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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
448/520

全部ブッコんで? (また大きくなった?)

 ……


 遠征から戻ってきた従魔隊の労をねぎらう

 フジのブラッシングを終え、次はシロ。濡れタオルでワシャワシャ拭いていると、

 「うん? シロよ、一回り大きくなったか? のぉ、イザーク君?」

 隣でクマをブラッシングしているイザークに問いかけるカンイチ。首に手を回したときのボリュームで気付いたようだ

 「ええ。この”溢れ”で首輪の調整穴ふたつ分は。足も太く逞しくなりましたよ。まだまだ大きくなるのかなぁ? クマたち」

 「なんと……。世話をイザーク君に任せ切りじゃから気付かなんだわ」

 「ふふふ。三頭並んでいたら見ただけじゃわからないですよね。皆、大きくなってますからね」

 「そうじゃな……。まだ大きくなるのかい? シロよ?」

 

 ”ぅをぉん”

 「……ま、ほどほどでお願いするのぉ、シロよ」

 

 ”ぅをぉん?”

 シロにブラシをいれていくカンイチ。

 「? うん? ダンジョン内だから、そんなに汚れはせんと思うが……」

 シロの毛が綺麗なことに気がついたカンイチ。毎日、ブラッシングはしているが。

 真っ白なシロの毛を手でかき分けてみる

 「ブラシにも抜け毛がつかんな」

 ブラシとシロと視線が行ったり来たり

 「ええ、カンイチさん。クマだけでなくハナ、シロも”洗浄”使えるようですよ。抜け毛もどこかにいってしまうようですよ」

 「……そりゃすごいの。毛も少し伸びたで。綺麗に保てるに越したことはないがな。ブラシの入りもええの」

 「そうなんですよ。濡れタオルで拭かなくてもいいくらいに」


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”

 『拭いてくれ!』 『ブラッシングしてくれ!』 と言わんばかりに吠えるクマたち

 

 「うんうん、わかっている。わかってるよ。俺も楽しいし。気持ちいいもんなぁ。俺達が風呂入るみたいなもんだもの。上に帰ったらもっと硬い毛のブラシ買おうなぁ」

 とブラッシングを再開するイザーク。その風景を見てうんうんと頷くカンイチ爺さん

 「うん? どうしたのさ? カンイチ。また目頭熱くして? なにかいいことあったのかい?」

 「いやの。ところでアールよ、体調の方はどうだ?」

 「うん? まぁ、ずぅ~~と、倦怠感はあるさぁ? やっぱし、お日様は大事だね。……。うん? 僕の叡智と、カンイチの魔石と財力を全部ブッコんで、強烈に明るいランプでもこさえるか! 太陽のように明るいの!」

 「……なんでわしの財力なんじゃ? それに魔石は皆、アールにやったぞ」

 「夫婦だし? 僕、今回のダンジョン何もしてないし? 分前ないし?」

 「そんなことない。……いるだけでいいんじゃ、いるだけで……」

 後半はボソリと。耳の良いエルフには届いたようだ。ニッコリとカンイチに笑顔を向けるアールカエフ

 「なんかいってるぞ……クマ。ああいったイチャイチャは地上でやってほしいよなぁ、なぁ」

 と、隣でブラッシング中のイザーク君。彼にもしっかり聞こえていたらしい。クマに語りかける 

 

 ”ぅおん……”

 イザークに同調するように吠えるクマ

 「んもぉう! いい雰囲気だったのにぃ! イザーク君! クマ、いつもイザーク君の味方だね!」

 

 ”ぅおん!”

 「お、おぅ……」

 『そうだ』と応えるように吠えるクマ、そして怯むアールカエフ

 「そ、そうな。アールよ、ランプをこさえるのはいいが……爆発せんか? このダンジョン内の細い通路じゃ、わしら全員、木っ端微塵じゃぞぉ?」

 「失礼だな! カンイチぃ! 爆発しないさ? きっと?」

 なんでいつも肝心なところが『?』なんじゃと肩を竦めるカンイチだった

 ……


 「本当に減らぬのぉ、蝙蝠男は。40階以降の採掘、楽しみにしとったのじゃがなぁ」

 サディカのバスターソードを整備しながらつぶやくダイインドゥ。

 「ま、下りてきた時、少しは”採掘”できたし? 今回はミスリルがぜんぜんでないな、親父」

 鉄の矢の歪みを直すミスリール。矢は怪物が消えた場所で回収できる。

 「うむ。この”溢れ”で本当にダンジョン殿の予算が尽きたかの」

 「そうだったら、ほんと、迷惑だわ」

 「ま、まだまだ潜る機会もあるだろうよ」

 「でも、親父、師匠は金子いくらいるんだ?」

 「さてなぁ。はっはっはっはっは」

 ……


 「父ちゃん! ”茶”が出たぞ! ”茶”!」

 警戒というよりも歓喜。嬉しそうな声を上げるサディカ

 「くっくっく。うまそうだな。丁度のどが渇いていたところだ」

 にやりと凶悪な笑みを見せるガハルト

 「オレが先だ!」

 「ついてこれるか! サディカ!」

 ……

 

 「脳筋親子はほんと元気だね……。僕は羨ましいよ」

 

 ”茶”コウモリ男を目指し、競いながら取り巻きの並個体を斬り伏せていくガハルト、サディカ親子。日常の景色になりつつある。


 床にいようが壁にいようが、天井だって。リーチの長いバスターソド。飛びかかってこようものならドワーフの名工が丹精込めて作った刃で両断だ

 

 「また強くなったかガハルトは。もはや人の動きじゃぁないの」

 「とにかく”目”がいいからね。ガハルト君は。それに脳筋大王だ! 脳みそも筋肉だから視認した情報を即、体の筋肉に伝えることができる!」

 「……もうそりゃ悪口じゃぞ。アールよ」

 「そう? 褒めているのだけど? サディカ君も連戦に次ぐ連戦! 脳筋大王への道を着実に歩いてるねぇ」

 「でもまぁ、娘と一緒に暴れられてガハルトも嬉しそうじゃて」

 「強ければ誰でもいいんじゃない? アレ」

 「……台無しじゃのぉ」

 ……

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