表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】古代竜の生贄姫 ~虐待から溺愛に逆転した世界で幸せを知りました~  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/91

79.神様の代行は新米神様

 動き出したギータ様の対応は早かった。元貴族の中から使えそうな文官を数人選び出し、彼らにある程度の権限を持たせる。その上で、お布施を募った。いわゆる税金代わりだと思う。神様が直接夢に出演して、神託を下したことで民は動いた。


 かつての神殿があった場所に用意された箱へ、それぞれが品物やお金を入れていく。あっという間に大行列になった。というのも、ギータ様が手始めだと言って畑の作物を祝福したのだ。まだ種まき後で刈り取りまで半年近くあるのに、昼前にほとんどの作物が収穫可能になった。


「こんなもんか」


 満足そうにギータ様は笑う。


 恩恵を被った人達が、お礼の気持ちを込めてお布施を置いていく。お金だけじゃなく、現物も多かった。収穫したばかりの果物や麦、パン屋の主人は焼き立てパンを。元貴族夫人だった女性は、手持ちがないと宝石を差し出す。そこに貴賤の差はなかった。


 己が手にした物や収穫物の中で、価値があると思う物を神様に捧げる。代わりにギータ様は作物を実らせ、生活を豊かにした。集めた文官達は今後、ギータ様の代理として街の整備を始めるらしい。


 物の値段が高騰して、貨幣は価値をなくした。だから整備にかかる人件費は、お布施から賄う。現物支給や物々交換と同じだった。原始的だけど、本人達が納得すれば効果は高い。欲しい物をもらうわけだから、意味のない金貨より喜ばれた。


「すごい……」


「俺を信仰する民が増えれば、当然力は増える。出来ることが多くなったら、民に返さないとな。お互いに与え合う関係が、神と人の正しい在り方だ」


 遠くから崇めて距離を置くより、こうして近い距離で共に歩く。それが正しいとギータ様は言い切った。日本の八百万の神の考え方に似ているかも。何にでも神は宿り、人々は何に対しても感謝する。そこから信仰が始まり、いつしか傲慢になった人間は神への感謝を忘れた。


 一度崩れた信頼関係をまた構築しようと、ギータ様が歩み寄った形だ。しばらく地上を放置したことで、神や執政者の必要性を改めて民に突きつけた。王家、貴族、神殿への不信感が渦巻く状態で、新しい行政を打ち立てても動かない。ギータ様はそう説明してくれた。


「これで前みたいに街は機能しますか?」


「機能させるのは人間だが、目に見える抑止力があれば問題ないだろ」


 古代竜である神様がいるうちは、人間はその恐ろしさと英知・恩恵を忘れない。そう言い切った後、ギータ様はくしゃりと銀髪をかき乱した。ほんのり金が入った美しい髪を乱暴に混ぜたあと、一言「面倒くさい」とぼやく。


 様々な知識や力がある神様なのに、変なところが人間臭くて。ふふっと笑った私の白い髪に彼は唇を寄せた。肩を抱いて頬に唇を触れさせ、突然思いついたらしい。


「そうだ、リカラにやらせよう」


「リカラに?」


 神様代行をする神様って、普通なのかしら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ