表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
508/520

ああ、足りてるだろう (トゥロー戦)

 ……


 「……ぬぅん! ”強撃”!」

 「ンボ!」

 ”ずどぉん!”

 振り下ろされた斧が太いトゥローの首を叩き落とす 

 ”がごぉん!”

 斧は止まることなく強く床を叩き、火花が散る。首を切断されたトゥローは霞のように消えていく 


 「……ふぅ」

 斧を握ったまま一息つくアトス

 「相変わらず、めちゃくちゃだな、お前は!」

 パンパンに膨れ、ところどころ内出血が浮かぶアトスの右手をみてジップがボソリ。スキルの反動か

 「おう! さすがアトスだな! 見事な連撃! どれも重い一撃だ。へっぽこジップとは違うな!」

 「うっせぇ! ガハルト! ま、(俺の攻撃は)アトスに比べりゃ軽いがな」

 「で、どうだった、ジップよ」

 「んあ? 硬い……な。皮膚も筋肉も骨も。”人族”とはまるきり違うな。上手く関節に入ったから腕、飛ばせたようなもんだろうよ。そうなぁ、動きが遅いのが救いだな。足の腱ねらって動き封じて、とにかく、首を下げねぇことにはなぁ。ガハルトお前は?」

 「ふん! 斬り倒すのみ!」

 「だろうよ! 脳筋!」

 ……


 「ねぇ、師匠……。ナニか落ちてるけど? これどうする?」

 「う、うむぅ……。どうすんのじゃ? そんなもん?」

 カンイチとミスリールが”ドロップ品”を囲んでいると

 「わ、これって……。初めてですね、は、ははは……。精力剤の”霊薬”の原料になるそうですよ、カンイチさん。他にも用法はあるかも? なにせ、トゥローの撃破数は少ないですから」

 「おう? コイツもゴブリンやらと同じ括りかぁ、金◯か、金◯。オークよか希少だろ、高値がつくかもしんないぞ、カンイチ!」

 そこにひょっこりとジップも顔をだす

 「もう、ジップさんはすぐ金◯って連呼するんですからぁ」

 「……すまん。イザーク。コイツは中身はクソガキだからな」

 「い、いえ、アトスさん」

 「うっせぇ! クソは余計だ、アトス!」

 「それじゃぁ、拾っていく……かの。ミスリールよ、まだ(金属)容器はあったかの?」

 「問題ないよ。師匠、沢山こさえたからね!」

 「高く売れるといいなぁ! カンイチよ! なにせ金◯、金だもんな!」

 「……ガキが」(アトス)

 ……


 「この階層はトゥローばかりだなぁ」

 「おうん? ジップさんは、アレに混ざらんでええのか?」

 

 通路ではなく、区切られた小部屋、そこに二体の大きな緑色の巨人。ランド・トゥローの姿が。横幅も大きので狭苦しい。

 その二体の魔物に剣を振り上げ嬉々として突っ込むガハルト親子。その獣人のしなやか且つ、太い筋繊維で重い斬撃を次々と繰り出す。相手が普通の”人”であったら、どれもが必殺の威力を持つ


 「ん? ああ、足りてるだろう?」 

 「ま、そうじゃがな」

 「そういうカンイチだって行かないでいいのかよ?」

 チラと剣を振り回している親子を見る

 「わしも特に関心はないがの。手に余るようならとも思ってるが……ま、問題なかろうて」

 「だわな。アトスも張り切ってるしなぁ。俺は”採掘ポイント”に注意することとしよう。アピアのやつもイザークにべったりだしなぁ」

 「”採取”も”採掘”も大忙しだでなぁ~~。猫の手も借りたいそうだしな」

 「猫の手ぇ? ほ~~ん。狼の手じゃ駄目なのか? 鼻か? カンイチ。それなら沢山あるだろう?」

 「……おぅん? そういったことわざはないのかの……」

 「諺なぁ、猫の手なぁ~~。ほ~~ん」

 「ま、ええじゃろうさ」

 ……


 ……

 

 ”がしゅ!” ”どっしゅ!” ”がしゅ!” どっしゅ!” がしゅ!” どしゅ!” ”がしゅ!” ”どひゅ!” ……

 隙間なく続けざまに放たれる巨矢。

 ”ぼしゅ!” ”ぼす!” ”ぶちゅ!” ”びすぅ!” ……

 次々とトゥローの身を抉っていく 

 

 「モンババァァァァアアアァーーーーン……」


 銛のような巨大な矢に貫かれたトゥロー。絶叫をあげ、徐々に消えていく。

 

 "ガンラガララ……”

 

 トゥローが消えるとともに腹に刺さっていた矢も床に転がる。

 

 「よっし!」

 

 と、『潟スキー要塞』から身を乗り出し、ガッツポーズをとるミスリール。改良新型のマガジン自動給矢式強化アーバレストが設置された移動要塞と化している

 

 ”ぅをんっ!”


 たったと銛を咥えてミスリールのもとに駆け戻るシロ

 「お! シロ、拾ってきてくれたんだね。ありがとう!」

 矢を受け取り、ワシワシと首筋を掻いてやる。

 「しっかし、すげぇ弩だなぁ、ミスリール嬢ちゃん。トゥロー、ハリネズミだわなぁ」

 「ん? 嬢ちゃんって。ジップさん、オレのが年上かもよ?」

 と、ニヤリ

 「え゛……。そうなんだ?」

 「アール殿なんか1700だぞ? 1700」

 「お、おぅ……。そういえばドワーフ族も長命種だったわなぁ。嬢ちゃん見るとついなぁ」

 「……が、この野営地にも結構な数がきたな」

 「いつもよりも多いかもね。ま、それこそダンジョンのご都合だろうさ」

 

 『よし! それでは少し、我らが間引いてこようか!』

 「”訓練”! あ! オレも行きます!」

 と、フジの言葉を聞き仮眠を摂っていたサディカが飛び起きハナの首に腕を回す


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 『では参る!』

 「いってくるよーー! やほぉぉーーーーーー……!」


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”……


 そう言い残し、ダンジョンの暗がりに向かって消えていくサディカと4頭の魔獣。


 「元気だねぇ~~。仮眠中だっていうのに」

 とミスリール

 「そうなぁ。イザークもアピアも留守番か。(トゥローは)相性悪いものなぁ。どら、少し(訓練)みてやるかぁ」

 「うん。”金”のジップさんが指導してくれれば喜ぶだろうさ」

 「いよっしゃ! アピア! イザーク! かかってこい!」 


 ……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ