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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
442/520

ブッサイクじゃん? (予兆)

 ……


 「ふぅむ……。おかしいのぉ。地図の記載によればここらの出現モンスターはゴーレム系と書いてあるが……」

 訝しげに手元の地図に目を落とすダイインドゥ

 「本当だ、親父、アレはなんだ?」

 「うん。全然ゴーレムに見えないね! なんともまぁ、ブサイクなコウモリ人間? かといって被膜もなし。羽ないし? 飛べそうもないけど? なんか、ヌルっとしてる皮膚感が嫌だね……」

 アールカエフの遠見で、カンイチの目が届かないところまで見ることができる。

 「昨日は全然おらんかったのにのぉ」

 チラ、と、前方、今もコウモリ男と戦う仲間をみる。

 「さて……。一応、仔細を書き留めておこうか、後世の参考になりゃいいでな」

 と、画板を引っ張り出し、新しい紙を挟み、新たな敵の姿形を写していくダイインドゥ、ミスリール親子。

 ”しゅしゅしゅ!”と、紙に筆を走らせ、特徴を正確に写していく

 「おぅ。本当にブッサイクだな! あれだけ耳が大きければ……蝙蝠のように音波を出してるのか……。鼻も大きいし……。その割にはガハルト君の攻撃がバカスカ当たってたな。まぁ、ガハルト君も大概、化け物だけど? ふ~~む。記録にない魔物かぁ」

 「アールよ。そう、不細工、不細工と……」

 「だってそうじゃん? ブッサイクじゃん? 僕のほうが何十倍も可愛いだろう?」

 「ま、まぁ、そうですけど、アール様……」

 「……」

 「なんだい? その沈黙は! カンイチよぉ!」

 ……

 

 ミスリールの放った矢の威力が壁に張り付いていた蝙蝠男を引き剥がし、靄へと変える

 「よし! 7匹目ぇ! ガハルト殿、まだ5匹だろ。オレの勝ちだな!」

 と、自慢のアーバレストを掲げるミスリール

 「ぬぅ! よし!」

 と、駆け出そうとするガハルトに

 『ガハルトよ。順番だ。引っ込め』

 

 ”ぅおおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”

 

 「は、はいぃ」

 蝙蝠男討伐に参加しているのはガハルト、ミスリール。そして従魔隊だ


 「お! また来たぞ! 一匹もらいだな!」

 「うん? 後方(背後)からも来たぞ!」

 「囲まれるのもアレじゃの。どれ」

 ”収納”から、銃剣付きの散弾銃を引っ張り出すカンイチ。

 

 ”ずどぉーーん!” ”ずごぉーーん!”

 

 通路にバラまかれる鉛玉。後方から接近してきたコウモリ男、4匹が消える。


 「ひ! ひぃ! す、凄い音ですね! み、耳が……」

 と、耳をふさぐイザーク

 「すまなんだな、イザーク君。しかし、ワラワラと……」

 「うんむ。これは一種のダンジョンの”溢れ”とも言えるかもしれんの。カンイチよ」

 と、ダイインドゥ

 「ほぅ? それは? 親方」

 「ほれ、記録にない魔物、数じゃ。普通の『攻略者』のチームじゃこれだけの(魔物の)数は対処できまい。このチームは別じゃがの」

 「じゃぁ、アンタ、少し間引いたほうがいいのかい?」

 「さてな。どうするかじゃな。別に放って逃げてもよし。どこまで上がってくるかもわからんで。地上に出ればお国の案件だろうよ。どうする、カンイチよ」

 「ふぅむ」

 と、考え込むカンイチ。対して、

 

 『であれば、尽くを殲滅だ! こんなに効率よく”魔素”を得ることもできまい! 我らは遊軍として動く! 征くぞ! ハナ、シロ。クマはここを頼む! ゥオォォーーン!』


 ”ぅわん!” ”ぅをん!” ”ぅおん!”


 一声吠えるとハナ、シロを率い、ダンジョンの闇に飛び込んでいってしまった。


 「フジ……。よし、後方は任せよ! 前方はガハルト頼む! 親方、袋小路に撤退したほうがええかの?」

 「本来であればそうじゃが……な」

 「問題あるまいよ! ぐろろろろぉぉぉーーーーーー!」

 得物をトンファーからバスターソードに変え、コウモリ男に突っ込むガハルト。一太刀で真っ二つに割る。

 「父ちゃんの補佐はオレが!」

 と、こちらもバスターソードを引き抜き、ガハルとのもとに駆けていくサディカ。

 「間引きは任せて!」

 と、矢を放つミスリール。

 ……

 

 「では、ワシらは後方に備えるかの」

 「ああ、アンタ!」

 持久戦を見越してか、鉄兜を被り両手に大きな得物ではなく小型の鍛冶用ハンマを握るダイインドゥ夫妻。

 クマも後方組に加わるようだ。

 「来たようじゃぞ!」

 「どれ、ワシが一発撃ち込むで、それで殲滅を!」

 と、散弾銃を構えるカンイチ

 「「おうよ!」」

 ……

 

 「な、なんか凄いことになりましたね……アール様」

 最後の盾、カンイチにアールカエフを託されているイザーク、ナイフと十手を構え戦況を見守る

 「うん。もぅ、皆、脳筋だしぃ? 仕方ないさ? どら、近くの袋小路に少しずつでも移動しようか。”魔素”を食って取り入れて、常に回復してるクマたちと違って、さしもの脳筋大王のガハルト君だって体力は有限だし? うん? ひょっとして、ガハルト君てば回復してる? もはや魔物?」

 と、顎に指を当て考え込むアールカエフ

 「そ、それはないと思いますけどぉ。いくらなんでも?」

 とはいうものの、全然、動きの勢いが落ちないガハルト。その様子を見てさしものイザークも首を傾げる。本当に魔物かと

 「よし! 少しずつ移動しようさ。僕が動けば、戦場もついてくるでしょ? で、どこが近い?」

 「そうですねぇ。野営したところでしょうか? 直線ですし、撤退もしやすいかと」

 「うむ! 採用! じゃぁ、撤退だ! 皆の衆! 少しずつね! ガハルト君! 殿しんがりは任せるぞぉ!」

 ……

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