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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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皆殺しにしてやる! (アピアとホブゴブリン)

 ……


 「ほ~~ん。ここが件のメヌーケイのオーサガ王太子を救出した場所かぁ。なるほど、なるほど。階段から程よく遠く、適当な大きさの行き止まり。うんうん。賊のアジトにゃうってつけだな……」

 

 ここは24階。盗賊のアジト跡にきている。今ではカンイチたちのアジトか

 「うん。ここなら住めるな……」

 「住めばよかろうよ。ぼさっとしてカンイチに討伐されないようにな。くっくっく」

 「だな! はっはっは!」

 「当時は盗賊団【闇の指標】というのが根城にしてたんですよ。このダンジョンの2大ダンジョン賊としてね。オレも一回、賊10人ばかりに囲まれたことがあるよ。でも、オレが参加するチームは下層目指す手練れだし。皆、返り討ちにしたがな!」

 と、サディカ

 「サディカに10人かぁ。アホだなぁ、そいつら。サディカの顔くらい知ってただろうに」

 「……ふん。アホでもなければダンジョン賊なんぞしてないだろう」

 「ま、それをいってはおしまいだがな。アトス」

 アジト……だった、行き止まりを見て回るジップ。そういった名残は一切ない。ダンジョンの力かシミ一つない。

 

 「それ以降、ウチのチームが定期的に覗いているからもうほとんど湧いてこないね。ダンジョン賊自体も最近聞かないなぁ」

 「くっくっく。カンイチが金子目当てに追いかけ回すからな。ほれ、良い稼ぎになろう」

 と、笑いながらのガハルト

 「そりゃ、お前さんだろうよ。脳筋大王殿」

 不満の声を上げるカンイチ

 「……20階以降、マジックバッグ必須というのは賊共も一緒。……確実に穀物入れ、水入れ、鹵獲品入れはあるものな」

 と、アトス

 「襲われたら厄介だが、返り討ちにすればそれなりの富がってか。まぁ、地上もそう変わらんがなぁ」

 「だからカンイチに追いかけ回される」

 「じゃから、お前さんだろうに!」

 そこにのそりとフジ

 『うん。そろそろ休みたいのだが、お爺』

 「うん? そうじゃな。ブラッシングせようかの。フジ」

 『うむ! 頼む! 隅々までな!』

 「オレも手伝うよ! イザーク!」

 「それじゃ、サディカさんはハナを」

 今やサディカとハナはいい相棒となっている。

 少々神経質のシロに普通に触れるのは、カンイチ、イザーク、アールカエフ、リンドウ、キキョウくらいだ。

 フジにしてはカンイチ、イザーク、アールカエフだけだ。もっとも、交渉はできるが

 

 「……俺もやろうか。クマ」

 敷物にどっかりと座り込み、クマを呼ぶアトス。

 フィヤマでアールカエフのお籠りの時にイザークとともにせっせとクマたちの世話をしていたアトス。クマたち信頼も厚く、安心して身を預ける。

 大きなアトスの膝頭に気持ちよさそうに顎を乗せ目を細めるクマ

 「お、俺もやりますよ! イザークさん!」

 「う、う~~ん。シロは神経質だから……」

 イザークの足に身を擦り寄せるシロ

 「そ、そうですか……」

 肩を落とすアピア。

 「じゃぁ、アピア、こっち手伝ってくれ! 目隠しの壁、建てるから!」

 「はい! ミスリールさん!」

 「よし! そっち支えていて!」

 「はい!」

 ダイインドゥ、ミスリール。そこにアピアも加わり、野営区画の入口となる”偽装壁”を設置する

 バタバタと動き出すカンイチたち


 「……じゃぁ、俺らは警戒に当たるかぁ、ガハルト」

 「うむ」

 ……


 「どぉら!」

 ジップの繰り出すバスターソードがホブゴブリンを縦に割る。 

 「せい!」

 ホブゴブリンの腹にナイフを突き刺し手を返し、えぐり、斬り上げるアピア

 「ホォホブゥーー!」

 ”どごぉ!”

 腹に刺さったナイフを掴もうと手を伸ばそうとしたところ、ホブゴブリンを蹴り飛ばす! 吹き飛び、床に転がりながら消えていく

 「ふん!」

 「おうおう! アピア、ホブゴブリン相手には容赦ねぇな!」

 剣に付いた血糊は魔物が消えると同時に消えるのだが、今までの習慣か、ブン! と血を振り落とす動作をするジップ

 「そりゃぁ、奴らに散々やられましたし! 地上で遭っても皆殺しにしてやる!」

 「その調子だ! が、多対一、囲まれねぇように注意だ!」

 「はい! ジップさん! イザークさん、組手お願いできますか?」 

 「うん? いいよ」

 「おう! イザーク、ウチの若いの頼むな!」 

 「りょーかい! よし、こい!」

 「はい!」

 ……


 「ほう。ずいぶんと元気じゃな。若人たちは」

 イザークとアピアの組手を眺めるのは若人? のカンイチだ

 汗を拭いながら戻ってきたジップに声を掛ける

 「ふっ――。相変わらずジジくさいな! カンイチ!」

 「ふふふ、イザーク君にもいい刺激になっているわい」

 「ああ、あいつ、面倒見がいいもんなぁ。よくもまぁ、あすこまで成長したもんだ」

 「努力家でもあるでなぁ」

 「そうだなぁ」

 うんうんと二人の鍛錬の様子を見守るジップとカンイチ。若造君のカンイチの目もベテランのジップのそれだ。いやそれ以上か

 

 「ねぇ! ジップさん、暇だったらオレと手合わせしようぜ!」

 カンイチとジップのもとに模擬剣、二振りを下げたサディカがやってきた。顔をしかめてため息一つ漏らすジップ

 「ほれ、ジップさん、お呼びのようじゃぞ」

 「おぅ……。手合わせならカンイチとやれ、カンイチと」

 「カンイチさん、剣使いじゃないし? 久しぶりに剣をね。最近、トンファーばかりだし」

 「若人の鍛錬に付き合ってやらんとの。ジップさん」

 「ちっ――。若人は若人でもサディカ”金”だろうよ。しかも、二つ名持ちのよぉ、父ちゃんはどうした?」

 「父ちゃんは親方と武器の改良をしてるよ。当分かかるみたいだ」

 「はぁ……。しょうがねぇな。一つやるか」

 渋々、サディカから模擬剣を受け取るジップ

 「若いのぉ、ジップさん」

 「うるせぇ!」

 ……


 

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