表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】古代竜の生贄姫 ~虐待から溺愛に逆転した世界で幸せを知りました~  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/91

外伝2-2.獅子のぬいぐるみはダメ

 久しぶりに家族で街に出る。小さな子はすぐに行方不明になるから、ナサリオはギータに預けた。抱き上げて運ぶので、いなくなる心配がない。最近歩くことが楽しいアナベルと左手を繋ぎ、右腕をギータに絡めた。これで全員繋がってるわ。


「僕らは別の日にする」


 アデライダの体調が不安定なので、心配したリカラはそう口にした。食事もあまり進まない様子だから、果物でも買ってこよう。


「ゆっくり休んでね、お土産を買ってくるわ」


 残念そうなフィデルは、お出かけが羨ましいのだろう。いつも一緒に姉弟のように過ごす二人が出掛けるのに、自分は一緒に行けないから。仲間外れになった気分なのよね。視線を合わせるためにギータの腕を離し、膝を突いてフィデルに微笑みかけた。


「フィデルにお願いがあるの。あなたのお母さんを守って欲しい。私達が果物を買って帰ってくるまで、よ」


 期限を伝えたら、少し考えてから頷いた。一歳半でも子ども扱いはしない。子どもは大人が思うより賢いし、ちゃんと考えているもの。


「うん、やる」


 決意を滲ませたフィデルは、アデライダを守ると拳を握った。父親であるリカラと並んで見送る。


「扱いが上手くなったな」


「三人もいれば、当然よ」


 フィデルも含めて、三人育てているも同じ。アデライダがサボってたのではなく、彼女も我が子同様に三人を育ててくれる。お互いの子を区別していないの。


 悪いことをしたら私もフィデルを叱るし、良いことをしたら褒める。一緒にご飯を食べさせ、二人で寝かしつけてきた。ギータと腕を組み、神殿を出た。


 いつも子どもを遊ばせる花畑の先に、ギータが外への出口を繋ぐ。街の中央に立つ神殿の一室に到着し、扉を開いた。神殿を掃除する人達に感謝の言葉を告げ、正面の大階段から街へ向かう。この大階段は結婚式で、花びらが敷き詰められた。


 今でも民の結婚式で、この階段は使われるの。敷き詰めたりしないけど、花びらを上から降らせるのが人気の演出だった。今日は花びらがないから、結婚式はなかったみたいね。


 一度荒廃した都は、以前とは違う活気を取り戻した。お金でやり取りせず、お互いに納得する物々交換が主流だ。そのためギスギスしたやり取りはなく、思わぬ格差レートで交換される品もあった。


「アナベルとナサリオの服だったか」


「ええ、そうよ。子どもはすぐに大きくなるから、少し大きめの服を買っておきたいの」


 私の服はギータが選んで買ってくる。いつもぴったりサイズなのが複雑だけど、毎晩一緒に寝ていたら分かるのかしら。私はギータの服を選ぶとしても、サイズまで分からないわ。


 見つけた店に立ち寄り、寄進すると必死の店主へ野菜で支払った。これなら食べる物だから、多くても困らないでしょう? 神であるギータはともかく、私や子ども達は崇める対象じゃないから、対価を支払わないといけない。頑なにそう主張して、野菜を積み重ねた。


 余ったら誰かに分けてもらえばいいわ。満足して頷く私を引き寄せ、ギータが額にキスをする。手を握ったアナベルが、思わぬ発言をした。


「あれが欲しい!」


 強請られたのは、店頭に飾られたぬいぐるみ。アナベルの身長より大きな獅子だった。あれ、リカラのイメージかしら。


「隣のにしなさい」


 ぴしゃんと変更を申し渡すギータ。隣にドラゴンがいた。気持ちは分かるけど、ふふっ……我慢できなくて笑ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >「隣のにしなさい」 ギータ様、ライバルに嫉妬!? www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ