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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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ギョボォアァァーー (ゴブリンキング)

 

 …… 


 「よし! ようやく順番が回ってきたな! いよいよ20階の試練だな! 試練!」

 パタパタと尻の埃を落とし、ストレッチをするジップ

 「ここはイザークに?」

 と、現場監督ならぬ、戦闘総括のフジにお伺いを立てるガハルト

 『ふむ。アピア、貴様も混ざるといい。イザークよ、奴の支援は任せる』

 「はい!」

 「は、はい! お願いしますイザークさん!」

 「お、おう! がんばろう! アピア君!」

 と、はにかむイザーク

 「がんばれ! イザーク先輩! はっはっは!」

 「……ジップ。お前もご指導願ったらどうだ、うん?」

 「そうだな。次、お願いします。イザーク先輩!」

 「もう……。やめてくださいよぉ、ジップさん!」

 ”はっはっはっはっは”

 「よし! 行くかの!」

 ……


 装飾の凝った門をくぐり、”試練の間”へ

 自動で門が閉じると同時に試練の間に並ぶ石柱が輝きを放つ。


 「ゲギョギョ!」

 「ゲッギョ!」


 次々と青い皮膚をした小人、青ゴブリンを吐き出す。20体ほどだろうか。


 フジの合図でイザーク、アピア。クマたちが前に出る


 「ふぅぅ……」

 気合をためるイザーク。ナイフと十手を逆手に持って。その武具にもまったく震えはない。

 「アピア……。無理するな。クマが援護する」

 「はい!」

 緊張のせいかギュウと、ナイフを握るこぶしに力が入るアピア。こぶしが白くなるほどに

 「力みすぎだ。力を抜け。いくぞ!」

 「はい!」


 駆け出す二人の青年、続く三頭の魔獣。

 イザークが右手を前にだし、合図を出すとクマたちが追い越し、青ゴブリンに襲いかかる。その牙が青ゴブリンの首を裂き、三頭の青ゴブリンが消え、靄に。駆け出すクマたちを追うように靄が追い、クマたちの口腔に消える。


 「ゲッギョォ!」

 アピアのナイフが青ゴブリンの胸に吸い込まれる

 

 クマはピッタリとアピアにつき、アピアが囲まれ多対一にならないように青ゴブリンに体当たりを食らわし、足に噛みつき引き倒す。連携はぎこちないがらも、とどめを刺していくアピア

 イザークも青ゴブリンを屠りつつ、アピアにも注意を向ける。これも”魔狼使い”の修行の成果か、クマ、ハナ、シロたちとの連携の呼吸を測るためか視界が広い。

 次々に消えていく青ゴブリン。そして最後の一体、青ゴブリンリーダーがシロに食われる。


 「ふぅ……」

 腕で汗を拭うアピア

 「ま、良かったんじゃない」

 ぽん! とアピアの肩を叩くイザーク

 「クマ、ハナ、シロお疲れ!」

 

 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”

 

 イザークの労いに応えるクマたち。イザークの周りに集まる

 「まだ湧くかもだから待機な」

 

 ”ぅおおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 イザークの懸案が現実に。再び、石柱が輝き出す。先ほどよりも強い光に


 「ギョ!」

 「ゲギョォ!」

 「ギギョギョィ!」


 先ほどのリーダ個体ほどの大きさの青ゴブリンが10体。そして、


 「ギョボォアァァーーーーェエ!」

 

 吼える! もはや、小人、ゴブリンとはいえない、2m近くある大きな個体が現れる。青い皮膚、筋肉も青ゴブリンリーダーよりも太く、大きく隆起する


 「おいおい。”おかわり”かよぉ!」

 「……しかも、あれはゴブリン・キングか? ……青個体の」

 と、ジップとアトス。武器を引き抜く。が、フジがのそり。ジップたちの前に立ち塞がる

 『ふむ。ここからはこちらで対処せよう。イザーク!』

 「はい! アピアは下がって。クマ! ハナ! シロ! 行くよ!」

 

 ”ぅおぉおん!” ”ぅわわん!” ”ぅをぉん!


 イザークの呼びかけに駆け出すクマたち。

 

 「デカいな! ゴブリン・キングかぁ。初めて見た! 父ちゃんは?」

 「あすこまで大きい個体は初だな。どれ、イザークはどうでるか」

 …… 


 「ハナ!」

 

 イザークが名を呼び、右手を水平にし合図を送ると、ハナは大きく右に迂回し後方にいた青ゴブリン・リーダーに襲いかかる

 

 ”がうがう!”

 「ケキョ!?」

 喉元をがぶりと噛まれ、ブンブンと首がちぎれるほどに振り回される青ゴブリン。そのまま溶けるようにハナの口内に消える


 「クマ! シロ!」

 クマとシロを引き連れ、まっすぐキングに向かい駆けていくイザーク、その手には大型のナイフと、十手。

 

 キングが己を護る青ゴブリン・リーダーを押しのけ、前に。

 足を肩幅に広げ、ふんばり、

 

 「ゴギャーーーーァーーーーン!」

 

 力の乗った吠え、”咆哮”が放たれる。

 大抵のものなら、その”恐怖”に怯み、動きを止めたり、より弱いものであれば、失禁、気絶、体の自由を奪うことのできる。

 ニンマリと笑う青ゴブリン・キング。だが、全く意に介さない、イザークとクマたち。スピードを落とさずに突っ込んでくる。ギラリとキングを睨みつけるイザーク。

 全く怯んでいない事に気づき、元いた場所に下がるキング。そのキングの前には3体の青ゴブリンが護るように立ちふさがる

 

 左右の青ゴブリン・リーダーをクマ、シロが引き倒し、

 中央の青ゴブリンがイザークに向かってナイフを繰り出すも、イザークが十手で受ける。ぐいと十手をひねる。ひねられ体制を崩したところ、脇腹にイザークのナイフが突き立つ。


 「ケヒィ……」

 

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