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54.

 獣やオーガと一緒になって、ダークエルフたちも豪快に魚の串焼きや獣の丸焼きを食べつつ、果実酒もおっかなびっくり舐めている。この調子で酒の味を覚えて、是非とも樹海でも酒造りを考えてほしいもんだ。


 最早、まともに応援しているのはオーガとスケルトンだけだ。獣もダークエルフたちも、自分たちのボスがあとどれだけ立っていられるかを笑いながら話し合っている。あとは、飯の話しと狩りの話しと、ダークエルフたちの着ている衣服の話しとか、畑や牧場の話しとか、あちこちで好き勝手に喋っている。

 まさに親睦会だ。俺はこういうのをしたかったんだよ。一部乱闘を続けているやつはいるが、想像した通りのイベントになっていることに俺は満足する。


 そろそろ酒が無くなりそうだという頃に、ザランとヤオレシアが同時に膝を付いた。


 膝を付いても、どちらかが負けを認めるか土俵から出るか意識を失うまで、魔界相撲は終わらない。


「このチビが、ちょこまかと、しつこいぞ……」


「黙れ、デカいだけのネコめ……」


 どちらも負けを認める気はさらさらないらしいが、立ち上がろうとして同時に倒れた。


 真面目に審判をしていたクーランがそれぞれ息があるのを確認する。カウントをとるというルールはないが、カウントをとったとしてもどちらもこれ以上立ち上がらなかっただろう。

「うーん、これは……引き分けだな!!」

 選手がどちらも倒れて、土俵の中で立っているのはすっぽんぽんの審判だけだ。


 ダラダラと伸びに伸びた試合は、なんだか締まらない終わり方になってしまった。

 熱くなっていたオーガたちは不完全燃焼だったのか、自分たちで勝手に相撲を取り始めた。あいつらはいつものことなので放っておこう。


 同じく盛り上がっていたスケルトンたちはカタカタと騒いでいる。何を言っているかわからないが、シクラン曰く、賭けがご破算になってブーイングを上げているようだ。あいつら意外と柄が悪い。


 しかし、当の草原の獣とダークエルフは相撲に飽きていたから、ボス戦が終わっても両者ハ~ヤレヤレやっと終わったか~という雰囲気で、和気あいあいとそれぞれのボスを回収している。


「つまり……バーベキューパーティーじゃねーや、相撲大会、じゃなくて、えーと、そう、親睦会は大成功! 開催した俺アッパレ!!」


 魔王の締めの言葉で大いに盛り上がった親睦会という名の、第一回魔界相撲大会はお開きになった。

 第一回という通り、この大騒ぎは定期的に起きる恒例行事になるのだが、それはもう少し先の話しだ。

これにて相撲大会編終了!

お察しの方もいるかもしれませんが、作者は豚が紅い飛行機に乗るアニメの最終決戦が大好きです。


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