表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
478/520

久しぶりだなぁ~~! (懐かしい顔)


 ……


 「おーーい! 久しぶりだなぁ~~! カンイチよ!」

 二人の兵士に案内されてきたのは、フィヤマで世話になった”金”ランクの冒険者、ジップその人だ。

 普段、チーム以外の人の前ではあまり表情に出さないガハルトも旧知の友の登場でその表情も明るい

 

 「お、おう?! ジップさんではないか! こ、こりゃ、驚いたのぉ! こんな遠くまで依頼かなにかかの!」

 カンイチもすぐさま駆け寄り、ジップの手を取る

 「しっかし、相変わらずジジくさいなカンイチは! カンイチたちの活躍はサヴァ、フィヤマまで届いてるぞ! お! アールカエフ様もお元気そうで」

 「やぁやぁ! ジップ君! その節はお世話になったね! うん? アイリーン君は? ひょっとしてフラれちゃった? それとも寿退団? 他の連中は? もしや解散?」 

 と、椅子から身を乗り出すアールカエフ

 「い、いや、アールカエフ様。解散はしませんて。アイリ――アイリーンも一緒に来ていますよ。で、俺、アイリーンと昨年結婚いたしまして。ははは……」

 「んな!」 (イザーク君)

 「おっほぉ! それはめでたい! レストランでお祝いだ! こら! イザーク君! 僻まない!」

 「僻んでいませんよぉ……。アイリーンさんが……」

 「泣くな! イザーク! はっはっは!」

 ”ばん! ばん!”と、イザークの背を叩くのはディアン。イザークの上半身がブレるほどの剛力だ。

 

 「イザークも逞しくなったなぁ! 体もだいぶできてきたな! もうどこから見ても一人前の冒険者だな!」

 と、イザークにも手を差し出す。その手をぎゅっと握るイザーク。憧れの冒険者に褒められ、その顔も紅い

 「あ、ありがとうございます! ジップさん!」

 「う~~ん。朝食べたばかりだから……。宴会は昼から? 僕は今からでもいいけど?」

 「さすがに朝食べたばかりじゃろがい……。ジップさんのところの都合もあろう。明日の昼か夜でよかろう? どれ、茶の準備をせようか。他のメンバーの方々は?」 

 「うん? ああ、連中なぁ。この町で好きやってるだろう。なにせ昨日着いたばかりだからなぁ」

 「ハンスさんとドルの親方、ルックさん、リスト・ギルド長は元気かの?」

 「はっはっはっはっは! リスト・ギルド長最後かよ! 泣いてるぞ! ああ、皆、元気でやってるよ。親方も俺達が出てきた時はまだ現役だったがな」

 「そうか……。無沙汰じゃてな」

 「じゃあ! アール母ちゃん! 俺、学校行ってくるぞ!」

 「アールお母ちゃん! いってきまーーす!」

 「おう? リンドウ、キキョウも行ってらっしゃい! 気をつけてね! ティーター君。よろしくね」

 「はい。行ってきます」

 「すまんのぉ」

 キキョウの手を引き出ていくティーター

 「うん? アール母ちゃん? あれは狼人か?」

 と、尻尾をブンブン振りながらでていく狼人族の兄妹を見送るジップ。

 「うんむ! 僕の子だけど? このイザーク君もだよ?」

 「え、ええ?」

 「はぁ? イザークもかよ? アールカエフ様の子息たぁ、偉い出世だな! うん? じゃぁ、カンイチのせがれになるのかぁ? はっはっは!」

 「は、ははは……。そうなんです?」

 「まぁ、積もる話もあるだろう? お茶にしよう、お茶に!」

 ……


 お茶の準備も整い、一服。

 面識のないサディカを紹介し、会談に。ダリオンもいるが、関心なしと自室のある隣の建物に。

 

 「カンイチたちの話は聞いてはいたが、この家の入口に立ててあるのってアイアン・ゴーレムか?」

 ジップが言う通り、この宿舎の入り口にはアイアンゴーレムが一体、門衛のように置いてある。もちろん動きはしない。転倒防止の加工もしてあり倒れてくることもない。

 「そうだよ。カンイチとイザーク君が飾るんだと。最初、家の中にあったんだけど、デカくて邪魔くさいし、倒れてきたら危ないから外に出したんだよ。困ったもんだ!」

 「確かに……邪魔くさいな。売らないのかよ? 高く売れるだろうに」

 「記念に取っとくって。よくわからん」

 と、カンイチとイザークに視線を向けるアールカエフとジップ

 「ま、なんだ。記念にのぉ……」

 「え、ええ……」

 と、目をそらすのはカンイチとイザーク

 「それにしても、全身ドロップかぁ。よくもまぁ、ダイの親方がいて鋳潰さないな」

 「うんむ。複数体得てるからの。(鍛冶師)ギルドの連中も存分に触れているで、ワシらから文句はないで」

 と、茶をすすりながらダイインドゥ

 「そ、そりゃ、すげぇな。もう、畑買えるだろ?」

 「その辺りの相場もよくわからん」

 「……ま、普通には売ってねぇものなぁ、畑」

 「そうなんじゃよ。新たな開墾じゃとまだまだ足りんじゃろうさ」

 「そうなのか? ……大変だな」

 「わし以外は特に大変でもないようじゃがの」

 というカンイチの言葉にぐるり見渡すジップ。

 ニヤリと笑うのはガハルト。ダイインドゥ一家も頷く

 「まぁ、ガハルトだしな。でも、アールカエフ様はしんどいのだろう? エルフ族とダンジョンって相性悪いと聞くもの」

 「そうなのよ! ジップ君! お日様もないし、風もなし! でも、カンイチの愛はある! 残していくのは心配だから一緒に来いって! 僕たちはダンジョンで死ぬのも一緒よ?」

 「お熱いですねぇ~~アールカエフ様、カンイチも幸せだな! おい!」

 「わしはダンジョンで死ぬ気はこれっぽっちもないがな。畑耕して、お天道様の下で死ぬんじゃ」

 「そうかよ」

 ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ