表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】古代竜の生贄姫 ~虐待から溺愛に逆転した世界で幸せを知りました~  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/91

09.何なの、この生き物

 王子妃教育はさらりと履修する。前回と同じ厳しい先生方が宛がわれたけれど、私は二度目なの。前回すべて合格を貰っていた。少し手を抜きながら、王宮へ出入りして情報を集める。


 イグナシオは以前から人見知りで、人前に出るのが苦手らしい。私の知る彼と違い過ぎるわ。王太子の地位も、自分ではなく弟に譲りたいと口にしていた。以前の弟王子がそんな感じだったから、性格が逆転したみたい。


 私以外の皆に何が起きているの? もしかしたらやり直しではなく、別の世界に来たのかしら。


 不安で足元が揺らぐ。違う世界だとしたら、家族や婚約者に復讐するのは間違ってる気がした。一度目の人生の中、小説で平行世界を読んだ。パラレルワールドは、同じように見えて少しだけ違う。人物は同じでも性格が違ったり、途中の選択肢が変わったことで分岐した世界。そう認識していた。


 一度目の日本人としての人生があったから、虐待された二度目の人生を耐えられたの。酷い扱いを受けて、存在を無視されて、最後に婚約破棄され捨てられる。これじゃ恋愛小説のモブだわ。ここが本当にやり直しの同じ世界か、判断できない。それが怖かった。


「フランシスカお嬢様、お見事ですわ。ダンスに関して私がお教えすることはございません」


 ぼんやりと受けたダンスの授業で、先生に満点をもらってしまった。もう王宮で集める情報もないし、他の授業も終わりにしようかしら。


「先生の教え方が、素晴らしかったからです。ありがとうございました」


 微笑んで一礼する。ダンスを習うために使った広間を出ようとして、扉の陰に隠れるイグナシオを見つけた。お互いに動きが止まる。目が合ってしまい、逸らす私に声が掛かった。


「あの……お茶、でも……母上が、その」


 何なの、この生き物。前回は傲岸不遜を絵に描いたような人だったのに、年齢が幼いこともあって可愛いじゃない。一度目の人生は25歳前後まで覚えていた。おそらく死んだのはその頃でしょう。二度目は18歳だから、精神的には「おばちゃん」の年齢よ。


 このくらいの年齢の子がいてもおかしくない……そう気づいたら、無視するのも大人げなく感じた。


「イグナシオ王子殿下、王妃殿下がお呼びなのですか? では一緒に参りましょう」


 前回学んだ作法の通り、手を差し出して待つ。しかし近づいてこないので、こてりと首を傾げた。護衛の騎士に促され、慌てて駆け寄った彼は両手をしっかり服で拭いて、そっと手を差し出した。


 おずおずと、そんな表現が似合う。タイムリープを自覚して怯えていた私も、外から見たらこんな風に見えたのかしら。ふと、そう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点]  一度目が日本人としての人生。  二度目が、タイムリープ前の人生。(フリカデラとして、一度目の人生)  三度目が、今の人生。(フリカデラとして、二度目の人生) ▶ 一度目の日本人と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ