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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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飲んじゃダメ! (オアシスはどこに?)

 …… 


 水場のある35階まで下りてきたカンイチ一行。 

 さっそくと手コップで湧水を汲むイザーク。口をつける直前、そこに待った! をかけるアールカエフ。

 ガラスのコップに湧水をいれ、試薬『ノメール君3号』を入れ、先程と同様の実験を披露するアールカエフ。水場の湧水は青から赤へと変わる。何某かの物質が入っているということだ


 「僕のこの優れた霊薬! 『ノメール君3号』によるとだね、ご覧の通り! この水は飲料に適さない! 飲んじゃダメ!」

 「でも、アールよ。ここは水場。皆、飲んでるんでるのじゃろ? のぉ、親方」

 「う、うむ。鍛冶師ギルドの地図にもちゃんと”水場”となってるが……の。しかし、飲料不可とな……ふぅむぅ……」

 と、地図に”飲料不可”と新情報として書き込むダイインドゥ

 「で、アール殿、毒か?」

 「う~~ん。ディアン君。死者が出たとは聞いていないから毒じゃないと思うけど? 僕の所見だけど、麻薬系だと思うよ? ある程度ここに滞在した連中はこの場に縛られる……とか? 逃さないように? それに、ここじゃ詳しい分析はできないし? 未知の成分、体に良いものに反応してる可能性だってあるし? 一応サンプルで上まで持っていくけどね。ま、今現在、わからんものは飲まないにこしたことないね?」

 「それはそれで怖いな」

 「そういった話って無いの? 親父」

 「ふぅむ……聞かぬの。そもそも近年はここまでくるチームも少ないでなぁ。昔はもっとダンジョンも活気があったで。その頃ならあったやもしれんが……。じゃが、『迷宮ギルド』の情報も『鍛冶師ギルドウチ』の地図も更新されてないでなぁ。知られてないのじゃろうの」

 「まぁ、水を節約しながら苦労してここまでくれば……。これだけ綺麗だ。疑いなく飲んじまうわなぁ」

 と、頷きながらディアン。 

 「恐ろしのぉ。これもダンジョンの罠ってことかいのぉ」

 「かもしれんのぉ」

 「水は”収納”にまだあるのだろう? カンイチ」

 と、ガハルト 

 「うむ。まだまだ大丈夫じゃ。たんとある。いくらでも入るでな」

 「僕の”収納”にもたんとあるけどね。最悪、カンイチの風呂の水に”洗浄”かけたげるよ?」

 「な! 風呂桶の水かの」

 「師匠の出汁がよく出てますねぇ。はっはっは。イザーク、スープでもこさえるか」

 「え、ええ!? カンイチさん味?」

 『いらぬな! 我の風呂の水のほうが幾分美味かろうよ』

 と、のそり。話の輪に入ってくるフジ

 「おん? フジもいたのかい。ここの水は飲んじゃだめだぞ。アールが言うに変なものが入ってるそうじゃ。クマたちにも伝えておくれ」

 『うむ? そうか。さすがエルフ殿であるな』

 「それほどでもあるけど? ほれ! カンイチ君も褒めてくれたまい?」

 「お、おう。さすがアール、ワシの嫁じゃわい!」

 「だろう! はっはっはっはっは」

 「ということは、この場に滞在する旨味は無しか。なぁ、親方」

 と、ガハルト。

 「うむ。そうじゃな。ワシらは馬車も並べるでな。突き当りの区画に扉つけたほうがいい。ここは広すぎるの。他のチームが来ないとも限らん」

 「それじゃぁ、飯食って進もうかの」

 「ああ、そうしよう!」

 ……


 「しかし、水場の水が罠ってのもよくできてるなぁ。ねぇ、サディカさん」

 「まぁな。でも罠を仕掛けるなら絶好の場所だよなぁ。魔物も来ない安全地帯だし……。即、死ぬような毒でもないし……。飲んだ感じも普通の水だしなぁ。冷たくて美味かったさ。特に体に異常もなかったしなぁ。もう、ビックリだわ」

 「ですよねぇ……」

 「こんな罠があるんだ。親方のいうとおり、昔はこの階層にキャンプ張って、先輩の方々は頑張っていたんだろうなぁ。オレだってマジックバッグ沢山持っていたらそうするものな。飯、大量に持ち込んで」

 「でも、何回か来てるんでしょ?」

 「ん? ああ、助っ人でなぁ。スポンサーの商人らが(マジックバッグを)貸してくれるんだよ。オレの場合、採掘が得意なチームの護衛でな。詳しい数はわからないけど、かなりの容量のものが数個あったなぁ」

 「へぇ~~」

 「高額な護衛料と、採掘品売却代から少し貰えてけっこういい稼ぎになるんだ」

 「……さすが”金”。華がありますね。俺なんか、薬草刈って……日銭稼いでた……。たまに猪? ふぅ……」

 と、数年前の”鉄”の時のお仕事を思い出したのか、肩を落とすイザーク。

 「ま、まぁ? ”金”だし? その分、命の危険もあるだろ? それなりの報酬もらわないとな」

 「……そ、そうですよね……。俺たち、猪がやっとだったもんなぁ……」

 「おいおい、イザーク……。今は違うだろう。いつまでもウジウジすんな! 女々しいぞ!」

 ”ばん!”

 と、サディカに気合を入れられる。

 『うん。まだ鍛錬が足りぬか? イザークよ。ゴーレム相手でも苦戦してるだろうに?』

 「え!? フ、フジ様ぁ? い、いえ、少し昔のことを思い出していまして……」

 『昔のこと? 我と会う前か? 誰でも未熟のときがあろうに。まぁ、イザークはまだまだ未熟であるがな!』

 「は、はいぃ~~! フジ様」 

 『よし! おあつらえ向きにゴーレムが来たぞ! 征けぃ! イザークよ!』

 フジの言葉とおり、前方の闇からぬぅと”土”ゴーレムが現れる

 「は、はい! クマ! 手伝ってーー!」

 と、叫びながらゴーレムに向かって駆け出すイザーク


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”


 クマたちもイザークに続く。もう立派な”魔獣使い”といってもいいのではなかろうか

 

 「死ぬなよ……」

 と、見送るサディカだった

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