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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
439/520

何か問題でもあるか? (宝箱発見)

 ……


 「皆の衆、ご苦労じゃったの」

 と、労うカンイチ

 「す、すごかったです! 親方!」

 鼻息の荒いイザーク。


 「う~~む。ゴーレムは消えてしもうた。持っていたエメラルドの武器も盾ものぉ。残ったのはこいつじゃ。これでも十分以上のお宝じゃがの……」

 と、先ほど入手したエメラルドを披露する。拳大の四角い巨大な結晶だ

 「だが、親方。あれだけの巨体。全身ドロップするほうがおかしかろうよ? 畑はたんと買えるじゃろうが」

 「うむ。そうじゃな。ダンジョンが赤字になってしまうじゃろうよ」

 ”はっはっはっはっは!”

 それもそうだと笑いがおこる。全身ドロップ。何カラットになるやら

 

 「こっちも今回は全身ではなくて、銀の延べ棒だったよ親父。50~60kgくらいあるかなぁ」

 と、ミスリール

 「ああ、こちらもだ。30階のは全身だったがな」

 と、ガハルト

 「おぅん? あれで予算が尽きたのじゃろか?」

 「かもしれないねぇ。ん? 先に進む扉が開かないねぇ。まだ出てくるかもわからない。警戒を!」

 と、ディアン。

 「おうさ!」


 すると石柱が光り、

 宝箱を吐き出す。


 「お? おお! 宝箱らしい宝箱じゃな!」

 

 海賊映画に出てきそうな形状の宝箱に興奮するカンイチ。大きさも今までの宝箱の中でも最大だ。いやがおうにも期待は膨らむ。


 「そうなんです? カンイチさん」

 「今までのは木箱やら、りんご箱みたいなものじゃったろ?」

 「そうです?」

 と、首を傾げるイザーク。別に箱などどうでも良かろうと。どうせ開けたら消えちゃうのだし

 「じゃぁ、罠みるねぇ~~」

 

 カンイチの言うところの、”宝箱らしい宝箱”のおかげか、いつものようにあっさりと解除とはいかず、ディアンも加わって取り組むことに。さすが細工師のディアン。その指先も滑らかだ


 「これでいいだろう……。解除成功!」

 と、ミスリール

 「ふぅ……。罠の解除に重ねるように罠……手が込んでるな。これで中身、空だったらオレ、暴れるぞ」

 と、ディアン

 「暴れられても困るで。じゃぁ、早速、ディアンさんや開けとくれ」

 「いいのか? カンイチ?」

 「いいの? 師匠? 宝箱らしい宝箱でしょ?」

 「ま、誰が開けてもかまわんじゃろ」

 どうせ、プールするのだし。開けるわくわく感を皆で共有するために順番にしてるに過ぎない。

 

 「どれ、どれ! ”ぱかり!” ううん? 背負い袋? も、もしや、マジックバッグか?」

 宝箱から出てきたのは青い背負い袋、所謂リュックサックだ。大きさも邪魔にならないようにか、子供用のように小さい。

 普通のパーティであれば拍手喝采! 歓声もあがるが、このチーム。沢山のバッグを所有してる為か感動が薄い。

 

 「ふむ。性能(容量と時間の経過)如何、じゃな。検証せようか」

 と、手に取り、調べていたダイインドゥ。そこに、

 『ふむ……。今まで以上の存在を感じるが。どれ、我が使おう!』

 と、フジ

 「はぁ? フジ? こいつを背負って歩くのかの?」

 フンフンとバッグの匂いを嗅ぐフジ。気に入ったようだ

 「相変わらずオシャレだねぇ。フジ殿は」

 『何か問題でもあるか? お爺?』

 「で、フジよ。どうやって物の出し入れをするんじゃ?」

 『特段、腕を突っ込まなくともよかろうに? 其の方らだってバッグに物や獲物をいれる時、かざしているだけだろう。どれ、貸してみよ。あとはなにか適当なものはないか? そうだ。干し肉の入った麻袋をだせ』

 「お、おう?」

 ディアンが背負い紐を調整しフジに背負わせる。カンイチが出した干し肉の入った麻袋に手を置くと”ぱっ!”と麻袋が消える。で、”ぱっと”現れる。

 「こ、こりゃたまげたの」

 『うむ。これで飢えることもあるまいよ』

 と、再び干し肉袋を仕舞う。

 『もっとだせ』

 「そ、そりゃ、構わん……が。リック(リュックサックのこと)背負ってると、もうイザーク君を乗せられぬのぉ」

 「……カンイチさん」

 なんとも残念な視線を向けるイザーク

 『乗れようが! 我が駄目でもクマが乗せる。問題あるまい? うむ……少々、座りが悪いな』

 フジが体を揺すると、背のバッグは左右にずれる。

 「では、腹に回す帯でも付けましょうか、フジ様」

 『うむ。頼めるか。ディアンよ』

 「ふぅ……。こういった次第となったが、ええかの? 皆の衆」

 「ああ、問題なかろう。フジ様なら守る力もあるしな」

 「はい。フジ様ならば」

 「うむ。分け前を得る資格だって十分にあろうさ」

 と、満場一致。このバッグはフジのものとなった。

 「どれ、扉も開いたで、先に行こうかの」

 ……


 せっかく下りてきたのだしと採取と採掘に精を出す面々。今回の攻略はここまでだからと


 「はぁ……41階かぁ。すごいですね、サディカさん」

 「ああ……オレも初めてだ……イザーク。初めてでここに来ちゃうんだもの。”収納”って凄いよなぁ。飯も腐らねぇし」

 「ここに居る皆、初めてじゃがな」

 「そうですね、親方……」

 「”採掘ポイント”頼むぞい。その”収納”様で皆、持っていけるんじゃ。今日はこの後、野営したら帰還じゃからな」

 「了解です!」

 ……


 「何もいないな。カンイチがいうように予算が尽きたか?」

 「さてな。ま、何も出ないに越したことがないがの」

 と、フジたちに続き、前をゆくカンイチとガハルト。

 「ま、脳筋の誰かさんはつまらぬだろうがな」

 くるくる、ぶんぶんと、トンファーを回すガハルトをチラと見る。

 「ふん」

 「お~~い! カンイチよぉ、採掘するで止まってくれ」

 「おうよ。親方。ガハルト、待機じゃと」

 ……

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