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異世界転生した元開発担当、チート農業スキルで最高級米を作って「恵方巻」を流行らせます!没落令嬢と組んでライバル商会をざまぁする  作者: 黒崎隼人


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12/12

エピローグ「そして世界は米に染まる」

 それから数年後。

 この国には、奇妙な風習が根付いていた。

 季節の変わり目になると、人々はこぞって『福巻き』を買い求め、その年の吉方位を向いて無言でかぶりつく。

 かつては「野蛮だ」「奇行だ」と言われたその光景も、今では国民的な行事となっていた。

 王都の大通りには『銀の葉商会』の本店が建ち、リリアナはその経営者として忙しい日々を送っている。

 テオは物流部門の責任者となり、国中に新鮮な野菜と米を届けている。


 そして俺はといえば。

「パパ、見て! 大きなお芋が取れたよ!」

 畑で泥んこになった少女が、俺に駆け寄ってくる。

「おお、すごいな。これはきっと甘いぞ」

 俺は娘を抱き上げ、広大な農地を見渡した。

 黄金色に輝く稲穂の波。色とりどりの野菜畑。

 かつての荒れ地は、今や国一番の穀倉地帯となっていた。

「カイ、お昼ご飯できたわよー」

 家の軒先から、リリアナが手を振っている。少し大人っぽくなった彼女は、エプロン姿が板についている。

 今日のお昼は、きっとおにぎりだ。

 コンビニ弁当の開発に追われ、過労で倒れた前世の俺。

 今世では、自分の育てた作物を、愛する家族と食べる。

 これ以上の幸せがあるだろうか。

「今行くよ」

 俺は娘の手を引いて、家へと歩き出した。

 空は青く、風は稲の香りを運んでくる。

 異世界転生、農業チート、恵方巻。

 よく分からない組み合わせだったが、結果オーライだ。

 俺の人生、これにて満腹。ごちそうさまでした。

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