想像しかできねぇ。


俺「なにしてるんだ?」


ルコ「あわあわー」


 洗面器に泡を作って遊んでいたようだ。


 どこの小学生ですか、あなたは。


 …。


 待てよ。これはもしかして…そういう事なのか?


ルコ「みてみてー」


 部分を隠すように泡でコーティングされたルコの体。


 もう、これで反応しないなんて、俺じゃない。息子もそう訴えている。


俺「誘ってますよね?」


ルコ「もちろん」


俺「狼になっても知らないよ?」


ルコ「いいよ。私が猟師になってあげるから」


 こっちが責める側かと思ったら、そっちが責めですか。


 どれくらい入っていたのか。風呂から出た記憶もない。


 翌日のルコの話によれば「激しかったよ」の一言。


 そして、付け加えられたかのようなもう一言「ありがと」


 …一体、俺は何をしたんだ。


 朝食には、またもや精がつきそうな食べ物が並べられた。

前回の作品から、約4か月。

長かったですね…。

本当は、感想が来てからすぐに書き始めてたんですが、気付いたらこんな感じに。


もうこれの続編は、ネタ的に厳しいです。

書いてくれる人がいましたら、どうぞ持っていってください。

その場合、感想かメッセージで「持っていくぜ」と言ってくれれば、拒否はしないと思います。



厳しいと言いながら続編。下記URLよりどうぞ。

http://ncode.syosetu.com/n7154z/

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― 新着の感想 ―
[一言] いやはや、今回も面白かったです!! それにしても、前回が「コメディー」なのに対して今回が「文学」なのはなぜ?
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