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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
452/520

よし! ここは俺が…… (帰路へ)


 ……


 「よぉし! 今日から地上へ帰還せようと思うが、何かあるかの?」

 朝食後のミーティング。

 待機中も一体も現れないコウモリ男。いよいよ今日から退却が始まる

 

 「特にはないがな」

 と、ガハルト

 「地上が心配だから早く帰ろう」

 と、サディカ

 「うむ。採取、採掘も程々にな」

 と、ダイインドゥ。ディアン、ミスリールも頷く。

 「僕? 特になにもないよ? 早くお日様に会いたいね」

 と、アールカエフ

 「俺も特には。地上にでられない……っていうのはないですよね?」

 と、イザーク

 ”溢れ”であれば、すぐさま地上の頑強な隔壁、鉄門は閉じられる。内側から開けることはほぼ不可能だ

 「わしらでも今から昇れば地上まで20~30日かかろう。それくらいあれば封鎖されていたとて、もう開いてるじゃろ」

 と、ダイインドゥが応える

 『なぁに。その時は我がこじ開けてやるわ! イザークよ!』

 「は、はいぃ?」

 「フジよ……。そうならぬように祈るがの。それじゃ出発するかの。帰りとはいえ油断せんようにの」

 {おう!}


 ……


 帰路40階


 「ほ~~ん。帰りは”試練の間”を通らずに……か。ただの通路かと思ったが、けっこう広いのぉ」

 40階の帰路ルート。往路は”試練の間”を通り、力を示さねばならぬが。復路はただ通過するのみ。

 広さもそこそこあり、魔物の影もない。

 「うんむ。この広間には採集物も採掘場もなさそうじゃなぁ」

 と、壁の所々に”採掘ポイント”や異常がないか見て回るドワーフ一家。

 「ケチ臭いの」

 と、すぐに悪態をつくカンイチ

 「本当に”溢れ”で、予算が尽きたのじゃないか、カンイチよ?」

 「知らん。が、何回か潜らねば畑は買えんなぁ。またぞろこの穴蔵に潜るのか……」

 「おいおい……まだ地上にもでていないというのに。早すぎるだろう、肩落とすの」

 ため息つきながら、もう次のダンジョン攻略にげっそりするカンイチ。それに呆れるガハルト。

 「そうじゃな。畑、買わんとの!」

 「そうそう、その意気だ!」

 その様子を冷めた目で見てるイザーク。そんなに嫌なら帝国に貰えばいいだろうと。口に出さないのはガハルトに睨まれるからだ。余計なことをいうなと

 「ま、放っておけばいいって! イザーク君!」

 「そ、そうですね。アール様。それにしても帰り道は寂しいものですねぇ。門みたいな構造物もなし。彫刻のような装飾品もなし。扉も。ただの通路ですね」

 「でも、ここなら野営もできそうじゃん? 魔物もいないし?」

 「それ、いい考えですね」

 「うん? アールよ。もう眠くなったのかの?」

 「失敬だな! 出発したばかりだろうに! とっとと行くよ!」

 と、少々お怒りのアールカエフ。

 「どうしたんじゃ?」

 「うん。今のはカンイチさんが悪い」

 ……

 

 38階


 「おう! ”土”ゴーレムか! これで、”溢れ”だかも終息。ダンジョンも平常化したとみていいかの! 親方!」

 「かもしれんの。が、相手はダンジョンじゃ。油断はできんがの」


 38階層に入り、暫し。

 待望の魔物の姿を認める。イレギュラー、”溢れ”の主役だったコウモリ男(仮)ではなく、地図にも記載のあるレギュラーの魔物を


 「よし! ここは俺が……」

 『うむ! 行くぞ!』

 「……」

 剣を握り歩みだすガハルトにフジが待ったをかける

 

 ”ぅおおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”

 走り出すクマたち

 

 「……」

 そして、立ち尽くしクマたちを見送るガハルト、その背中に

 「ざんねぇ~~ん! 父ちゃん”土”ゴーレムの順番から外れてるだろ! 忘れたか!」

 「な!?」

 「ま! オレたちがどんどん強くなるからな! 見ていろ、父ちゃん! なぁイザーク! はっはっは!」

 「ぬぬぬぅ」

 ぎろりと、イザークに睨みの視線を飛ばすガハルト

 「ひ! あ、あんまり煽っちゃ駄目ですよ、サディカさん……」

 そして今度はぐいん! と、カンイチに向き直るガハルト

 「……カンイチよ」

 低い声ながらも、すがるようにカンイチを見つめるガハルト

 「知らん。自分で交渉すればよかろうよ」

 「むむむ……」

 毎度のことだと他のメンバーは笑っているが

 ……


 このような調子で出遭う魔物をすべて駆逐しつつ、登り階段までの最短ルートを進んでいく一行。但し、地図ルート上にある近場の採掘や採取ポイントにはしっかりと寄るが

 ダンジョン内の魔物もカンイチらの憶測とおり”溢れ”は終息したか、地図にある魔物と同じ。件のコウモリ男(仮)の姿を見ることはない

 


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