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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
437/520

綺麗だねぇ! (40階 試練の間)

 ……


 40階の”試練の間”、その試験官は”鉄”ゴーレム3体。その内の一体をすぐさま引き倒し、貪るように食い尽くし、食い終われば別の個体へと襲いかかる。 


 ”ぅおおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 ハナとシロが牽制、そこにクマが体当たり。重量にかなりの差があるはずだが、吹き飛んだのは”鉄”ゴーレム。

 ばったり倒れた鉄ゴーレム、その首元にガッツリ食らいつくハナ。シロが補佐するように押さえつけ、その間、クマが残った一体を牽制する。

 すぅと消える鉄ゴーレム。

 

 ”ぅおん!”


 クマの号令の一吠え。突っ込む三頭の魔獣。残り一体の鉄ゴーレムも両足をすくわれ、手足から貪り喰われる。


 「つ、強ぉ……。よ、よくやったね! クマ、ハナ、シロ!」


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 戻ってきたクマたちを両手を広げ迎えるイザーク。一頭一頭、怪我をしていないか調べる


 「あらら。カンイチの所にもう戻ってこないのね? クマたち……」

 「……う、うむ。そうな……」

 

 ――まぁ、イザーク君ならよかろう。……ちと寂しいがのぉ。

 と、犬たちと戯れる様子を好ましくも羨ましいとおもうカンイチ爺さん


 「ま! カンイチには僕がいるから! 安心したまい?」

 「そ、そうなぁ……」

 「嬉しくないのかい! カンイチぃ!」

 煮えきらないカンイチにお怒りのアールカエフ。この世界に来て、だいぶ柔らかくなったカンイチだが帝国男子、大正生れには少々ハードルが高いようだ


 「……これで、終わり……か? 30階のほうが……」

 カンイチとアールカエフが盛り上がっている? 一方で、がっくりと肩を落とすのはガハルト。試練の審査官の”おかわり”を期待していたのだが

 「ま! こういうこともあるって! 父ちゃん! はっはっは」

 「笑い事ではないわ! サディカ! うん?」

 そう言い終わらないうちに、


 ”ぅうおん!” ”ぅわん!” ”ぅぅぅをん!”


 と、クマたちが警戒の声を上げる。と、同時に再び石柱が輝きを発する!


 左右の石柱が吐き出したのは剣を持った”銀”ゴーレム。

 そして、中央の石柱からは、


 「わ! わわわ! こ、これって……親父!」

 「お、おぅ。こ、こんなのもいるとは……のぉ」


 ドワーフ親子も口をあんぐり。中央の柱からでてきたのは ”緑柱石の騎士” 大きな盾と長柄のバトルハンマを装備した、がっしりした大柄の騎士鎧の造形。エメラルド・ゴレームだ。

 

 「ぅひょぉ~~。綺麗だねぇ! カンイチ! エメラルド? こりゃ、全身ドロップすればカンイチの野望にもぐっと近づくね!」

 と、アールカエフ

 「こ、こいつはエメラルドでできてるのかの……」

 カンイチも目玉が飛び出るくらい驚いている

 「いや? まだ魔素だろ? 倒さないと? 居間に置く?」

 「いや……置けんじゃろ。こいつは皆のもんじゃ。わしの金子じゃ買い取れんじゃろ……。それこそ畑が振り出しに戻っちまう」

 「ま、勝たないとだし? ドロップしないとだし? 終わったら考えよう!」

 「そんで、誰が行くんじゃ? 親方――」 

 と、聞く前に、ドワーフ一家とガハルトが前に出る


 「ガハルト殿ぉ! ドワーフの誇りに賭けてここは譲れんな!」

 ずいと、真ん中。エメラルド・ゴーレムの前に進み出るダイインドゥ

 「だろうよ! 親方! ああ! 存分にその槌を振るうといいさ。俺は右のをもらおう!」

 と、ダイインドゥの右に陣取るガハルト

 「じゃぁ、オレたちは左だな」

 「ああ、母ちゃん!」

 ディアンとミスリールは二人一組で”銀”ゴーレムに当たるようだ

 

 ……

 

 両手にトンファーを構えるガハルト。

 相手は大きな巨体の”銀”ゴーレム。ゆっくりと剣を持ち上げ振り下ろすような斬撃

 ”ギャリギャリン!”

 踏み込み、相手の剣の柄に近いところで受けたとはいえ、肩を入れがっしりと受け止める。


 「ふふん。大したことないな」

 普段なら受け流すガハルト。

 

 「化け物め」

 その様子を見てつぶやくカンイチ 


 「ほうっておけ! ぐろろろぉぉぉ!」

 ぐん! と肩周りが膨らみ、剣を弾く!


 空いた脇腹に左右のトンファーを突き入れる。

 ”ガガガン!”  

  ”ガガガン!”

 銀ゴーレムの上体がブレる。相手はゴーレム、金属人形。幻惑など効かぬと無駄な動きは省き、確実に突きを見舞っていくガハルト。

 超接近戦。片手で剣を操るゴーレムの上段からの斬り落としも、どっしりと腰を落としたガハルトが左手一本。トンファーで止める。その隙に、右手のトンファーの突き、遠心力を利用した払い打ちが炸裂する


 「鉄よりも反応はいいようだが、まだまだ遅いな!」

 

左右の腕を大きく払い、トンファーを叩きつけていくガハルト

 ”ガガン! ガン! ガン!” 

 ガクン、ガクンと左右に揺れる銀ゴーレムの頭


 下から振り上げられるトンファー。その切っ先がゴーレムの顎をカチあげる。

 ”ガコォン!”

 真上に引っこ抜けるゴーレムの頭

 

 「うん? これで終わりか? ほぅ、頭が取れたくらいじゃ終わらぬか」


 ”ギギギィィ……”


 ゆっくり剣を振り上げ、振り下ろすゴーレム。頭がなくとも、ガハルトがどこにいるかはわかるようだ。だが、あからさまに動きが鈍くなる


 ”ギャリィィン”


 頭にかざしたトンファーに打ち合わせられる白銀の剣!

 頭上の剣をトンファーで払い、”銀”ゴーレムの右肩の付け根に連撃を叩き込む


 ”ガゴン!” ”ガララン!”

 肩口から外れた右腕が床をころがる

  

 左腕を引き絞るゴーレム、ごぅ! と繰り出されるパンチ。

 

 "ギャン!"

 クロスしたトンファーで跳ね上げる。

 右腕同様、肩口に連撃を叩き込む。


 "ガゴゴォォン!”

 落ちる左腕

 

 頭、両腕を失い立ち尽くす”銀”ゴーレム

 

 「まだ立っているのか。フン! フン! フン! フン! フン!」

 ”ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!” 

 

 全身鎧の胸当て、腹当ての隙間に連撃を撃ち込むガハルト。

 ワインの栓が抜けるように胸部が抜け落ち、床に転がる。

 ”ガンラ!” ”ガラガラァン!”

 ”ガシャァン!”

 立っていた下半身も倒れる

 ……    <つづく>


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