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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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いい仕事だっただろう (解体終了)

 ……


 ドワーフ親子が”金属製”ゴーレムに立ち向かう中、

 

 「……アレは”解体”している……のかの。イザーク君」

 「そ、そうかも? でも、とれた手とか消えませんね……。カンイチさん」

 「じゃな。全部ドロップじゃったら……。銀色の、居間にでも飾ってやろうかの?」

 「いいですねぇ~~それ!」

 などと、呑気なことを言ってるギャラーリーは置いておいて、


 ”がらり!”

 ”がららん!”

 ”がらん!”


 と、解体されていく鉄ゴーレム。

 そして

 

 ”からららぁーーん!”

 

 更に”鉄”とは違う甲高い音が。

 とうとうダイインドゥ打撃に耐えきれず、銀ゴーレムの右腕が落ちる。

 

 ”ずぅん!”

 膝をつき動きが緩慢になった鉄ゴーレム。動かなくなればしめたもの。的確に細かく打撃が入れられる。急所がわかっているように、しかも同じ場所に。

 ”がらん!” と頭も落とされ、胸部、腹部も部品が抜かれるようにところどころが欠損し、とうとう”鉄”ゴーレムは動かなくなる。完全に機能が停止したようだ

 

 「よぉし! 次だ!」

 「おう!」

 と、ダイインドゥに二人が加勢、三人がかりで銀ゴーレムの討伐、いや、”解体”作業に取り掛かる


 ”かん!” ”がぁん!” ”ききん!” ”こぉーーん!” ”ぎゃん!” ……


 そして、とうとうこの場で稼働するゴーレムはなくなった


 「ふぃ~~。どうじゃ! ガハルト殿ぉ。いい仕事だっただろうに!」

 ぶうんぶぅんとご自慢のハンマを振りながら仲間のものとに。上機嫌のダイインドゥ

 「くっくっく。さすが親方。まさかここまでバラバラにしちまうとはなぁ」

 「でも前に、ゴーレムはコアを破壊云々って聞いてたけど?」

 「はっはっは。イザークよ。”石”以上じゃと、なかなかのぉ。この硬い体を刺し貫かにゃならん。中も金属が詰まっとるで、普通の鎧なんぞよりも何倍も硬いぞ」

 「あ! そうか……。石やら鉄ですもんね……。普通に刺さりませんよね」

 「そうじゃ。が、カンイチのアーティファクトなら撃ち抜けるやもしれんがの。次、出会ったら試してみるかの?」

 「おん? それじゃぁ、親方。他の連中はどうしてるんじゃ? ドワーフ族はとんと見ないでなぁ」

 「そりゃぁ、イレギュラーのリストに載せて近づかないようにじゃないですか? ねぇ?」

 と、イザーク。

 「おいおい、ここの冒険者だってそこまで弱くねぇぞ! イザーク! 引き倒し役の力自慢と数チーム組んでな! 手足にロープ絡めて引き倒し。武器取り上げて動きを封じちまえばな。まぁ、オレは”鉄”初めて見たけどよぉ」

 と、地元のエース。黙ってはいられなかったらしい

 

 「親方たちもずいぶんと慣れたもんじゃったが、どこかでやったのかの?」

 「ワシは昔に一回のぉ、もう少し小さい”鉄”ゴーレムだったがな。じゃが、所詮、鉄人形じゃろが。ワシらにかかればこんなもんじゃ」

 「ああ、師匠! なんとなくだけど、オレたちってどこを叩けばいいかわかるんだよ。そこを叩くと、なにかスコン! と抜けたような? で、ぽろっと?」

 と、ミスリール。

 「ぽろっと? ほ~~ん。本当か。面白いのぉ。それもスキルやら、魔法の類かのぉ、親方」

 「かもしらんな。はっはっは。ふむ。丸のまま残ったようじゃな。さっさとしまっておくれ、カンイチ」

 「あ! 腕だけあずかるよ! 分析しないとね! くぅ~~! 楽しみだなぁ!」

 「お、おう! そうじゃな。ううん?」

 「カンイチ!」


 と、その時、三本ある石柱の内、一本の石柱が三度輝く! 


 「お! おおぉ!? いよいよ、金ピカゴーレムの登場かぁ! カンイチ! 親方ぁ!」

 少々興奮気味のアールカエフ。が、

 石柱の吐き出したものは、”宝箱”

 

 「……。なんだぁ~~。つまんないの。僕の期待を返していただきたい! ワクワクを!」

 「い、いえ、宝箱ですし。アール様。それに、今までで一番、豪華っぽいですよ?」

 「そうかい? イザーク君。じゃ、ミスリール君、お腹へったから、さっさと開けてちょうだい!」

 「りょうか~~い。よっと……」

 鍵や罠のチェック後、開けられた宝箱。同時に箱が消え、


 ”ごどとん”

 

 「おお! 金塊だ! これなら40kgくらいありそうだぞ!」 

 「わわ! で、でかぁ! アール様! アール様! 金ピカですよ?」

 「違うのだよ! こういうことではないのよ? イザーク君!」

 と、少々お怒りのアールカエフ

 「無理を言っちゃぁいかんぞアールよ。が、やっと『黄金洞窟』っぽくなってきたのぉ」

 と、ホクホク顔のカンイチ。ひんやり冷たい金塊の表面を撫でる

 「はぁ、カンイチ! こんなちっぽけな金塊なんぞよりもさっきの”銀”ピカゴーレムのほうがうんと金になるぞ! ”鉄”のだって!」

 「そ、それは本当かの? ディアンさん」

 「ああ、ただの銀じゃなし。それに誰かさんがいうように、組み直して居間に飾りたがるお貴族様だってたくさんいるだろうさ。競売にかけたらどれほどかねぇ」

 「お、おぅ。聞こえてたんか……ディアンさん……」

 戦闘中だっただろうと、舌を巻くカンイチ。今後、いかなる時にも余計なことはいわないでおこうと心に決める。特に悪口は

 ……


 「よし、今日は親方たちも疲れあたろう。少し早く休もうか。なぁ、カンイチ」

 と、ガハルト

 「そうじゃな」

 「おう! いい仕事のあとじゃ。軽く……の」

 「休憩場さ行ったらの。もう一踏ん張り頼むぞ。親方」

 「おうよ!」

 ……

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