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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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生き残ったんだよ (地面を踏みしめて)

 地上への生還を果たしたカンイチ一行。

 門を守っていた帝国軍の兵士に責任者である、アカジン将軍の到着まで時間をくれと請われる。

 その要求を受け入れる。


 「やはり、すんなりと出られんようじゃなぁ」

 と、交渉から戻ってきたガハルトに呟くカンイチ

 「そりゃ、カンイチ、話の一つ二つは聞かれるだろうよ。なにせ、俺たちは”溢れ”をダンジョンの中で乗り切ったのだからな!」

 当たり前だろうが、と、ガハルト

 「そうそう! 生き残ったんだよ。オレたち。それにダンジョンから出てきた手続きもあるしね」

 と、サディカ

 「そんなのあるのか? サディカさんや」

 「え? カンイチさん、入るとき届け出したでしょう? 無事に帰ってきたか照合するんですよ。半年? 一年? その冒険者の実力? まぁ、その辺りの基準はオレにはわからないけど、それで帰ってこなければ”死亡”扱い。この町が地元なら親族。他所者なら『冒険者ギルド』。大きなチームは『商人ギルド』にも通達が行くんですよ。ほら、スポンサーとかあるんで」

 「ほ~~ん。はて? 前に潜ったとき、わしら、そんな手続きあったかの? ガハルト?」

 「うん? ああ、前はオーサガ王太子の件があったからな、こっそりだしてもらっただろうが。アカジン殿がいたから良かろうよ」

 「でも、そんなにかからないと思うよ、カンイチさん。ダリオン様やティーター様が迎えに来たらすんなり通れると思うし」

 「まぁ、決まりなら従うで。リンドウたちも無事と聞いてるでな。慌てることもあるまいさ」

 「いや! カンイチ! 慌てるべきだろう! 僕、お腹、減り減りだぞ? リンドウたちつれて速攻、『リンギーネ』に行かねば! そうだろう?」

 「いや、わしはそんなに減っておらんぞ。うん? さっき、フジたちと燻製食ってただろうに?」

 「そうだっけ?」

 と、首を傾げるアールカエフ。おやつにもカウントされていないようだ。

 「いや、アール殿の言う通り! ここは急がないとな! ねぇ、アンタ!」

 と、ディアン

 「まぁ、気持ちはわからんでもないがな。酒は逃げんで……ディアンよ」

 「……しょうがない母ちゃんだな。明日から土産話を肴に毎日宴会が待ってるだろうに?」

 と、少々、呆れた様子の父、娘

 ……


 詰め所の一室を借り、お茶で一服。その間に『迷宮ギルド』の職員がやってきて、ダンジョンから生還した手続きが行われる。

 カンイチたちを信じられないといった目で見る職員たち。色々と聞きたいこともあるだろうが、相手はアールカエフ。そして周りには帝国軍。手続き終了とともに、すごすごと部屋を出ていった。

 

 お茶、軍の用意してくれた焼き菓子を手にくつろいでいると、

 「ご無事のようで何よりでございます。アールカエフ様」

 と、軍の統括、アカジン将軍が部下を率いてやって来た。

 

 「ただいま! アカジン君! リンドウたち、ありがとうね!」

 「いえ。それで少々、話を伺っても?」

 「少々なら? 僕、お腹へってるし? ここでたら、チームのご苦労さん会だし? そうねぇ、ダンジョンの話だったら明日にでもイザーク君とサディカ君に聞きたまい。僕たちに聞くよりも、う~~んと、わかりやすいよ?」

 「ああ、そのほうが何倍もいい。イザークはウチの広報だしな。貴殿の時間も短縮できるしな。はっはっは」

 と、ガハルト。イザークとサディカがペコリと頭を下げる

 「……うむ。で、ウチのアカマチらは? ……一緒ではないのか?」

 「連中と会ったのは24階。軍の連中だけじゃなかったからな。俺たちには見せたくないものも多くある」

 と、ガハルトが答える

 「……そうだな」

 「書面にあったろう? 安全確認事態は終わったと。協力してる冒険者たちの小遣い稼いだら戻ってくるだろう」

 「……うむ。明日から門を開けようと思う。……それでだ。書面にあった”茶””赤”色の個体についてだが……」

 「ん? その辺りも明日でいいかい? 僕たちは”報奨”とか”名誉”なんてものも要らないし? 今日のところはさっさと通してほしいのだけれども? お腹へったし? うん? ダリオン君たちが来たみたいだよ?」

 と、詰所の部屋からは見えない、大扉の方に目を向けるアールカエフ

 「ずいぶんと早いの」

 「そりゃぁ、僕の友の精霊さんが動いたんだ。精霊使いなら感じるだろうさ。話の続きは明日ね! よぉぉし! お疲れさん会だ! 久しぶりのご馳走さ! うん? アカジン君も招待するよ? 君もここの処ところ忙しかっただろう? 栄養付けなくっちゃ!」

 「……い、いえ。……私にはまだ職務があります故」

 「うん? そう? じゃぁ、アカマチ君たちが上がってきたら、皆で宴会しようよ! ご馳走しちゃうよ! カンイチが?」

 「おい……」

 と、そこに、

 「将軍! ダリオン様、ティーター様がおみえに!」

 慌てて入ってきた兵士

 「……むぅ」

 一瞬だが顔をしかめるアカジン。まだ、挨拶程度しかしていないのにと。

 ……


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