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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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久しぶりじゃな (アイリーンとガルウィン)


 ……


 「まぁ! アールカエフ様ぁ! お久しぶりです! あれからお体の調子はいかがですか?」

 ジップに連れられて入ってきたのは魔法使いのアイリーン。ジップのチームの頭脳であり、指示役だ。

 

 「うんうん。おひさ~~。アイリーン君にも世話になったねぇ。お体の調子? それはもう、絶・好・調だよ? あと、もう1000年はがんばって生きるつもりだよ、僕は?」

 やぁやぁと、手を振り返すアールカエフ

 「1000年……そ、それは……さすが、アールカエフ様ですわ。カンイチ君もイザーク君もお久しぶり。……ずいぶんと強くなったわねぇ! イザーク君! ランクはずいぶんと上がったのじゃなくて?」

 

 「久しぶりじゃな。アイリーン殿にはうちのチームは世話になってばかりじゃったでな」

 深々と頭を下げるカンイチ。

 ガハルトが紫オオトカゲとの激闘の末、動けなくなった時。そして、アールカエフが寿命が尽き、死の床、”お籠り”についたときに女人ならではの気配りに大変に世話になったものだ。

 

 「お久しぶりです! アイリーンさん。ははは、今も”鉄”のまんまですよ~~。俺」

 「はぁ? ここのギルドは馬鹿? 魔力量も増えてるし。どう見たって……」

 「え?! そうですか? 魔力が増えてる? ……俺も魔法使いになれるのかな?」

 と、自分の掌をみて嬉しそうにブツブツとつぶやくイザーク。

 

 「アイリーン、イザークはアールカエフ様のチームのメンバーですよ。無能なギルドの連中ごときじゃ声すらかけないでしょう。イザークも『冒険者ギルド』のランクなどもうどうでもいいのでしょう」 

 「はっはっは。お前さんもそうだものなぁ。”銀”のガルウィンさんは。でも”鉄”のままっていうのには少々、驚きだがな」

 「ですが、この場合、ただの怠慢でしょう。ダンジョンの”溢れ”を乗り切ったというのに。その時に接触の機会はいくらでもあったでしょうに。本当に無能ですねぇ。おっと、脳漿が筋肉に置き替わっている御仁ばかりでしたねぇ、あすこは」

 「ははは、特に不自由はないですし? 他所のチームに参加することもないですし」


 冒険者のランクは冒険者ギルドが保証する”力”、”信用”だ。

 チームのメンバー募集にしたって賃金にしたってランクが高いほうが有利に働く。国外に有効の身分証にしたってそれなりのランクが必要だ。

 

 「それでもイザークはギルドじゃ”魔狼使いのイザーク”って呼ばれていましたよ、ふふふ」

 「本当かよ、ガルウィン?」

 「ええ。ウチのチームのどこかの”金”ランクのリーダー様より有名じゃないでしょうか。”採取の達人”やら”料理人コック”という呼び名も聞こえてましたねぇ」

 「マジか……。料理人……か? そういや、人をバラバラにして客に出していた”料理人”って罪人がいたな……」

 「今、それ思い出しますか、ジップ。やれやれ。随分と腕を上げたようですし。フジ様はおいておいても、クマたちを手足のように使われたら私たちじゃ勝てませんよ」

 「それなぁ。さっき見たが、クマたちもずいぶんとデカくなってたわ。何を食ったらああなるのか。マジで魔狼だわ」

 「うむ。今じゃぁクマらもイザーク君を認めておるでなぁ。確かな信頼もあるで」

 と、カンイチ。その目は逞しくなった仲間に向けられる

 「ああ、今やカンイチよりも言う事聞くんじゃなかろうか」

 と、ガハルト

 「恐ろしいな。”魔狼使い”かぁ。よし! 俺も混ぜろ! イザーーク!」

 ぐぃ! と、イザークの首に手を回すジップ

 「は、はい?」

 「うん? 今から”魔狼使い”目指すのかい、ジップ。さて、狼たちの信頼、得られるでしょうか? ジップごときに」

 と、の得意技、”皮肉の刃”がジップをえぐる

 「いちいちうるせぇぞ!」

 「イザーク君、そこのアホは無視していいわよ~~」

 「アホ言うな! それじゃ、アトス拾いながらレストランに移動しましょうか、アールカエフ様」

 「うん! そうしよう! 本気でお腹へってきたかも?」

 「アールよ、さっき朝飯、食ったばかりだろうに……」

 「んあ! そうそう! ジップ君のお嫁さんになったんだって、アイリーン君! おめでとう! レストラン行ってお祝いだ!」

 「ありがとうございます! アールカエフ様」

 「アイリーン君、ジップ君と別れたくなったら僕に言うのだよ。いつでも相談にのるし、物理的に排除してあげてもいいしぃ? さくっと? 永遠に?」

 「はい! その時はお願いしますわ、アールカエフ様」

 「お、おおぉーーい! な、なんです、アールカエフ様、ぶ、物理的って!?」

 焦るジップ、ニッコリと笑うアールカエフとアイリーン、その目は……

 「こ、こわ! これじゃジップさん、浮気ができないですねぇ、カンイチさん」

 「ふん! イザーク君! ”浮気”なんぞ、していいわけなかろう! 裏切りじゃ! 万死に値するの!」

 と、こぶしを握るカンイチ。

 「で、ですよねぇ、カンイチさん、は、ははは……」

 ……


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が普通に農家になる可能性より建国した方がむしろましですね。 主人公も今では現代の国とは違って、身分制社会とか治安が危険だとか未開拓地が多いとか、そういう部分を認知しているようですが。日…
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