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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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聞こえていますよぉーー (畑の行方)

 ……


 「それでカンイチぃ~~。お金はどれくらい溜まったんだい? もう畑買える?」

 「う~~む。それな~~。ちと困ったことに皆、金子なんぞは要らんというんじゃ。盗賊らから奪った金貨やらもけっこうな額あるのじゃがのぉ……。好きなだけ畑を買えとの。それと、褌やらの特許の金もたんまりと振り込まれていてのぉ……。わし、びっくりじゃわい」

 と、少々困った顔のカンイチ

 「ほ~~ん。まぁ、皆、自由に使える金子は十分あるし。あとはそれこそ、住むところくらい? うん? そういや、前にダンジョン賊を退治した時の権利ってどうなったんだ?」

 「さてな……。わしらもすぐにオーサガ君を送りに出てしもうたからなぁ。有耶無耶になっておるの」

 「だろう? 只でやるわけにはいかないだろ? 後でダリオン君にでも聞いてみるか……」

 「ま、お国の法もあるだろうて」

 「それでも只はなかろう。ま、どのみちダリオン君に聞いてだね。そうねぇ~~金子ねぇ。親方一家は鉱物やら宝石の現物持って行くし? ガハルト君のところはダンジョンに潜れればいいだろうし? 僕も特にはいらないし? フジ殿も?」

 「アールは魔石やら貴重な品、高いものばかりもっていくじゃろに……」 

 と、ぼそり。

 「うん? 何かね? イザーク君は……金子よりもお嫁さんだね! いないけどぉ。はっはっは!」

 「こ、これ、アールよ……」

 「聞こえていますよぉーー!」

 と、すこし離れたところで犬たちの世話をしていたイザークが大声で応える

 「おお?! イザーク君! 僕らエルフより耳がいいんじゃない? こりゃ、驚いたわ! はっはっはっはっは」

 「アール様ぁ!」

 「しょうがないのぉ。で、畑……買えるじゃろうか? その辺りはどうじゃ? アールよ。ガハルトらもまだまだダンジョンに潜ると言うとるしのぉ。それに付き合わねばなるまいなぁ。金子だけもらってあとはご勝手にというわけにもいかぬじゃろ」

 「そうねぇ~~。畑かぁ場所にもよるんじゃない? てか、今の畑は大体がお貴族様やら国が持ってるから簡単に売らんと思うし? それに、ダンジョンはどうしても”収納”に頼るところが大きいからねぇ。マジックバッグがあるとて、もう水とカラカラの干物だけってのは無理だろ?」

 「飯やら寝床やらもあるでなぁ。そうよなぁ。畑、土地は財産じゃものな」

 「村造るにはまだまだ足りないんじゃない?」

 「い、いや、村は要らんが……。ちょうどいい大きさの畑、どこかに売ってないかのぉ」

 「じゃぁ、オーサガ君のところに世話になるのが一番さ! 村の一つや二つ、ただでくれるだろう。カンイチは帝国の世話になるのはイヤだろ?」

 「ううむ。そうなぁ……。が、しばらくはダンジョンで金子集めじゃなぁ」

 「ま、どうせ買うなら大きな畑買えばいいじゃん。農具とかも注文しておけば? そうそう! 親方得意の”爆火玉”とかもさぁ。どうせ変なところに畑つくるのだろう? カンイチは?」

 「……いやさ、好き好んで変なところに畑を買うつもりもないがの」

 「そうなん? カンイチ?」

 「そりゃぁそうじゃろうに」

 「金子かぁ。ま、自由に使えるし? イザーク君だってけっこうな額の金子をもってるだろうし? 好きに活動できる環境だからいいんじゃない? 人生、金子だけじゃないさ! カンイチってば金子の亡者だね?」

 「……おい。まぁ、どうせなら大きな畑は欲しいがのぉ」

 

 犬たちの世話が終わったのだろうイザークがこっちに

 「で、カンイチさん。候補地は決まってるんです?」

 「そいつも決めたいが今は動けんじゃろう?」

 「それもそうですねぇ。ガハルトさんも親方たちもダンジョン好きですし?」

 「イザーク君はどうかね? カンイチは気にせず言ってみたまい? さぁ! 心の声を!」

 「お、大げさですって、アール様。でも、俺もダンジョン好きかも?」

 「だろう? 脳筋とドワーフはダンジョン大好物だものね!」

 「お、俺? 脳筋?」

 「そりゃそうだろう? 脳筋でもなければ『冒険者』なんかやってないだろう? ま、今のイザーク君なら食堂一択?」

 「食堂かぁ~~。いいなぁ」

 「だろう? 不定期で屋台でもやるかい? 僕も応援するよ? 看板娘? いいなそれ!」

 「……アールが店先に立ったら誰も客、こんわい」

 「……ですね」 

 「どういう意味だい? 君たち……」

 「まぁ、アールはおいといて――」

 「ずいぶんとぞんざいだね!」

 愛はないのかとブツブツと愚痴るアールカエフ

 「イザーク君、必要なものやら、欲しいものはあるかい? 金子は足りとるか?」

 「ええ。武具の心配は無いですし。鍋なんかも作ってくれますし? 住むところだって」

 「そうだろう、そうだろう。あとはお嫁さんだね!」

 「お、おぅぅ……」

 「これ――。イザーク君だってけっこうな優良物件じゃろうに。言い寄って来る娘っ子はいないのかの?」

 「い、いえ、言い寄ってくるのはちょっと……。いかにも財産目当てじゃないですかぁ。もっと、清楚な感じの……」

 「ん? 僕みたいな感じ? の……なにかね! カンイチ!」

 「……なにも言っていないわい。ふぅん。清楚のぉ。イザーク君の好みははのぉ」

 「どれ! 僕が探してきて進ぜよう! テルルちゃんみたいな元気で可愛い娘?」

 テルルの名を聞いて”ぶるり”と身を震わせ、目を伏せるイザーク。

 彼とカンイチの脳裏には大きな肉きり包丁を握り、片手で巨大なキングフロッグの足を引っ掴みぶら下げ屹立する【フィヤマ】の肉屋の女将、女偉丈夫の姿を。

 「アール様、俺、けっこうです……。自分で見つけます」

 「うむ……獄卒殿じゃぁのぉ……」 

 「うん?」

 ……


 ……

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