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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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任務ぅ? 本当ぉ? (宴)


 ……

 

 フジとアールカエフの命令の下、ちょこちょこと屋台に寄り串焼を購入しつつレストランを目指す。購入したものは即、”収納”行きだ。この後、レストランで食事だからだ。基本、”収納”に入れた料理はダンジョンや湿地等の遠征先で消費される。

 アールカエフの”収納”に入ったものはすぐに”おやつ”として彼女の腹に消えることになるが……

 

 カンイチたちもこの街にきて長い。ちゃんと常連として行きつけの屋台もある。が、新たに開かれた屋台は興味心で漏らさず網羅する。

 それだけではなくフジとアールカエフのお眼鏡に叶うようにと屋台の店主たちもより美味しいものと切磋琢磨し、この街の屋台のみならず飲食店のレベルもずんずん上がっている

 途中の武具の整備屋でアトスと合流、『リンギーネ』に

 入店と同時に支配人のお出迎え。すぐさま奥の個室へと案内される。

 

 「さすがはアールカエフ様ですねぇ。どこの町でもVIP待遇で」

 と、ジップ。

 「うん? まぁ、僕らはどうしても注目を集めるだろう? ジロジロ見られながら食事なんて気持ちの良いものじゃぁないよ」

 「……そもそも、こんなレストランにはエルフは来ませんけど」

 と、ダリオン

 「もう。せっかくの食事だよ。ダリオン君。それに、意外に多いのよ? まぁ、君ら引き籠もりのエルフにはわかろうはずもないかぁ。てか、そういう君も毎回しっかりついてきて、しっかり食べてるじゃない?」

 「私は任務です!」

 「ほほぉ~~ん。任務ぅ? 本当ぉ? もうファロフィアナ君に忘れられちゃってるんじゃない? 大丈夫? ちゃんとお給料振り込まれてる? ねぇ? ダリオン君?」

 「だ、大丈夫です! よ、余計なお世話です!」

 「ほら……」

 と、同僚に憐れむ視線を向けるティーター。口争いじゃアールカエフには勝てないと

 「ほれ、アールよ。今日は旧知の友との食事だで、いがみあうな」

 「だってぇ~~。ダリオン君が毎度毎度で突っかかってくるからぁ。ほら、カンイチに怒られたじゃない! ……マジでサクッとヤっちゃうぞぉ、ダリオン君!」

 「ほれ……。酒が来たようだで、ガハルト、乾杯の挨拶を」

 「お、おう。では……」

 ……


 フィヤマに居たときの共通の思い出、その後のそれぞれのチームの活動等の話が宴に華を添える。さすがにアールカエフの”お籠り”についての話題はでなかったが、ガハルトが寝込んだ話は娘のサディカがいるので大いに湧いた。そのサディカの出生についてもジップたちに大いに関心を寄せた。ガハルトは終始、苦い顔をしていたが

 

 「それで、ジップ君がうちのチームに入りたいって言ってたけどぉ。アイリーン君、いいの? 本気?」

 と大きな肉の塊にフォークを刺し、喰らいつきながら。美味そうに咀嚼するアールカエフ

 「そうですねぇ、ウチのダンナが夢を求めて! なんて言い出しまして。わざわざこの町まで来てしまいましたし。実際問題、ここでどれだけ稼げるかはわかりませんが、生活ができればいいかなぁ~~と。ダンジョンで稼ぐなら、アールカエフ様のチームに混ぜてもらえれば私も安心ですし。私も多分、ガルウィンもダンジョンには入りませんし」

 「ええ。特段、ダンジョンなんか入りたくもありませんね」

 シレッと拒否するガルウィン

 「うん? じゃぁ、ガルウィン君は何して食っていくんだい? アイリーン君はジップ君に養って貰えばいいけどぉ?」

 「はい。もちろん私もジップに養って―― 「働け! アホぉ!」 くっくっく、冗談ですよ。貯蓄もそれなりにありますし、酒場で吟遊詩人の真似事でも。そこそこ稼げますよ」

 「ほ~~ん。そんな才能があるの? じゃぁ、僕の護衛で雇ってあげよう! 飯付きで?」

 「というと、アールカエフ様はダンジョンには潜らないと?」

 「うん。ガルウィン君とアイリーン君が護衛についてくれればカンイチも安心でしょう? いやぁ~~エルフとダンジョンは相性、悪い、悪い。やっぱし、エルフにはお日様と風が必要だよ」

 「えぇ? アールカエフ様に護衛なんか必要ないでしょうに?」

 と、アイリーン

 「ええ、そんな命知らずは……」

 と、驚いた表情のガルウィン。その目はありえないでしょうと物語る

 

 「うん? そこで美味そうにトマトに食らいついている金髪エルフがその尖兵だよ? ねぇ、ダリオン君?」

 「……。私はそんな任務は受けておりませんが、スィーレン様」

 「なんか、色々複雑だなぁ、カンイチ」

 「まぁ、そうじゃな。騒ぎの元が二人もいるでな。よっぽどじゃなけりゃぁ手は出してはこぬじゃろうがなぁ」

 アールカエフから、足下で温野菜の盛り合わせを堪能しているフジに視線を落とす。

 「で、ガハルト殿、一週間の準備期間じゃったが、延期かの?」

 「問題なかろう、親方。アール様、本当に地上に残られるので?」

 「うん。どうせ役立たずだしぃ? ジップ君たちが加わればディアン君だって(地上に)居残りだろ? ジップ君とアトス君なら戦力の補填に問題ないでしょ」

 「いいのか、カンイチよ」

 「うんむ。アールもダンジョンの中は辛そうじゃしなぁ。アイリーンさんやディアンさんがついていてくれればのぉ。……わしも行きたくないがのぉ……」

 「は? そうなんですか? アールカエフ様? 俺に代わりなんかできませんて?」

 「問題なし! ダンジョン内じゃ”精霊魔法”がつかえないのよ。一部の”治癒魔法”くらい? ああ、その点は安心し給え! 僕の霊薬をカンイチに沢山持たせるから。それに、役立たずだけど備蓄の食料食い荒らすし?」

 「そ、そうなんですか。それよりも、ダンジョン内でアールカエフ様の薬、飲んでも大丈夫なんで?」

 「失敬な! ……爆死はしないと思うよ?」

 「……ぉう。爆死?」

 「ま、まぁ、そんな訳だ。一週間準備した後、ダンジョンに潜るが? どうする?」

 なんとも言えない表情のジップとガハルト。そしてガハルトの口から来週のダンジョン行きが告げられる

 「お、おう。もちろん俺達も参加させてもらうよ! 楽しみだなぁ! なぁ! アトス!」

 「……うむ!」

 「脳筋……」

 ボソリ。とアイリーン

 「ますます脳筋軍団だねぇ~~。よぉし! チーム名、『脳筋天国』にする? カンイチ?」

 「い、いや、それはのぉ」

 ……


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