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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
436/520

鉄に噛みついておる (40階 試練の間)

 ……


 順調に40階までやって来た一行

 昨日はボス戦を控え早めに休憩にし、心身の回復にあてた。


 「う……わわぁ……。こ、ここが40階の試練の間……かぁ」

 30階の試練の間同様、入口となる門を見上げ、感激の声をあげるイザーク。


 「すげ……本当にここまで来たよ……」

 と、こちらはこのダンジョンで活躍していたサディカ。イザーク同様、そそり立つ門を見上げる


 「ふぅ……。30階の門と大して変わらんじゃろうに。それに試練じゃと? 何様のつもりじゃ。”お宝”も禄にださずにのぉ!」

 こちらも門を見上げ、溜息こきこきのカンイチ爺さん。お宝をよこせと文句がダダ漏れだ

 「いや、カンイチよ。ダンジョン攻略してるのだからもう少し気合い入れろ! くぅ~~! 楽しみだな! この門の向こうに何がいるのだか! だろう、カンイチ!」

 ぐぃと、腕まくりをするガハルト。

 「フン! ワシはどうでもええがのぉ、そんなもんは。わんさか宝箱が出るとええがのぉ」

 「カンイチよ……」

 「ま、師匠だし?」

 ……


 「でじゃ。ここのボスは、そこの彫像のようにゴーレム……地図にゃ”鉄”とある」

 と、ダイインドゥが口を開く

 「ん? 皆でいっぺんに入るに決まってるだろう親方」

 「ガハルト殿ならそうじゃろうの。ワシもその辺りの話がしたくての。伝説のミスリル・ゴーレムもいいがな」

 「そうじゃのぉ。ワシもそれでええと思うわ。分けるよりものぉ。最悪、ウチの魔獣様がどうにかしてくれよう?」

 『うむ。任せておけ。編成、数にもよるが、”鉄”まではこっちでいただくぞ』

 「む……」

 と、ダイインドゥ。クマたちが”喰う”とドロップは無しだ。

 「そ、それは……」

 こちらは言わずもがなガハルト。単純に敵が減る

 『それ以上の”銀”、初見のものは貴様らに回すのだ。文句はあるまい』

 「「はい……」」

 「方針は決まったようじゃの。それじゃぁ行こうかの」

 「ちょ、ちょっと、トイレにぃ」

 と、フロアの角に駆けていくイザーク君

 「しょうがないのぉ……」

 「早くしないと置いてくぞ! イザークよ! はっはっはっはっは!」

 ……


 試練の門を潜る一行。


 毎度のごとく石柱が輝き、試練の審査官なる怪物を吐き出す。

 黒光りする鉄の塊。”鉄”ゴーレムだ。その数、3体


 『ふむ。3体か……。数もちょうどよい。こちらでもらおう!』

 「な! こ、これで終わり……ってことはありませんよね? フジ様?」

 恐る恐るフジに尋ねるガハルト。

 『さてな。それこそダンジョンの都合だ。我の知ったことではなし! 再び湧くのを願うのだな。ガハルトよ! クマ!』


 ”ぅおおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 一斉に駆け出すクマ、ハナ、シロ。肩を落とすガハルトを残して


 基本戦略は”土”と同じ。牽制しながらも、三頭共同で相手にするようだ。

 後方で眺めているカンイチたちに注意が向きそうになれば、ちょっかいを出し、再び自分たちに注意を引き付ける。

 ゴーレムの対処は”土”ゴーレムと同じ。が、”硬度”がまるで違う。倒せるのかと心配そうに戦況を伺うカンイチ。チラと隣に控える司令官のフジを見る。

 

 『ん? 何ら問題ない』

 その言葉と同時に

 

 ”ずんがらがらん”


 ダンジョン故、床が抜けたり、地響きこそなかったが、盛大にたおれた”鉄”ゴーレム。その両足の脛にはハナとシロ。”鉄”の足にがっぷりと噛みついている


 「鉄に噛みついておる……」

 「どらどら! さすがにクマでも中空じゃないのだし無理だろ? 僕にもよく見せてくれたまい!」

 「ア、アール様! 危険ですよ!」

 「問題なし! イザーク君! ふむふむ。実に面白い! (ゴーレムが)魔素でできているからか? 疑似鉄? が、ドロップは丸々落ちるな。では、スキルなのか? ふぅむ~~」

 と、腕を組み、考え込むアールカエフ

 「どうしたんじゃ、アール?」

 「うん? なぜ、クマたちが噛みつけるのかと思ってね。そりゃぁ、魔獣だ。物理的にガブリ! というのもあるさ? が、ほら、徐々にうすれて、食われる。鉄としてよりも魔素と見ているのか。鉄の硬度がないようにみえるし?」

 引き倒した”鉄”ゴーレムに一斉に群がるクマたち。あれだけ硬い”鉄”ゴーレムの腕を楽々と引き抜く。

 本体からもがれた腕はモヤのようになり喰われる。

 「おぅん? ドロップのゴーレムは”鉄”じゃったぞ。のぉ、親方?」

 「うむ。間違いない」

 「だよねぇ。そこが問題なのよ? ダンジョンの関与がなくなるドロップ。そこで初めて”物”になるのだろうか? う~~~~ん。……。……。ま! ダンジョンのやることだし? どっちでもいいか!」 

 「アール……よ。どっちでもええのか?」

 「そもそも、どうにもならんでしょうよ? カンイチ君! ”魔素喰い”のクマたちだからとも言えるし? カンイチたちだと硬い鉄には変わらんよ? で、結果はクマたちが喰えばドロップはなし。何も残らないってね」

 「ま、そうじゃな。結果はかわらん」

 「だろう? カンイチのアーティファクトや、あのでたらめな”農業”のスキルはわからんけどね。鶴嘴で穴だらけにできそうじゃん?」

 「……ふむ」

 「試す価値ありますねカンイチさん」

 ……

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