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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
509/520

ここが50階の試練の間かの (50階へ)

 ……


 トゥローを駆逐しながらダンジョンを進む一行

 

 「それで、50階の”試練の間”は何だ? カンイチ?」

 と、隣を歩くカンイチに問うジップ

 「さぁ、の。わしら、まだそこまで行ったことがないでなぁ。”溢れ”だかを乗り切った後、引き換えしたでなぁ」

 「そうなのか?」

 ガハルトに問うジップ、脳筋ガハルトだったらどこまでも潜るだろうと

 「ああ、ジップ。アール様もいらっしゃたしなぁ。何よりも、そこのカンイチもダンジョンに飽きてな。で、金子になる”採掘”、”採集”に重点を置いてな」

 「アール様、本当に辛そうでしたものね」

 と、イザーク。カンイチも頷く

 「で、カンイチ、飽きたか?」

 皆の視線がカンイチに集まる

 「うんむ。飽きたの。代わり映えしない景色にうんざりじゃ。わしはもう、さっさと帰りたいがのぉ」

 「カンイチさんですものね。ふふふ。50階はこの流れからいってトゥローでしょうか、ガハルトさん?」

 「ああ、可能性は大きいな! イレギュラーだといいな! なぁ!」

 腰のトンファーを引き抜き構えるガハルト。そしてニヤリと笑う

 「よくねぇよ。この戦闘狂が!」

 と、ジップが即答する

 「ええ、さすがに……50階ですよぉ。イレギュラー……青トゥローみたいのかな?」

 「楽しみだな! なぁ!」

 「「いや、ぜんぜん!」」

 ジップとイザークの声が揃う 

 「それじゃぁ、ここらで帰ろうかのぉ。そろそろアールたちの顔も見たいでな」

 「お熱いことで」 (ジップ)

 「フンだ!」 (イザーク)

 「ここで撤退はありえんだろう! カンイチよぉ! なぁ、親方!」 (ガハルト)

 カンイチの『ここらで帰ろうか』という言葉に焦るガハルト。救いを求めるようにダイインドゥに声を掛ける。賛同者を増やそうと

 「んお? ワシはどうでもええがの。が、50階以降の採掘には興味があるがの」

 「オレも興味あるよ。ミスリルももっと欲しいし?」

 「じゃ、決定な! いくぞ! 50階!」

 「ふぅ……。仕方ないのぉ」

 がっくりと肩を落とすカンイチだった

 ……


 「それにしてもトゥロー、多いのぉ。また”溢れ”でもしたのじゃろか。フジらも出かけているのにの」

 野営キャンプを設置し、サディカとイザークを連れてフジが”訓練”に出ていってから暫く、トゥローの襲来を受ける

 

 「”溢れ”たばかりだろうに。そうそう”溢れ”るものなのか? ダンジョンて?」

 「さてなぁ。それこそダンジョンに聞かんとの。ま、ガハルトも楽しんでるようじゃで良しとしとくかな」

 嬉々としてトゥローに剣を叩きつけるガハルトに目を向ける

 「ま、戦闘狂だしなぁ。やれやれ。普通だったら撤収だわなぁ。トゥローっていやぁ難敵だもんなぁ」

 「そうみたいじゃなぁ。地上でも難敵みたいだしの。”青”トゥローの躯も帝国が引き取ったのぉ。研究するやら」

 「ほ~~ん。研究機関にねぇ。ん? おいおい、もう一体来たぞ! カンイチ!」

 「どれ……。わしがいくか……」

 渋々、”収納”から鶴嘴を引っ張り出すカンイチ。

 「……俺がいこう!」

 ずぃ! と前に出るアトス。その手には斧

 「お! 行くのか! アトス!」  

 「……うむ!」

 と、一つ頷き、戦場へ駆け出すアトス。ガハルトと並んでトゥローと対峙し、縦横無尽に斧を振る

 「張り切ってるなぁ、あいつ」

 「アトスさんは常識人かと思ってたがの。戦闘狂だったわなぁ」

 「まぁなぁ。が、あすこまでとは思っていなかったわ。常識人は俺だけだな!」

 「はて?」

 すっとぼけるカンイチ爺様

 「おおぃ! カンイチぃ!」

 ……

 

 ……

 

 トゥローを駆逐しながら進み50階、”試練の間”に至る。

 カンイチ一行の目の前にそそり立つ”試練の門”。今までの試練の”門”と違い、銀でできているかのようにキラキラと輝く。しかも、左右に三台ずつの篝火台が置かれ、その焚かれた篝火が反射し、さらに銀色の門を引き立てる。


 「ほほぅ! ここが50階の”試練の間”かのぉ。ずいぶんとまぁ派手じゃの……」

 門を見てカンイチがつぶやく

 「ええ。キラキラ……門が銀色ですね……。彫刻のほうもより緻密ですし。綺麗ですねぇ」

 「……うんむ」

 イザークの言葉に腕を組み門を見上げ頷くアトス。

 門の彫刻を興味深く見て回る

 「……ふむ。ボスは彫刻によると……トゥローのようだな……」

 と、アトス

 「しっかし、綺麗な門だな。カンイチ、この門、”収納”に入らねぇのか。きっと金になるぞ。くっくっく……」

 「む! なるほど! ジップさん! ……む。そうそう上手くはいかんの」

 ジップに言われて、”試練の門”に手のひらをかざすカンイチ。”収納”に入れと念じるが、まったくの変化なし。

 「ふむ。どれ、一つ、鶴嘴当ててみようかの」

 と、鶴嘴を構え、門に向き直るダイインドゥ

 「いいのか? 親方、適当に門に鶴嘴当てて。ダンジョンのものは不壊だろうに?」

 と、すでにトンファーを引き抜いている、戦闘準備完了のガハルト

 「はっはっはっはっは。冗談じゃ。どれ、”試練”に行こうかのぉカンイチ」

 「そうじゃな。一つ、気合を入れていこうかいの」

 「まぁ、トゥローじゃ大金は期待できんがの。残念じゃな、カンイチよ」

 「ま、戦闘狂は満足させてくれようさ。”採掘”のほうも期待してるで」

 「は? 大きな金◯は手に入るだろうに? 金だぞ、金。くっくっく」

 「また金◯ですぅ、ジップさん……。ほんと好きですねぇ」

 「……クソガキだからな」

 「うるせぇ」


 銀色に輝く門をくぐり、”試練の間”へ踏み込む一行。

 いつもの石柱も金属の質感、輝きを発する。その銀の金属柱の数は3本。徐々に光が強まる。



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