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創造した物はこの世に無い物だった  作者: ゴシック@S_kononai
序章
1/201

第0話 二人の導き手

 その場所を一言で表すならば、〝無〟だった。


 微かな音も髪を揺らす程の風さえも、何一(なにひと)つ感じる事のない空虚な空間は、白色と黒色によって綺麗に二分(にぶん)されていた。


 生物の存在すら感じられない空間に一人の少年が膝を抱えた姿勢で座り込んでいた。


「……」


 座り込んだ少年は、自分が何者なのか。

何故(なぜ)、ここに座り込んでいるのか。


 少年は自身の境遇に関心を持つ事もなく、地平線の彼方(かなた)まで伸びた境界線を静かに(なが)め続けていた。


「……?」


 空間を眺め続け数刻(すうこく)が過ぎた頃、ふと少年が視線を向けた空間から此方(こちら)に差し出された〝二人〟の手の存在に気が付いた。


 先程までは何も存在していなかった筈の空間に浮かんでいる手の主を、少年が確認する事は出来ず、差し出された手だけが見えていた。


 一人の手は〝白い空間〟から、もう一人の手は〝黒い空間〟から、それぞれ空間から突き出るように差し出されていた。


 少年は(かすみ)がかった意識の中で、差し伸べられた二人の手を握った。


「……!」


 少年が差し出された手を握った瞬間、白色と黒色のみで構築されていた空虚な世界は、黒の空間を埋め尽くす程の〝白い光〟が広がり続け、座り込んだ少年と共に世界を包み込んで行った。


―*―*―*―*―


 ある日、二人の子どもが生まれた。


 二人はそれぞれ別の場所で生まれ、両親と共に幸せな毎日を送っていた。


 その一人が、ユカリという名前の少女だった。


 ユカリは人々を平和へと導く〝光の導き手〟を担う両親の元に生まれた。


 幼い頃から常人(じょうじん)以上の身体能力と記憶力を有していたユカリは、十歳を迎える頃には両親だけでなく、世界から可能性を秘めた導き手の後継者として多くの人々から認知される程の存在となっていた。


 そんなユカリが十二歳の誕生日を迎えたその日、彼女は自身に起きた能力的変化から〝属性〟が開花した事を知った。


 ユカリに開花した属性は、歴史上存在していたとされる種類の属性とは全く異なる特性を有していた。


 〝この世に存在しない物の創造〟である。


―*―*―*―*―


 これは、ある日突然開花する属性を使用して人々が生活を送る世界で、〝二人〟の若者が開花した属性を用いて、争いのない平和な世界へと人々を導いていく物語。

 御拝読頂きありがとうございます。


 初小説なので変な文章になっている可能性がありますが、温かい目で読んで頂けると嬉しいです。


 0話はかなり短いですが、誕生から力が開花するまでのお話でした。

 Twitterにて登場人物についての説明を画像を使いながら行なっていきます。

 ゴシック@S.kononai


 次回 第1話 託すべきもの

 お楽しみに!

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